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展覧会レビュー
村田真/原久子
9/22
東京府美術館の時代1926-1970
9/23〜12/4 東京都現代美術館[東京]
どっちかというとイザム・ノグチより、こっちを見に来たのだ。今年は東京都現代美術館の開館10周年。お金があればもっと浮いた特別展をぶち上げたところだろうが、幸か不幸か地に足のついた企画となった。今年はまた上野の現東京都美術館の開館30周年であり、ということは旧都美術館が取り壊されて30年たったということでもある。同展は、美術館建築とコレクション、およびここを舞台に繰り広げられた4つのエポックメーキングな展覧会の再現で、この旧都美術館(開館当初は東京府美術館)の半世紀を振り返るもの。4つの展覧会とは、開館して初めての第1回聖徳太子奉讃美術展(1926)、紀元二千六百年奉祝美術展覧会(1940)、読売アンデパンダン展(1949〜63)、第10回東京ビエンナーレ「人間と物質」(1970)。的確な選択だと思う。しかし戦前の2本は作品が残っているからいいものの、戦後の2本はその場限りで消えてしまった作品も少なくないので、読売アンパンの場合は再制作、東京ビエンナーレの場合は記録写真で見せるしかなかった。そしてこの東京ビエンナーレの遺伝子が今回の横浜トリエンナーレに受け継がれているわけで、なんだか隔世の感があるなあ。
[9月23日(金) 村田真]
グローバル・プレイヤーズ 日本とドイツの現代アーティスト
9/12〜24 コバヤシ画廊、ギャラリイK[東京]
初日に見逃した画廊をまわろうと思ったが、祝日なので2軒しか開いてなかった。ギャラリーQは開廊となっているのに閉まってたぞ。どうした上田雄三! と名指しで宣伝しときます。
[9月23日(金) 村田真]
ヤノベケンジ キンダガルテン
6/24〜10/2 豊田市美術館[愛知]
ヤノベケンジ キンダガルテン
ヤノベケンジ キンダガルテン
出品作の《ジャイアント・トらやん》は火を噴くということだったが訪問した日にはそのパフォーマンスはなかった。前回は4メートルくらいの長い炎を吐いたと聞き、こいつの口から火柱が出ていたのか、とまじまじと見学。黄色いアトムスーツを着た小さい《トらやん》たちは、いったい何人いるかわからないほど、会場のあちこちで楽しげに出没している。キンダガルテンはドイツ語で幼稚園の意。チビっこたちの、放射能を感知するカウンターを付けたアトムスーツの装着の意味合いを考えると、カワイイ〜なんて反応はけしてできない。
[9月23日(金) 原久子]
ホン・ヨンイン The Performing City
9/17〜10/16 +Gallery、伊藤家、布袋大仏[愛知]
ホン・ヨンイン
ホン・ヨンイン
工事用の防塵幕をもちいたホン・ヨンインの作品。日々その様相を変えてゆく都市空間。工事用の防塵幕はその変化をもたらすものの象徴でもある。コンクリート製の大仏は、額などに大きな亀裂が入りはじめ、補修工事がなされるという。工事のための足場にドレープのたっぷり入った真っ赤な幕をつけ、グレーの大仏もとても祝祭的にいろどられた。
[9月23日(金) 原久子]
Art in Living
9/1〜10/31 名古屋港界隈店舗、民家など[愛知]
「生活にアートを」というメッセージがこめられたイベント。アートがあったほうが日常が楽しくなるというのかな……。インフォメーションがほとんどないので、このイベントそのもののあり方がかなり中途半端。作品そのものがどう街に作用してゆくかということについても、このイベントの規模だと測りづらいものがある。メガネ屋さんのご主人を描いた絵、横におじさんが立ってくれたら、そっくりだった。肉屋の店先には写真作品。おばさんはちょっと誇らしげに「見てください」って言ってたし。こういうのもありかナ。
[9月23日(金) 原久子]
北村成美のダンスマラソン こんどこそ!vol.4
9/16〜25 京都市東山青少年活動センター[京都]
10日間連続のダンスマラソンに挑んだ北村成美。人呼んで、なにわのコリオグラファーしげやん。集まった観客も彼女の発するエネルギーを受けて、身体を動かしたい衝動にかられる。この日はロビーでのダンスと、会場に入っての2回、計3回公演。ロビーでは、はじまってから7日間のダンスの様子がビデオで流されていた。ピンク色のTシャツ、ミニスカート、靴下。すべてがピンクずくめ。毎日どうやらテーマカラーがあったらしいが、その色とダンスはあまり関係なさそう。観にきている人の動作をひとつずつお題としてもらってゆき、その動作を連続させてゆき即興で振付して踊ってゆく。だれにでもダンスはできそうだ、という気持ちにさせられると同時に、あのエネルギーはどこからやってくるのか、と驚かされた。
[9月24日(土) 原久子]
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