村田真/原久子 |
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1/12-1/16 |
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須田国太郎 展
1/13〜3/5 東京国立近代美術館[東京] |
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画家の生涯なんてロケットみたいなもんだ。初期のころは一生懸命いい作品をつくるのに、評価が定まると手を抜きはじめ、晩年は見る影もない。これは打ち上げ時に最大のエネルギーを使い、軌道にのれば惰性で飛んで、勢いつきて落ちていくロケットと同じ。だから回顧展などで年代順に作品が並んでたりすると、最初のうちはおもしろいのに見終わってがっかりすることが多い。須田国太郎もぜんぜん期待してなかった。そもそも土色っぽい絵を描く人というくらいしか知らないし。で、最初から見ていくと、うん、真摯な態度で描いているなあというのが伝わってくる。ところが、ふつうならスタイルを確立したあたりからどんどん薄味になっていくのに、この画家はそうはならない。ある意味でスタイルを確立する直前のまま、真摯な態度もそのまま60歳くらいまで保ち続けて描いてきたという印象だ(さすがに晩年は衰えを隠せないが)。進歩がないともいえるけど、変わることが進歩発展と考えられてきたモダニズムの時代に、このブレのなさは驚異的だ。ところで、最後の部屋には鳥を中心に小品ばかりが並んでいるが、展示即売会みたいでなんだかなあ。
[1月12日(木) 村田真] |
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國安孝昌 展
1/10〜2/4 ギャラリーなつか[東京] |
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おおギャラリーなつかがレンガと木材で充填されている。かれこれ20年近く前になろうか、國安のデビュー間もないころの個展の情景がフラッシュバックする。なんか原点に戻ったって感じ。でも当時のような新鮮な感動がないのは、作品に垢がついたせい? それとも私の感性が磨耗したせい?
[1月13日(金) 村田真]
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アートと話す/アートを話す
1/14〜3/26 東京オペラシティアートギャラリー[東京] |
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ダイムラー・クライスラー社が集めたバウハウス以降の現代美術コレクションの紹介。でも単なる現代美術展でもコレクション展でもない。これらの作品との対話をとおして現代美術の理解を深めようとの趣旨だ。作品はバウハウスのアルバース、イッテンから、ティンゲリー、ビュレン、デ・マリア、コスースと、どっちかといえば洗練されたミニマル・コンセプチュアル系が多い。また、ウォーホルやロンゴら自動車をテーマにしたコミッションワークもあって、企業色がよく表われている。企業の「文化責任」を考えさせるコレクション展といえる。
[1月13日(金) 村田真] |
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小柳裕 新作展
1/12〜2/18 ケンジタキギャラリー東京[東京] |
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円形や角にアールのついたキャンヴァスに夜景。写真をもとに描いたんだろうけど、色彩もタッチも柔らかく独特の雰囲気を醸し出している。一見、建築を撮ったように見えて、実はミニチュア模型をつくって撮影したという写真があるが、これもそんな印象だ。
[1月13日(金) 村田真]
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Chain reaction #1 岩野仁美 展
1/7〜15 ヨシダテハウス[東京] |
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ゲストキュレーター橋本誠の選んだアーティストが最初に個展を開き、そのアーティストが別のアーティストを選んで次の個展につなげるというチェーンリアクション展。岩野の作品は写真だけど、画面が表面張力みたいに凹凸している。木目込みという江戸時代に盛んだった手法らしい。今日はインディペンデントキュレーター東谷隆司のトークもあった。
[1月14日(土) 村田真] |
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2006 ART FESTIVAL
1/10〜14 大阪西梅田界隈[大阪] |
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イベントの全体を見ていないので、全容を語ることはできないが、普段は見過ごされている既存の野外彫刻や建築物に付随する彫刻作品を再発見するツアーや、大阪を拠点とするグラフィックデザイナーや写真家の作品展示などが行なわれた。大阪駅前のハービスエントでは発光する輪と携帯カイロとイベントマップが無料配布されていた。このイベントの目玉は「体験するアート 光のインスタレーション」と銘打たれた高橋匡太の2つの光の作品だったのではないか。キリンコンテンポラリーアワード最優秀作品賞を受賞した1999年作の《スイコマレルキモチ》は直径8m、高さ6mの作品。上部からみると、渦巻きのなかに飛び込みたくなってくるような衝動にかられるトリップしてしまうようなヤバイもの。今回は一般のオーディエンスは下から見上げるのみでした。新作は、27階建ての大阪駅ビル(ACTY
OSAKA)の西側の壁全面を光りで彩った《マインドビート2006》。コンピュータでプログラミングされ、モザイク状のグリッドのさまざまな光の変化をしばし楽しむ。
[1月14日(土) 原久子] |
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春木麻衣子
1/14〜2/12 ナディッフ[東京] |
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露出を間違えたエラー写真のような白黒作品を、ギャラリーだけでなく書店内の床にも貼りつけている。ギャラリーでは4色に塗り分けた壁4面に作品を並べ、下から照明を当てている。写真に共感する私としては、そこまで演出する必要があるのかと。
[1月16日(月) 村田真] |
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峯村敏明 作品展──響きと照応
12/19〜1/21 ギャラリーGAN[東京] |
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なんだかそれらしい作品が数点ある。石を彫ったり布を使ったり、さまざまな素材と形態を操る作法はとてもシロートとは思えない。あ、プロですか、失礼しました。その飽くなき根性には脱帽します。でも、どうしても作品が彼のこれまでの言語的探索のあとをたどっている、またはそれを証明しようとしているように見えてしまうのだ。つまり言語に先立つ作品ならではの絶対的・瞬間的「輝き」に欠けるというか。だいたい、作品点数が少ないわけではないのに、会場に入ったときのスカスカ感はなんだろう。もうあと30年続ければいい作家になれるかもしれないが。
[1月16日(月) 村田真] |
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