村田真/原久子 |
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1/17-1/20 |
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前川國男 建築展
12/23〜3/5 東京ステーションギャラリー[東京] |
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30年ほど前に東京都美術館が建て替えられたとき、つまらない建築になったなと思ったし、いまでもそう思っている。でもそれが前川國男の設計だと知ると、なぜか少しはいとおしく感じられる。といっても別に前川國男のことを知ってるわけじゃない。知ってることといえば、戦前、坂倉準三らとともにル・コルビュジエのアトリエにいたことくらい。つまり、モダン建築には反感を覚えるけれど、モダニストの建築家には共感するという、ま、ありがちなスタンスなのだ。たとえば、戦後、全国各地に建てられた20を超える日本相互銀行の支店。どれも似たり寄ったりの四角いモダン建築だが、ここで前川はさまざまな技術的実験を繰り返したという。だからどこかで目にしたとしても気にも止めなかっただろうけど、そのほとんどが現存しないと聞くと、にわかにもったいないと思う。時間がたつにつれ、おそらく後者の気分が強まって歴史的建築の保存運動につながっていくのかも。 [1月17日(火) 村田真]
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荒木珠奈──虹蛇
1/13〜2/12 エキジビション・スペース[東京] |
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大きさの異なる半円形のゲートがいくつも並んでいる。なんだろうと思って裏にまわると、これが虹色のヘビになっているのだ。これって、ひょっとして「虹」と「蛇」の字が似ているところから発想した? その横にはヘビの抜け殻もあって、だれでもかぶれる(って、かぶりたいかよ)。
[1月17日(火) 村田真] |
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中川トラヲ 妄想の賜物
1/10〜2/10 第一生命ギャラリー[東京]
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さまざまなイメージを寄せ集めたペインティング。色もきれいだし、タッチも軽快だ。それだけにもうひとつなにか強烈なインパクトがほしくなる。
[1月19日(木) 村田真]
VOCA展2005で奨励賞を受賞した中川トラヲの個展。全体的に作品が掛けられる高さが高めに設定されているせいか、いつもの浮遊感とは少し違った、上からの重力を感じた。個展案内のポストカードにも使われていた作品も含め、出品作にはこれまでの作品より色味が鮮やかなものが多くなった気がする。
[1月20日(金) 原久子]
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DOMANI・明日展2006
1/20〜3/1 損保ジャパン東郷青児美術館[東京] |
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文化庁の芸術家在外研修(海外留学)の成果発表の展覧会。今年で9回目だが、回を追うごとにコンテンポラリーになっていく。コンテンポラリーだからメディアも多様なはずだが、出品作家9人中4人(前田哲明、塩野麻理、大井秀規、棚田康司)までが彫刻、ふたり(楡木令子、横溝美由紀)は彫刻科出身のインスタレーションで、絵画は中山ダイスケただひとり。中ザワヒデキも理念的には絵画だが、それでもふたりしかいない。出身別に見ると、彫刻系は前述の6人に対し、絵画系はゼロ。偶然か? [1月19日(木) 村田真] |
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MOTアニュアル2006 No Border「日本画」から/「日本画」へ
1/21〜3/26 東京都現代美術館[東京] |
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20年ほど前から「現代美術としての日本画」みたいな展覧会がしばしば開かれてきたが、もはや現代美術も日本画もないのだろう、同展ではそんなに肩ひじ張らずに新世代の日本画を見せている。今回はプレスツアーに参加したので、出品作家の顔もわかる。男5人に女2人だが、男たちは風体も作品もコメントもごくまともなのに、女たち(町田久美と松井冬子)はきわめて濃いというかクセが強いというか、ノワールなのだ。それはともかく、不可解だったのはプレスツアーのさいに手渡された「遵守事項」。撮影や筆記用具の制限はわかるけど、「プレスツアーからの途中退場」や「プレスツアー中の作家への質問」が禁止されている。いつから東京都は北朝鮮になったんだ?
[1月20日(金) 村田真]
個人的にも「日本画」は、ある20代の作家の作品を観てから最近気になるものだった。そうか、みんな同じようなことを考えるんだな、と思いながら、7人の作品を観てゆく。まったく初めて観る作家の作品もある。簡単に語れることなんてなにもない。もう1回見に行こう。
[1月20日(金) 原久子]
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フェデリコ・エレーロ 展 ライブ サーフェイス
10/29〜2/26 ワタリウム美術館[東京] |
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どうしてもっと早く観に来なかったんだろう。高さ7m近くある壁に直接描かれた壁画は、目がいくつもギョロギョロついていて、動物の顔に見えたり、身体に見えたり、同じ場所を観ていても、どんどん変化するように見えてくる。ずっと観ていても飽きない代物。カラフルな色づかいだが、隣り合った色がケンカしないで、調和がとれていて、こんな作品見せて下さって有難う神様と言いたくなるくらい幸せな気分に。上部階ではガラス越しに観ることができるのだが、それもハンモックに揺られながらというオマケがついている。ワークショップで参加者と一緒に描いたという壁から床にかけて描いた作品は、謎めいていた。
[1月20日(金) 原久子] |
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名和晃平 個展『GUSH』
1/20〜2/25 SCAI THE BATH HOUSE[東京] |
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ブクブクと湧き出してきたような発泡ウレタンを素材とする彫刻。鏡を支持体にしてグルーガンで描かれたドローイングは、造形化が進んできていた。エアブラシを用いたドローイングは、画像データなどではみていたものの実物を初めて目にする。展覧会名「GUSH」は噴出する、どくどく流れ出る、といった意味をもつ。生命が持つエネルギーも感じる一方、工業製品的な匂いも多少放っている。作業は職人的な要素も多いのだろうが、完璧な姿で提示されているせいだろうか。
[1月20日(金) 原久子] |
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