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プライバシーステートメント
展覧会レビュー
村田真/原久子
5/22-6/1
三宅砂織「トゥィンクル」
5/18~30 複眼ギャラリー[大阪]
観に行けなかったが、春にあった東京(Yuka Sasahara Gallery)での加藤千尋との2人展は、かなり良かったとのことだったので、この三宅の個展に期待していた。初めて試みたという動画、油彩、版画、印画紙にシルバーゼラチンプリントの作品など、手法は多岐に渡る。キラキラと輝くという「トゥィンクル」という展覧会名のとおり、いろんな意味で輝いていた。毒気をあまり表に出さず潜ませるなど、期待以上にいい展覧会となっていた。
[5月22日(月) 原久子]
アフリカ・リミックス:多様化するアフリカの現代美術
5/27〜8/31 森美術館[東京]
アフリカ・リミックス:多様化するアフリカの現代美術
これまで何度かアフリカ現代美術展というのを見たけど、ほぼアフリカ全域におよぶ25カ国から84人のアーティストの出品は、日本では空前の規模。それだけに作品は多彩なのだが、おもしろいことにだいたいどれもアフリカ(人)の作品だとわかる。サルをはじめとする動物をモチーフにしたり、アフリカの風景や民芸品が登場したり、写真や映像作品では黒人が映っていたりするからだ。同展はヨーロッパを巡回してきたものなので、「アフリカらしさ」を強調しているのかもしれない(チーフキュレーターのシモン・ンジャミはアフリカ名だけど)。といっても伝統的なアフリカらしさではなく、現代美術の作法にのっとったアフリカのイメージなのだ。だからわかりやすく、読み解きやすい。いずれにせよ西欧の文脈で組み立てられたアフリカ展だなあ。
[5月26日(金) 村田真]
居城純子 をちこち
5/8〜27 ギャラリーほそかわ[大阪]
これまでの絵画の世界から立体的な3次元の世界へと飛び出そうと実験的なことがなされている。「実験的」などと書くとちょっと堅苦しいが、床に転がっているボールは、絵画と現実世界を結ぶ役割をもっているし、リラックスして作品を観ることができる。ただ、これまでの彼女の作品を期待して観に来る人には少しとまどいを与えたのではないだろうか。
[5月27日(土) 原久子]
中原浩大 ドローイング展
5/20~27 vol.1「print, photo, drawing」
6/1~17 vol.2「ツバメ―swallows」
ノマルプロジェクトスペース[大阪]
中原浩大 ドローイング展
「ツバメ」会場風景
しばらく発表活動をしていなかったので、創作そのものをしなくなっていたのではないかとか少し心配していた人もいただろう。ここに出していた写真やドローイングをみて、中原浩大の健在ぶりを確認することができた。
[5月27日(土) 原久子]
西宮市大谷記念美術館×藤本由紀夫 美術館の遠足 10/10
5/27 西宮市大谷記念美術館[兵庫]
毎年1回1日ずつ10年間続いた展覧会「美術館の遠足」が最終回を迎えた。今回はこれまでで最もオーディエンスを突き放した、いや自発的に個々が感じることを誘発したというべきなのか。音を聴くこと、光を見ること、感触を確かめること、自分でお好きなようにといった展示。広い会場のなかにほとんど何も設置されていない、視覚に訴えかける物質を置くことではなく、藤本流のしつらえがなされているが、お作法は気にしなくてもOK。しかし、驚くべきことにとてもたくさんのオーディエンスが入場しているのに、全体としては比較的静かな会場となっているのは、10年間で藤本さんにしつけられたということだろうか。あんまりみんなが真面目に感覚を研ぎ澄ますことに夢中になっていて、その姿はおかしくもあった。
[5月27日(土) 原久子]
ダ・ヴィンチ・コード展
4/27〜6/23 森アーツセンターギャラリー[東京]
昨年はレオナルドの《レスター手稿》をもったいぶって公開したギャラリーで、今年は映画「ダ・ヴィンチ・コード」のプロモを兼ねた展覧会だ。もちろんホンモノの作品は1点も来ておらず、《モナ・リザ》や《岩窟の聖母》などの画像を見せるだけなのだが、映像にわざわざ額縁をはめているのがなんだかおかしい。あとはフィボナッチ数列の紹介だとか、映画に使われたクリプテックスやスマートカーの展示、そしてパリとロンドンの観光案内。
[5月29日(月) 村田真]
フランシス真悟展
5/19〜31 ギャルリーパリ[神奈川]
フランシス真悟展
マンガニーズブルー(マンガン青)を主調に、青系の絵具を何十回も塗り重ねたタブロー。1点1点少しずつ青のニュアンスが異なる。どれも下のほうをわずかに濃くしてあって、見ようによっては空と海に見えなくもない。港の近くのギャラリーなので絶好のロケーションかも。
[5月31日(水) 村田真]
天上のシェリー 西野達展
6/2〜8/31 メゾンエルメス屋上[東京]
去年の横浜トリエンナーレでは、中華街の公園の東屋をホテルにしてしまった西野達(当時は西野達郎という名前で出品)。既存の建物の象徴的な部分を囲 い込んで小屋ふうのものを作っていく方法で、そこにあったものとの出会いをまったく別な状況下に置いてしまう。今回も銀座のど真ん中で、仰天するようなことをしでかした。まず、道から遠目にはエルメスの屋上に掘っ立て小屋が 建っているのが確認できる。8Fまではエレベータで上がるが、そこからもう物 語ははじまっている。導入からクライマックスまでの展開を十分に楽しんでもらいたい。8月末までやっているので、その真相はここでは明かすことはしません。まず、昇ってみて下さい。
[6月1日(木) 原久子]

天上のシェリー 西野達展
エレベーターで8階まで昇り、そこから階段を昇って屋上へ。ここまでたどりつくのに30分かかった。今日はオープニングだから人がたくさん並んでたのね。あ、原久子もいる。解説は彼女にまかせるとしよう。それにしてもよくやらせたもんだ。えらいぞエルメス。
[6月1日(木) 村田真]
Index
5/22-6/1
三宅砂織「トゥィンクル」
アフリカ・リミックス
居城純子 をちこち
中原浩大 ドローイング展
西宮市大谷記念美術館×藤本由紀夫 美術館の遠足
ダ・ヴィンチ・コード展
フランシス真悟展
天上のシェリー 西野達
6/1-6/4
カルティエ現代美術財団コレクション展
MOTコレクション 1960年代以降の美術 
永原トミヒロ展
小さな骨の動物園展
束芋 ヨロヨロン
開館10周年記念 vision II──内なるこども
6/4-6/10
キラキラジェネレーション 三瀬夏之介
西田潤展 “絶”
ロビン・ロード展
石田徹也追悼展
さよならナム・ジュン・パイク展
キッズ・ワークショップ「混じり合う色」
6/10-6/14
「ありがとうタム、またきてね!」
新二世五姓田芳柳と近代洋画の系譜
説法ライブ
吉原治良展
青森県立美術館開館プレス発表会
本田健展
新井卓展「鏡ごしのランデヴー」
6/15-6/17
売女日記/お客と一緒に撮るポルノ
田口和奈
蓮實真理子
アイルランドの3人
ルーヴル美術館展
照屋勇賢 水に浮かぶ島展
持続/切断
6/17-6/23
渡部睦子
エキソニモ「WORLD B」
CINEMA SOLORIENS & THE COSMO DRAMA JAPAN TOUR
高島野十郎展
林茂樹展
骨董誕生
文化大革命時代のポスター展
6/24-6/26
高畑早苗展
松本力×チャンキー松本
√roots ──わたしの中の日本的なるもの
村井美々個展
夢をみる夢──13月の日記
traces
三つの個展:伊藤存、今村源、須田悦弘
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