村田真/原久子 |
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3/26〜4/21 |
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華・非・華
3/28〜4/22 トーキョーワンダーサイト本郷[東京] |
作品公募ではなく、展覧会の企画を公募して実現した2本。「華・非・華」は台湾からの留学生、黄(ホワン・サンサン)の企画で、台湾の呉詠潔と日本の森本太郎による絵画展。文化的に近しい日台を対比させた、ある意味きわめてオーソドックスな展覧会といえる。入選決定から展覧会開催までわずか2カ月のあいだにさまざまな企業・団体から協力をとりつけ、国際交流につくした。
[4月6日(金) 村田真] |
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ダブルキャスト
3/28〜4/22 トーキョーワンダーサイト本郷[東京] |
一方、こちらは対照的に作品らしきものが見当たらない「展覧会」。岩井優、田口行弘というふたりのアーティストの制作したセットで映像を撮影・編集し、特設サイトおよびYouTubeから配信するほか、随時パフォーマンスやトークを行なうことで交流の場にしていくという。ある種の展覧会批判であり、「展覧会企画公募」への反乱でもあるのだが、それを入選させることがワンダーサイト側の反乱なのかもしれない。
[4月6日(金) 村田真]
公募で選出された3企画が1〜3階までを1フロアずつ使って実施されている。1階は花/華をテーマした絵画の2人展「華・非・華」、2階はロンドンを拠点とする5人のアーティストのビデオ作品展「Video Art From London」、3階が「Double Cast」。中央に仕切り壁のある3階にはそれぞれ岩井優、田口行弘のインスタレーション作品がある。作品といっても、誰もいない状態では機能しない。ここにオーディエンスがかかわることではじめて成立する。会場内に文京区のゴミ分別回収用のプラスチックコンテナが組みあげられ、インスタレーションされた岩井の部屋。この後、コンテナの組み方を次第に変えてゆき、この場をつかってさまざまなトークショーが開かれる。ベルリン在住の田口行弘は、大きなビニール袋のなかにテーブルやイスを持ち込んでいるが、ここで日本滞在中、毎日本人がなかに入って袋を真空にするというパフォーマンスを行なう。ここでの出来事は記録映像としてYou Tubeで配信された。
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左=岩井優インスタレーション
右=田口行弘インスタレーション |
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[3月28日(水) 原久子] |
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美人のつくりかた
4/7〜6/3 印刷博物館[東京] |
タイトルに釣られて来ました以外のなにものでもない展覧会。おもに大正・昭和前期のレトロモダンなポスターを集めたもので、そのほとんどに日本髪を結った日本人顔の美人が描かれていて楽しめた。なかにはビールのポスターと薬用クリームのポスターに同じ図像が使われてたりして、著作権がどーのこーの以前に、美人ならなんでもいいから使っちゃえ的たくましさが感じられる。ちなみに、春に姫路市立美術館で開かれたときは「大正レトロ昭和モダンポスター展」というタイトル。公立と私立の違いか。
[4月6日(金) 村田真] |
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地震EXPO
4/6〜5/6 BankART1929/NYK[神奈川] |
日本中で地震の頻発する昨今、時宜を得た企画。阪神大震災や中越地震を中心とした写真・映像・絵本などのドキュメントのほか、アーティストの提案する防災グッズや建築家の考えた避難シェルターなど「そなえ」にも力を入れる。ただ、BankARTの常連客にとってはアートっぽくないかもしれないし、防災のプロからすればアートっぽすぎると感じるかもしれない。ともあれ、曽我部昌史、塚本由晴、眞田岳彦ら建築家やデザイナーによるシェルターづくりのワークショップ、非常食を含めた防災グッズの販売、1晩ライフラインを停めてすごすサバイバルキャンプなどは、BankART以外の美術館ではできないだろう。
[4月6日(金) 村田真] |
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第10回岡本太郎現代芸術賞展
2/3〜4/8 川崎市岡本太郎美術館[神奈川] |
美術賞展にもいろいろあるが、このTARO賞の最大の特徴は入選作品がおおむね「暗い」ということだろう。その意味ではいかにも明暗あわせ飲む岡本太郎にふさわしい、現代を反映した賞といえるかもしれない。エロマンガをコラージュして別作品に仕立て上げる菱刈俊作(壁の作品よりマンガ本形式のほうがいい)、どす黒い絵本を制作した澤田サンダー・増山麗奈、崩壊する城などを病的なまでに緻密に描く池田学、ひととおり見終わって帰りぎわ存在に気づいた狩野哲郎の雑草……。残念なのは、作品データの掲載されたパンフレットが品切れになっていたこと。会期終了まぎわに行くほうがいけないのだが。
[4月7日(土) 村田真] |
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生意気展『KINKY MUFF LAND』
4/7〜5/13 graf media gm[大阪] |
ここのところ、都会における農業に強い興味を持っている生意気の2人。大阪のど真ん中、中之島のビル(graf bld.)の屋上にちょっとした農耕地(?)まで登場。生態系の循環など、彼らの興味は尽きないし、これらのことって私たちが「生きる」ってことにとても大きく関わっていること。だけど、彼らがやると眉に縦皺じゃなくて、笑い皺くらいしかできないかな。とてもハッピーになれます。
[4月7日(土) 原久子] |
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