村田真/原久子 |
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3/26〜4/21 |
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「安藤忠雄 2006年の現場 悪戦苦闘」展
3/29〜4/18 21_21 DESIGN SIGHT[東京] |
六本木ミッドタウンに新たにデザインミュージアムが発足した。オープニングを飾ったのは、21_21 DESIGN SIGHTの建物を設計した安藤忠雄の昨年(2006)の仕事を模型、図面、写真などで紹介する展覧会。建築展は門外漢の私にとって、過去に於いてほとんどの場合、退屈だった。しかし近年では、去年の伊東豊雄展(東京オペラシティアートギャラリー)などをはじめ、かなり空間として体感できる展覧会が増えてきている。今回は、本人が設計した本物が前にあるのだから、“百聞は一見にしかず”どころかまずは建物を体感していただきたい、ということか。展示順路の最後のところで狭い通路を通ることになる。2度直角に曲がることを強いられるが、こうした場所が安藤建築ならではといった面もあり、見せ場のひとつだった。
[3月28日(水) 原久子] |
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VOCA展2007
3/15〜30 上野の森美術館[東京] |
すでに前回の更新時に村田さんも紹介している。そこでも指摘されているように、支持体のバラエティというのは確かにある。で、思い出したのが、以前、田中功起が壁掛け型のプラズマディスプレイで映像作品を出品したことだ。そして、奇しくも(?)今回の会期中に隣接する上野の森美術館ギャラリーにて、同時開催で「第一回 田中功起ショー『いままでのこと、さいきんのこと、これからのこと』」が開催されていた。スチール机、パイプ椅子など古い事務所の倉庫から取り出してきたようなものが配置され、映像作品が映し出されたディスプレイを皆がそれぞれに観ている。作品の内容も勿論だが、またこの観ている人たちがあっちこっちに向いてじっと前を見て座っている光景も全体がオモロくできていた。……そんなわけで、VOCA展出品作1枚ずつについてあれこれ思いを巡らす前に、会場を出てすぐに田中功起ショーを観てしまったせいか、VOCA展に出ていた作家たちがいろんなところで発表していて既視感もあったから、ポスター等の告知印刷物のインパクトとは裏腹に印象がやや薄かった。
[3月28日(水) 原久子] |
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アドリアナ・ヴァレジョン
1/27〜3/31 原美術館[東京] |
ブラジルのアーティストというと、最近出会ったのは、大阪で個展をしたグラフィティライターのTitiだったから、アドリアナ・ヴァレジョンの作品とはとても違う。ただ、正面を向いて作品を作っている姿勢は共通する。でも、ヴァレジョンの作品は大きな視野にたって民族やさまざまなものを見つめていこうとしているぶん、大人のアートかな。タイルの幾何的な模様を水を通して歪めるような構図の作品シリーズと、東洋的な絵画の構図を用いているシリーズが主にあるのだが、なぜ東洋的なものを引用したのか理由がよくわからなかった。過去の作品などももう少しみていくと理解できるのかな……。
[3月28日(水) 原久子] |
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靉光展
3/30〜5/27 東京国立近代美術館[東京] |
生誕100年を記念し、約120点の代表作を集めた回顧展。このように、近代日本の画家を毎年ひとりでも取り上げていくのは貴重な機会だ。そのうえでいうと、同展に限ったことではないけれど、敗戦直後の1946年に外地で38歳の若さで戦病死したこと、この悲劇的な終わり方が靉光の作品解釈を規定してしまっているように感じた。今回の展示ではとくに最後の部屋、晩年の3点の自画像のドラマチックな見せ方にそれが感じられる。どうもこの最後の部屋から展覧会が組み立てられているように思えてならないのだ。靉光というのはこの展覧会のように、本当に暗く重苦しい画家だったのか。実はもっとひょうきんだったりして。
[3月29日(木) 村田真] |
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