村田真/酒井千穂 |
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10/2〜10/10 |
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あるがせいじ新作展
10/5〜27 ヴァイスフェルト[東京] |
印画紙のような紙を1ミリ単位で四角く切り抜いている。地の紙にはあらかじめ四角い影がプリントされていて、トリッキーな効果も。レントゲンヴェルケの掲げる「ハイパーテクニック/スムースサーフェイス/クールビューティー」を体現したような作品。
[10月12日(金) 村田真] |
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岩尾恵都子 展
9/29〜10/27 ギャラリーMoMo[東京] |
放射状または同心円状に色帯が幾条にも走る。土星の輪のような天体現象を思わせる抽象画と思いきや、よく見ると赤いベベ着た小さな女の子がしゃがんでたりして、イッキにわけがわからないくなる
[10月12日(金) 村田真] |
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六本木クロッシング2007:未来への脈動
10/13〜1/14 森美術館[東京] |
3年前の第1回に比べると、作品が会場内に収まって見やすかった。外部に向けてクロッシングするのではなく、クロッシングが内在化されたという感じ。今回のゲストキュレーターは天野一夫、佐藤直樹、椹木野衣で、森美術館の荒木夏実を加えた4人が作家を人選したというが、全体のテイストとしては椹木色が強いように感じる。たとえば、できやよい、冨谷悦子、東恩納裕一は椹木が選んだのかと思ったら、それぞれ佐藤、天野、荒木の選だという。いずれにせよ、前回の総花的な人選より今回の偏りのある人選のほうがはるかにおもしろいのは事実だ。特筆すべきは、榎忠の林立する金属棒、丸山清人の風呂屋のペンキ絵、関口敦仁の絵、立石大河亞のタブローとコミック、吉村芳生の自画像や新聞の模写など、忘れられ(かけ)たオヤジたちのリヴァイヴァル。
[10月12日(金) 村田真] |
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ロートレック展
9/11〜11/4 サントリーミュージアム天保山[大阪] |
日本初出品というオルセー美術館のロートレック・コレクション、油彩画、版画、ポスターの代表作から、雑誌の挿絵、同時代の他作家の作品など、約300点で構成された大規模な展覧会。これまでもロートレックの作品を紹介する展覧会は沢山あったけれど、これほどのヴォリュームの展示を見たのは初めて。多角的なテーマで構成され、ロートレックというキャラクターがすっと頭に浮かんでくるような脈絡のつかみやすい展示は、論文を読み進めていくように興味深く、その人物像がいっそう魅力的に思われた。活き活きと線が躍動する素描の数々に見入ってしまいずいぶん長居。娼婦のなにげない仕草を描いた作品に、世紀末のパリの場末の空気や匂いまで漂ってくるような気がした。その人生自体がドラマチックなイメージで、ただでさえ興味を掻き立てられる作家だけど、特にアルコール中毒に陥った晩年の作品には、生々しい迫力に満ちたものもあり、会場を出た時には長い映画を観た後のようにくたくただった。
[10月13日(土) 酒井千穂] |
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美術のボケ──漫才の「ボケ・ツッコミ」でみる美術の笑い
10/2〜10/28 海岸通ギャラリーCASO[大阪] |
学生時代に「笑いとアート」を研究してきた桑原暢子によるキュレーションで、作品鑑賞を漫才のボケとツッコミの関係になぞらえた展覧会。浅野幸生、岡本光博、小川しゅん一、木内貴志、現代美術二等兵、shimoken、山本太郎ら7名のアーティストの「ボケ」美術作品に思わず笑ってしまったら、それは桑原の言う、視線による「観察的ツッコミ」(太田省一『社会は笑う──ボケとツッコミの人間関係』青弓社、2002、59頁)の関係がちゃんと成立しているということになる。笑いの要素を自分の目で見つけ、違和感を感じることが美術における「観察的ツッコミ」だという彼女のテキストも興味深いけれど、展示作品が単純に馬鹿馬鹿しくてつい笑ってしまう。現代美術二等兵の「シャアか?シャアなのか?!」に思わずにやけてしまった。でも考えてみると、これは世代によっては解らない感覚かも知れない。なんでこれが美術なのか?と同時に、なんでこれが面白いと言えるのか?そんなことに思いを巡らす余地が大きく、後から考えることも楽しめる。こんな展覧会もっと観たい。
[10月13日(土) 酒井千穂] |
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シュルレアリスムと美術
9/29〜12/9 横浜美術館[神奈川] |
BankARTスクールの美術館ツアーで受講生たちと訪問。最初にバックヤードを見せてもらってから展覧会へ。出品作品の大半は国内の美術館から借りたもの。同時期に別のシュルレアリスム展が巡回しているというから、作品の取り合いになったらしいが、いつのまに日本はシュルレアリスム大国になったのか。子供のころ画集で見て「奇妙な絵だなあ」と頭から離れなかったエルンストの《女、老人と花》もあった。ぼくのシュール初体験。
[10月13日(土) 村田真] |
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出田郷 展
10/1〜21 横浜美術館アートギャラリー1[神奈川] |
昨年アーカスプロジェクトにも参加した出田の個展。アーカス滞在時に制作した渦巻き型のブラインド作品は、横浜でもうまく作動しなかったが、床にストライプ状に照明を当て、各区画ごとに異なる方向に影を射す作品はうまくいった。
[10月13日(土) 村田真] |
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