村田真/酒井千穂 |
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10/2〜10/10 |
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尾角朋子 trace展
10/2〜20 ギャラリーMAKI[東京] |
尾角朋子、といっても横浜のごく一部の人しか知らないだろう。まず、この展覧会の前提として「論証──群島のアート考古学」という大きな枠組みがあり、そのなかの福住廉連続企画「21世紀の限界芸術論」のVol.3として彼女がクローズアップされた。福住氏はBankARTスクールの講座で彼女と知り合ったという。でも尾角はアーティストではないし、作品らしきものが並んでいるわけでもない。並んでいるのは彼女の祖父、大平陽介という文筆家の著書や手紙のコピーなどだ。著書には『巌窟王物語』や『ガリバー物語』といった児童書から、『エチケット事典』『手紙はがき全科』といった実用書があるかと思えば、『ふり袖剣法』『必勝の心理作戦──現代に活かす忍法の戦略と知恵』なるものまであるのだが、もちろんこんな人、だれも知らないだろう。だから予備知識なしに見に来た人はなにがなんだかわからないに違いない。この展覧会のキモは、福住氏の書いたパンフレットのなかにあるのだから。
[10月17日(水) 村田真] |
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落合多武 展
9/29〜10/20 小山登美夫ギャラリー[東京] |
余白の多い絵が数点に、キャスターのついた立体。なんかスカスカだなあ。キーボードの上には木彫のネコが乗っていてホワンホワンと鳴っている。これってひょっとしてネコのための展覧会?
[10月17日(水) 村田真] |
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山本桂輔 展「豊穣」
9/29〜10/20 小山登美夫ギャラリー[東京] |
こちらはいかにもつくりこんだ絵と彫刻で、落合よりもグッと密度が高い。お買い得かも。
[10月17日(水) 村田真] |
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ミロスラフ・ティッシー
10/6〜11/2 タカイシイギャラリー[東京] |
壊れかけた汚いおもちゃのカメラや、昔のアルバムから引きはがしてきたようなセピア色のプリントが展示してある。それも盗み撮りしたかのような女の人の写真ばかり。いったいなんなんだと思ったら、まるでおもちゃにしか見えないこの自家製のカメラで撮った写真なのだ。ミロスラフ・ティッシーはチェコ生まれ、共産主義政権下で刑務所と精神病院ですごした後、ホームレスのような生活を送りながら身近なガラクタでカメラをつくり、女性ばかり撮っていたのだという。ちょっとヘンリー・ダーガーを思わせる壮絶な人生だが、ダーガーと違って彼は美術学校にも通っていたし、刑務所や病院に送られたのも社会体制とぶつかったから。だからアウトサイダー・アートではないけれど、彼自身はまぎれもなくアウトサイダーだった。ともあれ、こんなもんで写真は撮れるのかと感動するくらいすごいカメラだ。
[10月17日(水) 村田真] |
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藤本由紀夫 静/聴
10/6〜11/2 シュウゴアーツ[東京] |
表面をヤスリで削ったレコードや、「still」「listen」「die」などの単語を刻印したキャンヴァス作品など。ほぼ完売状態。タイトルの「静/聴」は、同じギャラリーの関西在住の同世代のアーティスト、森村泰昌の《静聴せよ》と呼応する。
[10月17日(水) 村田真] |
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ウォーホル・ポラロイド・ポートレート
10/6〜12/22 ミヤケファインアート[東京] |
ウォーホルの撮ったスーパースターたちのポラロイド写真。デニス・ホッパー、ダイアナ・ロス、ロバート・メイプルソープ、ジョージア・オキーフ、ペレ、ムハマド・アリ、そしてセルフポートレートまで約60点。これらのポラロイド、シルクスクリーンに起こすための試し撮りだから、似たようなポーズはあるけど同じものは1点もないオリジナル作品だ。いちばん高いのは、女装したセルフポートレートで、295万円なり。
[10月17日(水) 村田真] |
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