村田真/酒井千穂 |
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10/2〜10/10 |
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結 宮川尚子 展
10/23〜10/28 ギャラリーにしかわ[京都] |
陶板の上に色を施してはまた窯で焼くという行程を繰り返し、深い色合いを作り出していく宮川尚子。個展は3度目になる。個展を訪れるたびにモチーフも色も自由になっていっているような気がする。これまでも制作してきた蝶や花、キノコなどの色も美しいが、会場に並列した小さな陶板絵画の抽象的なモチーフがとても軽やかでリズミカルだった。
[10月27日(土) 酒井千穂] |
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イリヤ・カバコフ『世界図鑑』絵本と原画
9/15〜11/11 神奈川県立近代美術館 葉山[神奈川] |
旧ソ連時代、非公認の芸術家として地下活動していたカバコフが約30年間、生活のために描いていた挿絵や絵本を紹介する展覧会。カバコフの描写力の的確さは現代美術界では群を抜くが、そのスキルは皮肉なことにこの旧ソ連時代に磨かれたものであることがよくわかる。それにしてもこれらの絵は、カバコフにとっては生計を支えるため、やむなく検閲を受けて妥協した産物だったはず。それをいまさら公開することに抵抗はなかったのだろうか。カタログ(とても美しく、愛着がわきそう)には「これらすべての本の挿絵を描いたのは、『私』ではなく『彼』だったのである。たとえ、『彼』が私の手で描いていたとしても」という静かな、しかし激烈なコメントが載っている。
[10月27日(土) 村田真] |
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継ぐこと・伝えること36「らくごとあそぼう」
10/28 京都芸術センター 講堂[京都] |
開館当初から行なわれている京都芸術センターの36回目の伝統芸能公演。落語の話のなかに登場するものをモチーフに織り込んだパラモデルの青いプラレールの絵が客席から舞台の上に広がる空間で、「時うどん」や「犬の目」などおなじみの演目が繰り広げられた。大人よりも子どもの笑い声が響く寄席でなんとも不思議。耳も目も良い心地で実に愉快だった。
[10月28日(日) 酒井千穂] |
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アート×ダンス──横浜創造界隈のアーティストたち展
10/26〜11/10 横浜市民ギャラリーあざみ野[神奈川] |
初めてあざみ野駅で降りる。駅前の殺風景な坂道を昇っていくと、四角い大きな建物が見える。あれが横浜市民ギャラリーあざみ野かと思ったら、中古車センターだった。ギャラリーはその先の坂を下ったもっと大きなハコでした。展示は、曽谷朝絵、フランシス真悟、橋本典久、高橋啓祐の4人で、それぞれダンサーが作品の前で踊るという趣向だ。ちなみに、高橋と組むのは矢内原美邦。なんだオフニブロールじゃん。それはともかく、午前中のせいか会場は閑散としている。ギャラリーのスタッフがアートサポーターに説明しているほか、観客はぼくひとり。もったいない。なんでもっと宣伝しないんだ?
[10月29日(月) 村田真] |
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神戸ビエンナーレ2007
10/6〜11/25 神戸メリケンパーク[兵庫] |
神戸港を中心にあっちこっちで繰り広げられているらしいが、メイン会場はメリケンパークに置かれた約70台ほどのコンテナ。港町らしさを出そうとしたのはわかるけど、ちょっと無理がないか。招待作家もコンペ入賞作家もコンテナの直方体の形状、暗さ、密閉感などを考慮に入れながら制作しているのだが、たとえばコンテナを巨大な暗箱に見立ててピンホール写真を撮る試みなどは、だれもが思いつく模範解答なので意外性がなかったりする。逆に意外と効果的だったのが、ある素材をびっしりと集積して見せる方法。壁、床、天井を在日外国人の顔写真で埋めつくしたソン・ジュンナン&ユン・チョンス、絵柄のハンカチを何万枚も張りつけた藤原洋次郎、金一色に塗った造花や額縁でウルトラバロックな仏壇内部のようにした豊福亮などだ。しかし個人的に一番おもしろかったのは、コンテナの条件など顧みず自分の作品を見せた韓国の招待作家、Jaye Rheeの《スワン》だ(ジェイ・リーと読むのだろうか? 日本でやる展覧会なんだから名前くらいカナ表記にしろよ)。あと、なんでいけばなや陶芸が入ってるのか理解できない。2年後も同様の方式でやるつもりだろうか。
[10月31日(水) 村田真] |
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