村田真/酒井千穂 |
|
10/2〜10/10 |
|
池上将暢 展
10/22〜11/10 GALLERY wks.[大阪] |
一見シンプルだけど、四角い画面に描かれた円の印象はころころと変化する。和紙を重ねた画面の奥で、水中に沈んだもののようにぼんやりと輪郭をつくる水色の円形は図と地の境界が不安定に揺らいで、距離感も曖昧。とても表情豊かで、どこか脆い印象を残す美しさだった。
[10月24日(水) 酒井千穂] |
|
臼井良平 展「Sunday Remains」
10/3〜11/2 無人島プロダクション[東京] |
トラバーチンを模したフェイクの天井板、を模したホンモノの大理石彫刻とか、緑色のモコモコの布をカギ穴のかたちに盛り上げた前方後円墳とか。おもしろいけど。
[10月25日(木) 村田真] |
|
「沈黙から」塩田千春 展
10/19〜11/17 神奈川県民ホールギャラリー[神奈川] |
メインギャラリーでは、天井から無数の黒い糸が下に広がるように伸びて、焼け焦げたグランドピアノと数十脚の椅子に結ばれ、絡み合っている。サブギャラリーにも黒い糸で空間を埋めつくしたインスタレーションや、古い窓枠で組み立てた家、それに映像作品もある。もう満腹になるくらい、目いっぱいの力作。だが、繊細な作品のせいか監視員の姿ばかりがめだつ。というより、ぼく以外に観客がひとりもいないのだ。もっと宣伝しろよ。
[10月25日(木) 村田真] |
|
浅田政志 写真展 浅田家2007
10/23〜11/11 GUILD GALLERY[大阪] |
家族全員が出演するコスプレ写真、シュチュエーション写真。定期的にふるさとに帰省しては、地元である三重県を舞台に、家族とともにさまざまな状況や職業を設定した写真作品を制作してきた浅田政志の新作展。家族で観光する場面や、家庭での一コマなどをイメージする作品が多く並んだ今回はこれまでとも少し違う印象。浅田一家が「浅田家」そのものを演じていて、制作の裏側である一家族のドラマがうかがえる。次はどんな風に展開するのかまた楽しみ。
[10月26日(金) 酒井千穂] |
|
SPACE FOR YOUR FUTURE──アートとデザインの遺伝子を組み替える
10/27〜1/20 東京都現代美術館[東京] |
企画展示室全フロアを使っての展示。見たときはけっこう楽しめたし、だだっ広い空間をうまく使ってるなあと感心したものだが、10日後このレビューを書くために思い出そうとしても、巨大なアトリウムに浮かぶ石上純也の《四角いふうせん》を除いて、みごとに記憶が欠落している。あ、そういえばタナカノリユキの100のエリカさまがあったなとか、足立喜一朗の「ひとりディスコ」もあったなとか徐々に思い出すのだけど、大半は忘却の彼方へ。私のアルツ頭が責められるべきか、それともそういう展覧会なのか。
[10月26日(金) 村田真] |
|
Candle キャンドル
10/16〜11/10 FUKUGAN GALLERY[大阪] |
蝋燭の灯だけで、美術作品を鑑賞する。火を使うために完全予約制の展覧会。渡された燭台を持ち歩きながら、作品を見る。会場には、3箇所に灯されているだけであった。スポットなどの照明で見るときとは違い、必然的に作品を凝視してしまう。善積湖戯人の銅と樹脂を素材にしたオブジェは明るいところで見るとアメーバーのようにグロテスクな印象があるのだけれど、暗がりで見つめると、信仰の対象になった石とか岩のようにも見える。ギャラリストの村田さんに言われて納得したのだけれど、会場がいつもよりもうんと静かな空間に思えるから不思議だ。照明は視覚だけでなく聴覚にも作用しているよう。複眼ギャラリーらしい、面白い試みだった。
[10月26日(金) 酒井千穂] |
|
|
Index |
|
|