小吹隆文/福住廉 |
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3/21〜3/22 |
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池田亮司 新作インスタレーション展「datematics」
3/1〜5/25 山口情報芸術センター[山口] |
完全にブラックアウトされたスタジオ内に、膨大なデータや数字をもとにしたインスタレーションなど3つの作品を展示。35mmフィルムにおびただしい数字を焼きつけた作品は、黒の地に白抜きの数字が微細な文様を描いているが、眼を凝らしてしばらく見続けていると、地と図が反転するような錯覚に陥る。高速で前後左右に移動するデータの映像作品も、展示空間そのものを切り裂くかのような鋭利な機械音とともに、位置感覚を攪乱しているかのようだった。
[3月21日(金) 福住廉] |
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シェルター×サバイバル──ファンタスティックに生き抜くための「もうひとつの家」
2/16〜4/13 広島市現代美術館[広島] |
人が非常時に生き延びるための「シェルター」をテーマにした展覧会。この手の企画展では必ず招聘されるヤノベケンジや津村耕祐、増岡巽のほか、都内の公園で物々交換によるカフェ「エノアール」を運営している小川てつオといちむらみさこ、『TOKYO
0円ハウス0円生活』の著者、坂口恭平などが参加した。なかでも目を引いたのは、隅田川沿いに暮らす路上生活者たちのハウスを虫瞰的な視線によって詳細に書き記した坂口のフィールドノート。対象に粘り強く密着し、それを克明に再現する描写力は絵画的な手法というより、むしろ人類学的な手法だが、その生き生きとした絵図を見ていると、いかに私たちが「現実」を見ていないかに気づかされる。ファンタスティックにサヴァイヴするには、何よりもまず、目前の世界をリアリスティックに認識しなければならない。
[3月21日(金) 福住廉] |
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展覧会をつくるということ 市民のこころみ、コレクション展 ─テーマは人間─
3/1〜5/11 広島市現代美術館[広島] |
同美術館の市民企画スタッフが企画した展覧会。テーマを「人間」としたうえで、収蔵作品のなかから作品を選び、展示している。テーマが広大すぎるためか、非専門的な市民が企画したせいかわからないが、展示の仕方や作品の分類には大きな疑問が残った。壁面いっぱいに絵画を押し込んで展示しているかと思えば、立体作品をそっけなく置いてみたり、どこかちぐはぐな印象は否めない。それを「しょせん素人」と非難することは容易だけれど、しかしそうした素人のモチベーションを損なうことなく、専門的な技術や知識を惜しみなく分け与えることこそ、専門家に期待されている役割ではないだろうか。ある分野においては専門家だとしても、別の分野においてはただの素人にすぎないことは、学芸員だろうと市民だろうと、誰にとっても平等な条件であるし、そうした「お互い様の精神」こそ人間にふさわしいからだ。
[3月21日(金) 福住廉] |
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没後30年 熊谷守一 展 天与の色彩 究極のかたち
2/2〜3/23 埼玉県立近代美術館[埼玉] |
熊谷守一の回顧展。東京美術学校在学中の作品から、単純化された色面構成にもとづいた、いわゆる「守一様式」といわれる作品、そして日本画や書にいたるまで、200点あまりが出品された。
[3月22日(土) 福住廉] |
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