村田真/酒井千穂 |
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9/7~9/11 |
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1floor 2008「No potato of name」
8/23〜9/7 KAVCギャラリー、1room、神戸アートビレッジセンター[兵庫] |
若手支援プログラムの公募で選ばれた80年代生まれの3人の作品を展示。八嶋有司は住職、神主、警察官などのインタヴューから、それぞれの話し手の口癖などの無意識が表れた場面を編集した映像、吉田周平はカバンや脚立、文房具などの輪郭をなぞってビニールシートに描いた作品を発表。洗剤の容器や鮭をくわえた熊の木彫り、リコーダーなど、物の表面を紙やすりでひたすら削って磨き上げ、角を無くした青田真也のオブジェのシリーズには思わず笑ってしまったが、形態や質感の違和感、原形とのイメージのギャップがかえって容器の中身やモノの存在自体への想像を巡らせる。削るだけで成していく作品という点も新鮮だった。どれも特に強烈なインパクトがあるわけではないが、淡々と日常を見つめながら漠然とした思いや感覚を作品に転化する3人の表現は気持ちにひっかかり記憶に残る。見えるものと見えないものをサラリとつなげて見せるセンスも共通していて、今後の活動が楽しみになった。
[9月7日(日) 酒井千穂] |
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引込線
8/27〜9/12 西武鉄道旧所沢車両工場[埼玉] |
作家主導で行なわれる「所沢ビエンナーレ」のプレ展という位置づけ。所沢駅近くの車両工場跡地を会場に、伊藤誠、遠藤利克、建畠朔弥、手塚愛子、戸谷成雄、増山士郎ら16人が出品している。そういえば30年くらい前、ぼくがこの世界に入って間もないころ、隣駅の航空公園てとこで作家の自主企画による野外彫刻展が開かれたっけなあ。たしか戸谷さんや遠藤さんも出していたはず。どうやらこの展覧会、当時のような作家の自主企画の原点に立ち返ろうという意図があるらしい。これまでの経験からいうと、作家主導だとよけいな雑音にまどわされず、今回のように作品本位の展覧会が可能である反面、お金集めが苦手で空中分解しやすく、観客のこともあまり視野に入らない。要するに展覧会の中身を充実させることに力が注がれ、外枠の組み立てがおろそかになりがちなのだ。ひとことでいえば、だれのための展覧会かということだ。ともあれ80年代以降、企業や行政主導の展覧会がはびこってきただけに、作家が主体となった「所沢ビエンナーレ」は、期待と不安が入り混じる。
[9月7日(日) 村田真] |
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ブラジル×ヨコハマ:時の懸け橋
9/5〜26 横浜市民ギャラリー[神奈川] |
ブラジル移民100年を記念し、日ブラ(っていうか?)交流を紹介する展覧会。2部構成で、1部は間部学(マナブマベ)から大竹富江、大岩オスカールまで在ブラ44作家による78点の展示。2部は三梨伸やジャナイナ・チェッペら日本とブラジルの若手作家4人の出品。日系アーティストの紹介に主眼が置かれ、作品はなんでもありで大したことなかったな。
[9月8日(月) 村田真] |
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黄金町バザール
9/11〜11/30 横浜市日ノ出町・黄金町[神奈川] |
横浜トリエンナーレに先立って、関連企画の黄金町バザールがひと足早くオープンした。京急線日ノ出町駅と黄金町駅のあいだのこの地区はかつて、というほど昔ではなくつい数年前まで売春宿のひしめく無法地帯。そんな街をどげんかせんといかんてことでアートの出番となったわけ。高架下に2棟のスタジオをつくり周辺の空家で作品を展示したりワークショップしたりしている。はたしてアートの効果は?
[9月11日(木) 村田真] |
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