村田真/酒井千穂 |
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9/5~9/6 |
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芦田尚美磁器展「お天道様とダンス」
9/4~9/21 太陽事務human+art[京都] |
芦田尚美の新作の磁器。テーブルに円形に展示された黄道十二宮の十二星座をモチーフにした蓋つきの器がメインで、他に自然現象をモチーフに描いた小さな器のシリーズ、ドローイングの展示なども。これまで磁器の作品しか見たことがなかったが、絵も上手くてちょっと新鮮な気分だった。芦田の作品は毎回、言葉のない絵本を広げて自分で物語を考えていくような楽しさがある。
[9月20日(土) 酒井千穂] |
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開港5都市モボ・モガを探せ!横浜展
9/13~11/30 みなとみらい線馬車道駅[神奈川] |
引き続き学習院女子大のお嬢さまがたをお連れして、ラジカル横浜ツアー。駅のコンコースでやってる「モボ・モガ」は、横浜のほか函館、新潟、神戸、長崎という開港5都市の戦前の写真を集めて複写・拡大し、公開するもの。「ああ、これは大岡川、このお店は……なんだっけ?」と女子大生に聞いてくる地元のおじいちゃんもいて、「知るわけねえだろ!」とどなり倒すのも大人げないので、テキトーに話を合わせるうちにコミュニケーションも花開く、というのがねらいなのかもしれない。
[9月20日(土) 村田真] |
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シゴカイ住民会議Vol.2
9/20,21,23 本町ビル4・5階[神奈川] |
2年前から建築家とデザイナーのチームが入居しているBankART1929向かいの本町ビル4・5階のオープンスタジオ。お嬢ちゃまたちは各部屋をコワゴワのぞいてる。別に悪い菌に感染するわけじゃないんだから。
[9月20日(土) 村田真] |
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金理有──陶立体展 R.I.P.
9/15~9/28 neutron[京都] |
全体に模様が彫られた鈍い光沢のある立体は一見、鉄製のようにも見えるが、陶作品。大きな壷か瓶のような形態をしているが、どの作品にも目らしきものがついていて妖怪っぽい強い存在感。壷の穴の奥から大きな目が覗いているものもある。会場にいると、目に囲まれているようでちょっと不気味。けれど、近未来映画にでも出てきそうな形態や質感でありながら、古代中国の青銅器に施された饕餮文様も想起させるそれらに興味を掻き立てられる。金は、焼き物という技法はとても神秘的で魔術的だとそのプロセスや完成したものへの思いを話してくれたが、作品はそのコンセプトや感覚を如実に表わしている。緊張を孕みながら虚ろに見開かれたそれらの目は、夢と現実や、過去と現在、地上で生きる存在と見えない地下の世界などのすれすれの際に潜む力のような魅力的を放っていた。
[9月21日(日) 酒井千穂] |
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樫木知子 個展
9/5~9/27 MEM [大阪] |
サンダーで絵の表面をフラットに仕上げるという技法が独特の雰囲気をたたえる樫木知子の新作。色調も質感もモチーフも背景や画面に溶けているかのように朧げで儚いが、その不安定さに引き摺られる感覚は強く、いつまでも印象に残る。今展ではペインティングと鉛筆のドローイングを発表。《park》という60号の作品に描かれている象に乗った少女(?)のモチーフははじめ、観音菩薩かなにか、仏のように思えたのだが、近づいてよく見ると乗っているのは、公園でよく見かける遊具のゾウだった。でもまた少し画面から離れて見ると、どうしても何度見ても仏に見える。手を合わせたくなるなるような透明感と美しさがステキだ。
[9月26日(金) 酒井千穂] |
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板垣亜矢──無名の山やま
9/22~10/4 Gallery wks. [大阪] |
前回は「台所の友」というタイトルで、鮭の切り身や豆腐を道路や町の風景に見立てた絵画を発表していた板垣。今回は青首大根や魚を山脈に見立てた風景を描いている。板垣の絵やタイトルは発想のための発想のようで「ピタゴラスイッチ」みたいな驚きとウィットが潜んでいて愉快だ。上手さや巧さではなく甘(うま)さに頬がゆるむ感覚。
[9月26日(金) 酒井千穂] |
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藤原加奈子 展
9/22~9/27 Oギャラリーeyes [大阪] |
アクリル絵の具のペインティングと水彩のドローイングを発表。ぬいぐるみの首根っこを掴んでバケツの中に突っ込んでいる少女や、包丁が突き刺されたぬいぐるみ。幼少期の刹那的な行動や夢に見た場面やふとイメージしたものを描いたというそれらのモチーフは暴力的でどれも怖いのだが、嫌悪感はあまりない。己の存在についての問いという根源的なテーマのせいもあるだろうが、特にペインティングは、画材や制作プロセスの性質上、作家が客観的に自らの表現と向き合う時間がうかがえるためか、強烈な印象とは裏腹に静観的に受け入れながら見ることができる。凄まじいのはドローイング。一気に描き上げるとヘトヘトになってしまうと作家自身が語っていたが、その格闘ぶりも一目でわかる。神経と体力を消耗しながら描く藤原の姿が目に浮かぶようだった。
[9月26日(金) 酒井千穂] |
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