白磁と染付
白磁とは、白色の素地に透明釉を掛け高火度で焼成した磁器を指し、古来陶磁器のなかでもとりわけ珍重されてきた焼物である。一方、白磁の素地に呉須を用いて文様を描き、釉薬を掛けた染付磁器の生産は、中国の元時代後半の14世紀初頭に景徳鎮窯において本格的に開始された。この染付の登場は、中国陶磁史に大きな変革をもたらしただけでなく、ベトナム・朝鮮半島・日本など東アジア各地に大きな影響を与えることとなり、またトルコやイランなどのイスラーム陶器や、ヨーロッパの陶磁文化にも影響を及ぼした。本展では、日本民藝館が所蔵する「白磁と染付」のなかから、楚々とした気品とおおらかさを併せ持った朝鮮王朝(李朝)時代の白磁と染付、親しみを醸し出す白肌と多彩な文様によって生活に彩りを添えた江戸時代の伊万里の染付、中国明時代末期に景徳鎮の民窯で焼かれた古染付など、約150点の優品を選び展示する。 |
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