池口史子展─静寂の次─
池口史子は、東京藝術大学美術学部油画科(山口薫教室)で学び、同大学院在学中より個展を開催。以後、立軌展、安井賞展、両洋の眼展など数々のグループ展や招待展に作品を発表し、1993年には倫雅美術奨励賞、2002年には両洋の眼展で河北倫明賞、2005年には第27回損保ジャパン東郷青児美術館体賞を受賞しています。
1980年代後半よりアメリカ、カナダを精力的に取材し、北アメリカの広漠とした大地に広がる光景、或いは寂寥とした異国の町並みを描いた風景画で独自の背かを展開しました。また、妖艶な生命感にあふれる花をモティーフとした静物画のほか、近年では損保ジャパン東郷青児美術館大賞受賞作「ワイン色のセーター」に代表される、もの憂げな中にも凛としたたたずまいを見せる都会的雰囲気の漂う女性像をてがけ、今日の具象画壇で顕著な活躍を示す画家の一人です。
本展では、東京藝術大学在学中の初期作品から最近作までの油彩、挿絵約100点を陳列し、池口氏の画業を紹介いたします。愁いを帯びた色彩に彩られた作品からは、作者の対象を捉える厳しい眼差しと豊かな詩情、そして、作者自身の生命を作品に注ぎこむかのような真摯な姿勢を観ることができると思われます。[広報資料より]
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