村田真/原久子 |
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9/7-9/11 |
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高知の美術150年の100人展
8/22〜9/28 高知県立美術館 |
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高知駅近くのホテルから美術館まで散歩がてら歩いたのだが、15分ほどで着くと思ったら大間違い。結局40分もかかってしまった。しかも午前9時だというのに真夏のような暑さで、美術館に着いたら汗びっしょり。ちゃんと地図で調べとくべきだった。高知県立美術館の開館10周年を記念する「高知の美術」は、土佐の絵師金蔵こと絵金をはじめ、国澤新九郎、村山槐多、土方久功、奥谷博、中林忠良、合田佐和子あたりまで地元作家100人が総出演。ただ、あまり高知らしさというか独自性や強烈さが見られないのは意外だった。このなかで最年少の西悟は1955年生まれで、「5
ROOMS」の最年長と同じ。つまりこのふたつの展覧会、世代的にはつながってるんですね。
[9月7日(日) 村田真] |
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もうひとつの明治美術
9/6〜10/19 府中市美術館[東京] |
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油絵の開拓者である高橋由一も、近代洋画の父と呼ばれる黒田清輝もいない。ここに出ているのは、彼らのあいだにはさまれた浅井忠、小山正太郎、山本芳翠ら明治美術会の面々であり、それを引き継いだ太平洋画会の画家たちだ。だからけっこう地味なのだが、この地味さこそ「もうひとつの明治美術」の滋味ともいえる。見どころは、油絵という西洋画法でいかに日本的主題を表わしたかであり、それはかたちを変えて現代にも通じるテーマだ。なかには風呂屋のペンキ絵みたいにキッチュに映る作品もあるけれど、それが妙にいとおしく感じられ、心に染み入ってくるのだ。明治後期に一大ブームを巻き起こした水彩画、彫刻も含めて240点を超す出品。厚さ23ミリのリッパなカタログも1800円とお買い得。
[9月9日(火) 村田真] |
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BLUE HORIZON
9/10〜21 スパイラルガーデン[東京] |
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揺るぎないしっかりとした構図だが、透明感のある作品が並ぶフィンランドの現代写真を紹介する展覧会が都内4カ所で開かれている。今年はFEEL
FINLANDと銘打って日本国内でフィンランドの文化紹介がさまざまなかたちで行なわれているが、そんな活動の一環でもある。
[9月10日(水) 原久子] |
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社蔵絵画名作展
8/2〜9/28 靖国神社遊就館[東京] |
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9.11に靖国神社へ行った。参拝してから(ウソ)、遊就館の「絵画名作展」を見る。遊就館は早い話ウォーミュージアム、つまり戦争博物館ですね。そこで開かれる「絵画名作展」だから当然、戦争画になりますわね。ところが、入口で大枚800円を払って入館したのに、どこにも名作展なんてやってない。さんざん戦争展示を見せつけられたあげく、出口を出たところにある企画展示室でやっていた。ここだけなら300円で入れたのに。出品は明治初期から現代まで約40点だが、見るに耐えるのは、愚直なまでにリアリズムに徹した高橋由一の《甲冑》と、戦闘図をパノラミックに展開した下岡蓮杖の《台湾征討図》《箱館戦争図》くらい。五姓田芳柳や満谷国四郎でさえデッサンが狂ってるし、それ以降の画家になるともはやイラスト以下。まあ太平洋戦争に関する戦争画の名作はすべて近美が管理してるからね。しかしいくらヘタだからといって、「名作展」と称しているんだから、制作年代やサイズくらい表示しろよ。
[9月11日(木) 村田真] |
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近代日本の絵画名品展
9/10〜30 日本橋高島屋[東京] |
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広島県にあるウッドワン美術館の所蔵品展。ウッドワンは木質建材メーカー(旧住建産業)で、近代日本絵画を中心に陶磁器なども含めて800点ほどコレクションしているらしい。それだけでなく、現代作家へのアートサポートも密かに行なっているというから見上げた企業である。実はこの7月に広島へ行った帰りに寄ろうと思ったのだが、なにぶん山間部にあるため断念せざるをえなかったのだ。出品は日本画・洋画110余点と、昨年オークションで高額で落札して話題になったゴッホの《農婦》。洋画だけ見ても、(またしても)高橋由一の《官軍が火を人吉に放つ図》をはじめ、山本芳翠、黒田清輝、和田英作、藤田嗣治、小出楢重、安井曽太郎、岸田劉生と佳品ぞろい。だが、日本画も含めてまんべんなく広範に集めているため、コレクターの趣味が感じられないのも事実。民間のコレクションなんだから国公立美術館にならう必要もなく、もっと独断と偏見でチョイスしたほうがおもしろいものになると思うのだが。
[9月6日(土) 村田真] |
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