村田真/原久子 |
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10/2-10/5 |
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杉山知子個展 each/all
10/4〜20 CAP
HOUSE[兵庫] |
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展示途中の杉山さんを訪ねる。CAP HOUSE内にアトリエを持つが、ここで制作したものをここで展示することは、いわゆる街のなかのホワイトキューブの画廊に展示することとは少し意味合いが違うということを感じた。鮮やかな色とシンプルなフォルムで描かれた家や草など。写真資料からだけではイラストレーションのようにもとられかねないが、「個」と「社会」との関係性などにからんだ明解なコンセプトのうえに作品は成立している。
[10月2日(木)原久子] |
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中平卓馬展 原点復帰―横浜
10/4〜12/7 横浜美術館[神奈川] |
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私事ですが、昨日、母が逝去しました。今日は金沢文庫の斎場に届け物をしたあと、通夜まで時間が余ったので、気晴らしに横浜美術館へ行く。ここの学芸係長の天野太郎氏も最近ご母堂を亡くされたそうで、話が合うというか、そんなことで話が合ってどうするみたいな。それはともかく中平卓馬。最初の部屋はカーンと抜けたようなカラー写真があって、近作だそうです。いかにも中平卓馬な「アレ、ブレ、ボケ」の初期作品は最後の部屋。会場で会った声のでかい藤田一人も似たようなことをいってたけど、どうなんでしょう、作者が中平卓馬の過去の仕事を知らずに最初のカラー写真だけ見て、なにか感動するところはあるのかしら。やっぱ「中平卓馬だから」ってことなのか。そう考えれば「アレ、ブレ、ボケ」も中平卓馬だからこそなのか。でも少なくともいまのぼくの気分は「アレ、ブレ、ボケ」だ。
[10月3日(金) 村田真] |
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ロレアル 色の科学と芸術賞
10/3 京都国際会議場[京都] |
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旧知の松村泰三(東北芸術工科大学)が作品名「surface」で金賞を受賞し、京都でその授与式があるというので出かけた。作品をつくるときに光や色について、アーティストの多くは経験や感覚でとらえて考えるだろう。分析してゆくとアーティストの感覚は理論との整合性がある。しかし、松村の場合は人間の視覚のメカニズムを科学的な裏付けをもってとらえてから作品を作るという逆の手順を踏む。配布資料には「回転する物体表面からの光反射間隔を3原色のストロボと同期することにより、人間の眼の残像を利用して3原色の加色混合を実現した」作品と書かれている。受賞作品は、静止していると白い平面的なもので、写真は回転している図。
[10月3日(金)原久子] |
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吉川英治と剣聖宮本武蔵
9/30〜10/5 青梅市立美術館[東京] |
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初めて青梅駅に降り立つ。青梅市立美術館はバブル前の1984年に開館したせいか、規模も古さもデザインも意気込みも中途半端な感じ。展示室は3つあって、うち2室は館蔵コレクション展。地元の洋画家の小島善太郎(1892-1984)の作品が10点ほどあり、なかでも《村の子ども》がすばらしい。児島善三郎とか児島虎次郎とか同世代に似たような名前の洋画家がいてまぎらわしいけど。ほかに、小島とともに独立美術協会を立ち上げた福沢一郎、川口軌外らの作品も。最後の1室の特集展示「吉川英治と…」は、もちろんNHKの「武蔵」にちなんだ企画だろうけど、吉川英治が青梅に住んでいたという縁もある。街なかを歩くと、昔ながらの籠屋や煎餅屋の隣にファーストフードや無国籍カフェみたいなのが並んでたりして、ありがちな地方小都市とはちょっと違った妙な雰囲気。
[10月5日(日) 村田真] |
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温度差7℃
9/14〜10/19 BOX「KI・O・KU」/SAKURA FACTORY/GALLERY
MAYU-GURA[東京] |
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その青梅市に点在する歴史的建造物で開かれていたのがこの展覧会。「温度差7℃」とは実際に都心との気温の差であると同時に、文化的な「温度差」の意味も込められているらしい。出品作家は山口啓介、内田あぐりら多摩川流域に住む5人。なるほど彼らの作品には自然と人間とのかかわりをテーマにしたものが多く、まさに温度差7℃くらいなのだが、残念なのは、それらに青梅というエリア、歴史的建造物というサイトとのかかわりがあまり感じられないことであった。
[10月5日(日) 村田真] |
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