村田真/原久子 |
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1/29-2/4 |
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川合玉堂美術館[東京] |
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某誌の取材で玉堂美術館へ。われわれは車で行ったが、鉄道だと青梅線の青梅駅から単線で7つめの御岳駅で下車、徒歩3分の距離だ。巨岩のころがる多摩川上流のほとりにひっそりと建つ和風建築は、吉田五十八の設計。入って左が展示室、その奥に画室が復元され、前は石庭となっている。開館したのは玉堂の没後4年の1961年だから、個人美術館としては先駆け的存在。しかも建物もコレクションも愛好家の寄付によって成り立ったという、幸せな美術館だ。隣のレストラン「いもうとや」で豆腐・湯葉中心の昼食をとり、近くの小澤酒造を見学。ここは東京銘酒「澤乃井」の醸造元で、「いもうとや」もここの経営。土産に「澤乃井純米大辛口」を買う。青梅から先は、奥多摩の山々が多摩川の渓流に迫り、東京とは思えないほど自然豊か。そのうえ、青梅市立美術館や吉川英治記念館、やはり小澤酒造の運営する櫛かんざし美術館など見どころも多く、日帰りのハイキングにはおすすめのコース。なんかガイドブックのノリだなあ。
[1月29日(木) 村田真] |
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今日の作家シリーズ 小林俊哉展
1/26〜2/6 大阪府立現代美術センター[大阪] |
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写真作品と、キャンバスにアクリルで描いたタブロー。いずれも霧に包まれた森の風景を写したものだ。なにをここで観るべきなのか、霧なのかそこにある木々なのか、どちらに焦点を当てるわけでもなく、定まらぬ対象をぼんやりと観ていると、なにを考えることもせずただそこに自分がいた。こんな時間を過ごすのもまたよきかな。
[1月31日(土) 原久子] |
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飯田啓子展
1/26〜2/1 トキ・アートスペース[東京] |
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ギャラリー入口の壁やドアに、カラーコピーした女性誌のドギツイ表紙がベタベタと貼ってある。でもギャラリー内はいたってシンプル。コンビニで弁当を買い、その場でカラーコピーしたシリーズが数点と、なにも書かれてない本の束見本に、池澤夏樹の中公文庫版『スティル・ライフ』を1冊まるごと手で書き写した作品が1点、ぽつんと置いてある。いずれも作者にとっては身近なものの「写生」だ。
[2月1日(日) 村田真] |
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「BankART
1929」特別開放
2/1 旧第一銀行・旧富士銀行[神奈川] |
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昨年暮れ、横浜に残る2件の歴史的建築物を文化芸術に活用するためのコンペがあり、2団体がメインとサブで採用された。なぜか私もサブ団体のメンバーに巻き込まれてしまい、まさか採用されるとは思わなかったのであわてふためいているところ。とりあえず1月には名称(建物はどちらも1929年に銀行として建てられたものなので「BankART(バンカート)1929」と命名)を決め、今後の大まかな予定を組んだ。といってもぼくは非常勤なのでほとんど役に立たず、ほかのスタッフが正月返上で組み立てたのだが。で、今日は、横浜から元町・中華街までを走る地下鉄みなとみらい線の開通にちなんで、1日だけ建物を開放したってわけ。なにしろこのふたつの建物、馬車道駅の真上にあるんだから。このあと3月にはプレオープンイベント、4月から本格始動となる。ジャンルは美術、建築、演劇、ダンス、音楽などいちおうなんでもあり。展覧会や公演をはじめ、学校、カフェ、アーカイヴ、ブックショップなども開いていく。
[2月1日(日) 村田真] |
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シンポジウム 〜韓国のフェミニスト・フォトグラファー・パク・ヨンスクの仕事を起点に〜
2/1 piaNPO[大阪] |
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大阪で個展「マッドウィメン」を開催中(前号参照)のパク・ヨンスクの仕事を話題の起点としたシンポジウムというか、基調報告会が行なわれた。写真研究者の小林美香によるパクの作品解説は明解で、作品の面白さが彼女の話しをきくことで倍増する。そして、今回、大阪滞在中に日本の女性たちをモデルに「マッドウィメン」のシリーズを撮影したことなども含めて報告された。
[2月1日(日) 原久子] |
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公募 京都芸術センター2004
1/30〜2/22 京都芸術センター[京都] |
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滞在制作していた佐々木愛《HOME》と、セラミック作品によるインスタレーションの三木陽子《TUBE LIFE》。今年の公募は「How
would you make the world better?」という問いに対する回答としてのプランが要求されていた。佐々木は砂糖菓子の材料で壁や窓ガラスに家や船を描く。三木の作品は人間の身体の構造が引っくり返すことも可能なチューブ状である、といった概念にヒントをえて作っている。管は裏と表が続いていて、さらに私たちの生活においてはライフラインのようにどこにでもはびこり、つながっている。2人の作品を観ているうちに小旅行を企てたくなった。
[2月2日(月) 原久子] |
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ワンマングループショー2
岡本四太郎、岡本五太郎、岡本六太郎、小沢剛
1/23〜2/28 オオタファインアーツ[東京] |
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画廊に入ると奥から「でっきるかナ? でっきるかナ?」という子供の頃にみたテレビ番組の歌が聴こえてきた。岡本四太郎《コロポックルについて知っていること》の、コロボックルの絵が唐子のようで愛くるしい。奥のブースにはノッポさんの帽子だけが宙に浮いていて、そのまわりにはパフォーマンスの残骸(?)が散らかっている。ノッポさんは、なにも言わないけど私たちにいろんなことを教えてくれたことを思い出す。岡本太郎が亡くなったあとに墜ちてきた隕石との関係などがまことしやかにステートメントとして書かれているが、そこからもう作品ははじまっている。夢を追うことを許してもらえる空間をひたすら笑顔で楽しませてもらいました。
[2月4日(水) 原久子]
今回は岡本四太郎、岡本五太郎、岡本六太郎による3人展。偽造縄文土器とその発掘現場の写真など、3つの作品を並べている。数年前、民間考古学者による旧石器発掘の捏造が発覚したとき、「アートだ」と開き直ればよかったのにと残念に思ったものだが、小沢剛、じゃなかった、岡本兄弟も同じことを考えていたに違いない。ほかに、大小の車の作品と作業中のインスタレーションがあったようだが、「さんぽにいくよ」とだまして連れ込んだにこさんが帰ろうとしたので、ちゃんと見られなかった。
[2月25日(水) 村田真] |
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