村田真/原久子 |
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5/18-5/19 |
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東京ミッドタウンプロジェクト起工披露会
5/18 六本木・防衛庁跡 |
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六本木ヒルズ、国立新美術館に続く大規模な六本木の再開発。三井不動産などの進める事業で、約7,8ヘクタールの土地に54階建てのタワーを中心にオフィスや住居、ホテルなどを誘致する計画だが、アート関連では赤坂のサントリー美術館が移転してくるくらい。なのになんでぼくのところに招待状が送られてきたのか不思議に思っていたら、その後届いた通知によって氷解。この日、蔡國強の火薬を使用したパフォーマンスが予定されていたが、「諸事情により中止」になったというのだ。へーぜんぜん知らなかった。そりゃまあイラクに自衛隊が派遣されてるいま、防衛庁の跡地に火花がバンバン炸裂するのもおもしろすぎるけど。でもシャレのわからん連中だ。ものものしい警戒のなか、昼飯がわりに寿司やローストビーフを食って帰ってきた。
[5月18日(火) 村田真] |
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白寿記念 片岡球子展
5/11〜23 日本橋三越7階ギャラリー |
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白寿といえば一を加えれば百、つまり99歳。日本画家には長寿が多いけど、球子みたいに暴走し続けて1世紀というのは珍しい。なにしろ「片岡の歩いたところを行くと落選するから反対側を歩け」といわれたり、小林古径に「今のあなたの絵は、ゲテモノに違いありません」と太鼓判を押されたくらいだから、もう形がどーの色がこーのというレベルではない。とりわけここ10年ほどの作品は破綻しきって感動的ですらある。富士山に向かって「一生懸命描きますから、どうか私の願いを聞き届けてください」とお辞儀して制作する姿はアニミズムの世界だ。
[5月18日(火) 村田真] |
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山下新太郎展
4/9〜6/6 ブリヂストン美術館 |
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名前を聞いたことはあっても作品を見るのは初めて。山下は表具師の家に生まれ、東京美術学校を出て渡欧。湯浅一郎を頼ってマドリッドに行きべラスケスを模写したこと、油彩画の技法を研究し、額縁を収集したこと、長男が油絵の修復家になりブリヂストン美術館の作品修復を手がけたことなど、エピソードは興味つきない。だが、肝腎の絵がつまらない。それは留学の最後にルノワールに会い、生涯その影響から脱しようとしなかったからだ。日本の洋画家の「ルノワール病」は根が深い。
[5月18日(火) 村田真] |
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四批評の交差
4/18〜5/30 多摩美術大学美術館 |
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多摩美で教える4人の批評家が、それぞれ1、2人のアーティストを選んで展示。峯村敏明は黒川弘毅と児玉靖枝、建畠晢は島袋道浩、本江邦夫は大谷有花、椹木野衣はユニット00(堀浩哉、堀えりぜ、畠中実)と小林耕平。絵画ふたりに、彫刻、インスタレーション、パフォーマンス(ヴィデオ)、映像がひとりずつとうまいぐあいに割れた。峯村部屋のふたりは学生時代を含めて初期から新作まで展示し、作家の形成過程を見るうえで興味をそそられた。それに比べれば、ピンクと黄緑に彩られた本江部屋はケバイばかりで見劣りがするし、椹木部屋の映像はモノトーンにおおわれ暗鬱な気分になる。いちばん楽しかったのは建畠部屋のタコ。楽しけりゃいいってもんじゃないけど、見る者をポジティヴな地点に着地させてくれる島袋マジックはさすがだ。それにしても、ユニット00以外の展示は4部屋に分かれ、あまり「四批評」が「交差」する余地はないように思えたが。
[5月19日(水) 村田真] |
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アフリカのストリートアート展
4/24〜7/11 川崎市岡本太郎美術館 |
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これはおもしろい。まさに岡本太郎美術館ならではの展覧会。と思ったら、同館のオリジナル企画ではないらしい。エビやイカや自動車をかたどった装飾棺桶、カフェや床屋のスタンド、その看板、チキンや扇風機をあしらったプリント布、写真屋の背景幕、色とりどりのバケツやヤカンなど、およそ「アート」らしからぬ日用品が並ぶ。日本ならこれを「民芸」と呼ぶところだろうが、そう呼ぶのもはばかられるほどこれらの品々はキッチュで奔放だ。装飾棺桶は「大地の魔術師」以来何度か目にしてきたが、なかに入れるのは今回が初めて(入らなかったけど)。床屋のテーブルに置かれていたラジオの商標が「AIWA」ならぬ「NAIWA(ないわ)」というのも秀逸。マジかよ。
[5月19日(水) 村田真] |
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井上信太展
羊飼いプロジェクト2004
羊画報 -pictorial sheep-
5/18〜30 ギャラリー16[京都] |
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これまで井上信太の描く動物には顔がなかった。だが、羊たちに目鼻をもった顔がついた。どこから入ってどこへ行くのか、今回も羊たちは群れをなして行く先を探しているようだった。
[5月19日(水) 原久子] |
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中村梨沙展
5/18〜6/6 ヴォイスギャラリー[京都] |
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漆工を大学で専攻した中村は、その技法を用いて作品をつくるが、いわゆる工芸品をつくるわけではない。漆という皮膜で覆われたオブジェたちは、エロチックこのうえない。
[5月19日(水) 原久子] |
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「記憶のシェア」辻和美展
5/19〜6/13 立体ギャラリー射手座[京都] |
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涙のしずくのカタチをしたガラスのオブジェが365個吊り下がっている。壊れやすいオブジェを避けながらゆっくり部屋を一周する。隣室では「最近泣いたのはいつですか?泣いた理由は?」という質問に老若男女が答えている映像がプロジェクションされている。雨がしとしと降るなかを画廊へ足を運んだので、涙っていうより、雨にも見えた。どうも歩き疲れて画廊を訪れたせいか、作品にあまり反応できなかった。疲れてくると鈍感になってくるのかな。展示替えが途中であるという、そちらは人間用のガラスケース。こっちの作品のほうに期待したい。 [5月19日(水) 原久子] |
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ほつれない糸 宮永愛子
5/18〜30 ニュートロン[京都] |
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衣類の防虫用に家庭でも使うナフタリン。臭いの強いこの素材を使って宮永愛子はこのところ精力的に発表を続けている。ブラジャーのカタチは確認できるが、その傍らの長い反物のような部分が何なのか、よくわからなくて、本人に確かめた。ブラジャー用の布をナフタリンでかたどったものなのだという。この布の柄はほかの布のパターンとは違う。なぜなら、ブラジャーの柄はデザインとして左右がシンメトリーになっていなくてはならないから。そうなんだ……。
そのパターンの理屈はわかったけど、布がなくてもオブジェはブラジャーだけでもよかったような気がした。そしてこのオブジェも数カ月後には昇華して眼に見えないものとなる。 [5月19日(水) 原久子] |
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時の器V「未来のおさな子のために」
5/11〜30 アートスペース虹[京都] |
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涙児玉靖枝、宮永愛子、伊達伸明、やなぎみわ、ヤノベケンジといったこれまでアートスペース虹で発表をしてきたアーティストの作品が並ぶ。ひとり変わり種なのは、研究者の鈴木滋だ。現代社会につきつけられた幾多の問題をアーティストたちが、作品を通して表現している。 [5月19日(水) 原久子] |
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「Hero」オメガトラブル omega trouble
5/14〜30 ギャラリーcoco |
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岡本光博とCANDY FACTORYの活動などで知られる高木哲の2人のユニットの京都初個展。白塗りに全身タイツ姿の2人がナンセンスなことを真面目ぶって取組むところが素敵だ。美術年鑑には1号###円なんていう価格がまことしやかに出ている。これをカバーして、名画といわれる作品が、100万円だとどのくらいの大きさになるかなんていう皮肉なことを、ちゃんと計算して縮小コピーをかけてやっている。 [5月19日(水) 原久子] |
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