村田真/原久子 |
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3/23 |
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カレイドスコープ談話室「交通するアート」
3/23 workroom[大阪] |
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「交通するアート」をテーマにトークショーが開催された。第1部ではworkroomスタッフの杉谷沙香からのプレゼンテーションがあった。「デリバリー・プラン」と名付けた彼女が行なっている仕事に関する内容で、簡単に言えば展覧会やイヴェントなどのチラシを配布するというもの。実際にイヴェントを運営する人たちはかなり真剣に耳を傾けた。チラシを置く枚数、時期、場所などを、経験と調査をもとに分析している。これをworkroomでは事業として展開しようとしている。笹目浩之率いるポスターハリス・カンパニーのチラシ版といってもいい。
第2部では都市のなかでのさまざまな交通、交流が再生や活性につながるといった内容が弘本由香里、中谷ノボル両氏によって話された。話題は中谷の不動産に関連した事業や、水の都大阪の水路をもっと利用して町を別な視点から見ようとする試みなど。大阪のイメージはどうしても「吉本」「阪神」「たこやき」といったところに陥りがちだが、全国の皆さん!まったく違うんです〜。
[3月23日(水) 原久子] |
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表現の水際2005
3/26〜4/10 旧大蔵省関東財務局横浜事務所[神奈川] |
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横浜の心臓部、日本大通りに建つスクラッチタイルの歴史的建造物が旧関東財務局。ここにハマトリの事務局が入ったと思ったら、今度は東京芸大先端芸術表現科の選抜展をやるという。お、ここもBankARTみたいにアートスペースとして再活用されるのか、との期待は残念ながら空振りに終わるはずだが、まあ一時的にでもアートでにぎやかしてほしいものだ。ともあれこの「表現の水際」展、先端の学部生、院生、卒業生から16人を選んだもの。さすが選抜展だけあってヴァリエーションに富んでいるけれど、印象としてはみんな優等生的でヨゴレがなく、ハズレもない。いや別にいいんだけど、欲をいえば、ひとりくらい狂ったやつがいてもいいのに、とないものねだりしたくなるのだ。個人的には、壁のひびを描いたり、展示室を写真に撮って展示した省エネタイプの作品が好みです。
[3月26日(土) 村田真] |
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労働と音楽
3/27 築港赤レンガ倉庫[大阪] |
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上: |
労働に勤しむ人たち |
下: |
ライブ中の宇治野宗輝 |
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会場に入るや否や電動のこぎりで材木を切る音がキィ〜ンと鳴り響いていて、入るのを一瞬躊躇するほど。6人ほどの男性が手際よく、コンクリートの床に烏口を使ってなにやら印をつけている。そのうちライブがはじまり、木材を載せていたトラックが荷をおろして、会場を横切って屋外に出て行った。烏口でつけられた印にしたがって、男たちは材木を設置し、腰袋から釘を出してはカンカンと金槌で打つ。そんな光景と同時進行で、宇治野宗輝のライブパフォーマンスも行なわれ、ジューサーのなかの液体の動きが、サウンドと同期している。ジューサーで出来上がったバナナミルクは観客にふるまわれ、サービスも忘れない。一楽儀光は男たちをリアルタイムで撮ったビデオをVJに使い、大画面にはその動きが時にはコミカルに反復させて投影されていた。そのうち、男たちは会場となった倉庫のなかに塔を建ててしまった。トリはMamieMUとホーメイの名手、山川冬樹。テルミンを操るMamieMUの姿は狂気すら感じたが、神々しくもあった。会場では寒さも忘れるような空気が終始流れていた。
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左: |
テルミンを演奏するMamieMu(右)と山川冬樹(左=ホーメイ) |
右: |
会場中央に完成したヤグラ |
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[3月27日(日) 原久子] |
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VOCA展2005
3/15〜30 上野の森美術館[東京] |
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2000年後に発掘された絵画の化石という柴川敏之のアイディアはちょっとそそられるが、作品はまるでトリックアートだし、ボールペンで引いた線に沿って模造紙を切り抜いた鷹取雅一の大胆さにも惹かれるけれど、作品としてはショボくて情けなくなる。それより、刺繍の糸をほどいて別のものにする手塚愛子や、染色の技法で木綿布に染料をにじませた羽毛田優子のほうが、ずっと絵画の原点に迫ってる。どちらも佳作賞受賞。ちなみにVOCA賞は、パンツ1枚で子供のしぐさをする男を描いた日野之彦だが、生理的に違うなあという気がする。
[3月27日(日) 村田真] |
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秘すれば花──東アジアの現代美術
3/29〜6/19 森美術館[東京] |
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日本・中国・韓国・台湾という漢字文化圏のアーティストを集めている。大ざっぱな印象をいえば、展示の前半は漢字や記号が使われた「風景」、後半は食と住による「生活」だ。正解は、カタログによると、それぞれ「山水」と「風水」だそうだ。当たらずも遠からず。展示に際して作品配置も風水で決めたという。そんなのあり?
[3月28日(月) 村田真]
日本を含む東アジアの注目のアーティストたちの作品が集められた展覧会。作品の配置は「風水」によって決められたと聞く。「庭」や「家」をつくってゆくような感覚で配置されているのだろうか、その効果がどう表われていたのかが、オープニングであまりにも人が多くてわからなかった。韓国のハム・ジンの作品は靴を脱いで、虫眼鏡を持たされて見るといったものだったが、列ができていたので、今回は諦める。混まない時間帯をねらってゆっくりと見たい展覧会。
[3月28日(月) 原久子] |
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ストーリーテラーズ──アートが紡ぐ物語
3/29〜6/19 森美術館[東京] |
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映像と写真が大半を占めるなかで、鴻池朋子とイケムラレイコが異彩を放つ。なんだか今年のMOTアニュアルみたい。
[3月28日(月) 村田真]
「アートが紡ぐ物語」というサブタイトル通り、物語をつむいでゆくような作品がずらりと並ぶ。同じフロアで東アジアの現代美術を特集しているためか、こちらの作家は14名中、日本作家がイケムラレイコ、鴻池朋子、小谷元彦の3名が出ている以外は欧米中心のセレクション。鴻池朋子は、東京藝大で日本画を専攻したが、絵画だけでなく、立体作品や絵画をもとにしたアニメーションも制作。彼女のブースにはすっかりひとつの世界が完成していた。大御所W・ケントリッジもアニメーション作品を出品。映像作品が目立つなかで、キャレン・ヤシンスキーのクレイアニメーションの描き出す「物語」がほかとはかなり異質で興味深い。かなり際どいラインで、笑っていいのかよろしくないのかがビミョーで、好きだった。
[3月28日(月) 原久子] |
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