村田真/原久子 |
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4/4-4/8 |
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JUST A SECOND; The Khong Legend, 2003 Osaka show
4/3〜13 HATENA[大阪] |
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チェンマイ(タイ)を拠点に活動するアーティストJayの映像作品の上映と、日本在住でチェンマイで大学時代を過ごしたゲストのナウィン・ラワンチャイクンのトークがあった。Jayの作品はメコン川を中国の源流近くから、いくつもの国を経て下ってゆく途中で撮ったロードムービー的な作品。フィクションともノンフィクションともつかない若者の日常が綴られている。それは、中国系タイ人であるJay自身のルーツや自分探しのような私小説的な作品でもある。従来のメソッドにこだわらずに、人間関係や撮ったそれぞれの地域の環境も描いている。各国に協力者がいて、撮った映像の全体を見て編集するのではなかったという。その先々で編集がなされ、また続きが撮られつながっていくというふうに作っていった。2人のトークはJayの作品に触れつつ、小気味よく進んでいった。
[4月3日(日) 原久子] |
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ローザス『ビッチェズ・ブリュー/タコマ・ナロウズ』
4/6 びわこホール[滋賀] |
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ローザスの関西公演は1日のみ。いつもコンテンポラリーダンスの場合は当日でもとれるのだが、この日は満席。最近のパフォーミングアーツの公演に、開演の合図がないまま、あるいは、舞台のカーテンなども初めからないままスタートする作品がよくあるが、この日の作品もそう。そして舞台美術も取り立ててつくりこまれているわけではない。DJブースが舞台の裾にあって、周囲に壁が立てられているが、下の部分80センチくらいまでは何もない。足だけが見えていて、隙間からダンサーが登場して踊りはじめる。作品の流れはわりと単調で、作品名にもあるタコマの吊り橋が崩壊する場面の映像とともにダンサーが踊る部分など、いくつか見せ場はあるが、全体としてはメリハリはない。しかし、楽しく観られたことは確かで、終わってから自分でも身体を動かして踊りたくなってきた。いっしょに行った2人も同じ感想をもっていた。
[4月6日(水) 原久子] |
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「モディリアーニ」試写
4/7 有楽座[東京] |
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モディリアーニといえば、パリのモンパルナスで酒と麻薬におぼれながら恋と芸術に命を賭け、若くして死んだエコール・ド・パリの画家。そのドラマチックでセンチメンタルな人生はかっこうの映画ネタ。しかしそれにしても、これほど芸術家のボヘミアン生活をステレオタイプ化して描いた映画もないだろう。ピカソやユトリロやリベラやスーチンらと美術コンテストで競い合い、勝った翌日に死んじゃうなんて都合よすぎるだろ!
[4月7日(木) 村田真] |
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山東英起展
4/4〜22 ギャラリーイセヨシ[大阪] |
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20年ほど前に東京のアートシーンをにぎわし、いつのまにか消えてしまったアーティストなどいくらでもいるので気にも止めてなかったが、山東はスイス人と結婚してあっちに住み、あいかわらず絵を描いてるんだとか。その作品はずいぶん凝っていて、東京やスイスの風景をキャンヴァスに出力して上から天使のイメージをドローイングし、さらにその上に透明のシートをのせて同じイメージを描くというもの。その線描は日本人離れして(もちろんホメ言葉)なかなか魅力的なのだから、ドローイングだけでもOKなのに。
[4月7日(木) 村田真] |
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Wang Tong
3/28〜4/16 東京画廊[東京] |
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“Mao on the wall”、つまり壁に描かれたプロパガンダとしての毛沢東の肖像画を撮ったモノクロ写真。これらの壁画やポスター、いま思えば東京の街にあふれる広告やニューヨークを彩るグラフィティとなんら変わるところがない。ということをウォーホルは最初から気づいていたんだね。
[4月7日(木) 村田真] |
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Room to Room 05 JUN IIDA
4/5〜16 ギャラリーミンミン[東京] |
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4つ折りにした折り目のある紙に、鉛筆で身近な日用品をドローイング。一見なにげなく描いてるように見えて、かなり画面構成を考えている。
[4月7日(木) 村田真] |
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ルーヴル美術館展
4/9〜7/18 横浜美術館[神奈川] |
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今年は「日本におけるフランス年」でもなければ、ルーヴル美術館が改装中という話も聞かない。まああれだけでかければどこかで改装くらいしてるだろうけど。とにかく唐突な感の否めない「ルーヴル美術館展」だが、人さえ入れば、名目なんかどうでもいいわけで。それはフランス側も同じで、35万点ももってるんだから、その大半はどうせ倉庫に眠ってるんだから、73点くらい貸しても(実に5000分の1)屁でもないわな。それで賃貸料を稼げるし。もちろん三流品ばかり来ているわけではない。アングル《泉》《トルコ風呂》、ダヴィッド《マラーの死》、ジェラール《プシュケとアモル》、ジェリコー《賭博偏執狂》など超一流とはいわないまでも、比較的小ぶりの1.5流くらいの有名作品も来ている。
[4月8日(金) 村田真] |
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谷口吉生のミュージアム
4/8〜6/26 東京オペラシティアートギャラリー[東京] |
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ルーヴル美術館展の次は美術館建築展。昨年リニューアルオープンしたMoMAの設計を手がけた谷口吉生の巡回展で、前半は《MoMA》、後半は《丸亀市猪熊弦一郎現代美術館》や《豊田市美術館》など国内12のミュージアムを、それぞれ模型、図面、写真、映像で紹介している。谷口吉生というとモダンばりばりの建築家で、上記のような近現代美術館のイメージが強いが、《長野県信濃美術館の東山魁夷館》や《香川県立東山魁夷せとうち美術館》をはじめ、《土門拳記念館》、《東京国立博物館の法隆寺宝物館》、《京都国立博物館の百年記念館》など日本的・伝統的な美術館建築も定評がある。モダニズムと日本の伝統美の接点を探るのがうまいというか。展示もその建築同様まったく奇をてらうところがなく、シンプルにして明解きわまりない。それにしても、美術館のなかで「美術館」の建築展をやるというのもなんだか変。とくにこのあとの丸亀や豊田は自分の設計した美術館だから、完全に入れ子構造になるわけだ。
[4月8日(金) 村田真]
完成したばかりのニューヨークMoMAの設計者である建築家・谷口吉生の個展。MoMAの設計に関しては、コンペに提出された貴重な資料類も並んでいたが、眺めるだけ。手に取って見てみたいという気持ちを誘うものだっただけに、残念だった。ほかに、これまでの谷口の主要な作品を回顧するようにパネルと模型、そして映像で解説が行なわれていた。
[4月23日(土) 原久子] |
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屏風というかたちで
4/8〜6/26 東京オペラシティアートギャラリー[東京] |
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オペラシティの寺田小太郎コレクションから、屏風形式の現代日本画を中心に特集展示。なかには山口啓介みたいな巨大なエッチングもあるけれど、画面は連続してるのに紙が分かれているので、寺田さんが屏風仕立てにしたそうだ。でも屏風であることを強調するなら、平坦に開いて展示するより少し折り曲げて床置きにしてほしかった。
[4月8日(金) 村田真] |
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プロジェクトN 中岡真珠美
4/8〜6/26 東京オペラシティアートギャラリー[東京] |
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エナメルみたいな白い絵具をぽってりと盛り上げ、ところどころ赤や青でボカシを入れた作品。風景写真から変換したイメージで、油彩にアクリル絵具とカシュー(人工漆)を併用しているそうだ。仕上げは工芸的で見た目はきれいだけど、なんかそれ以上突き抜けてこないというか。
[4月8日(金) 村田真]
風景を描いている若手は多い、そんななかでも余白の使い方が上手な作家だ。
[4月23日(土) 原久子] |
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