artscape　展覧会レビュー 07年10月

村田真／酒井千穂

8/26～8/28

「サウンド×イメージ──音を見て、映像を聞こう」展
7/14～9/2　NTTインターコミュニケーション・センター［東京］

夏休みに合わせたICCキッズ・プログラム。うちも子ザル2匹を連れて見に行く。作品はどれもコンピュータを使って音と映像をインタラクティヴに関係づけたもので、大人が見ればなるほどよくできていると感心してしまうけれど、子供にとってはどうなんだろう。ガキは結果しか見ないから、なるほどなどと感心してるヒマもなくすぐ飽きてしまうようだ。陳腐な感想だけど、やっぱり野蛮なガキは外に出て蚊に刺されながらセミでも捕ってたほうが似合ってる。
［8月26日（日）　村田真］

キリシタン──信仰とその証
8/21～9/30　東京国立博物館［東京］

最近なぜか急に「踏絵」に興味をもち始めまして。踏絵って、鑑賞するためでも信仰の対象でもなく、踏むためにつくられたものでしょ？　つまり目ではなく、足の裏で感じる絵（実際はレリーフ）なわけ。そんな絵って古今東西どこにもないんじゃないかしら。でも、もっとすごいのは、踏絵は実は踏むためではなく、それを踏まない人（キリシタン）を見つけ出すためにつくられた絵だということ。そして、踏まなかった人というのは、その絵の内容に限りない愛着を抱いていた人であるにもかかわらず、というか、それゆえに拷問にかけられたり処刑されたりしたということ。その意味で、これほど残酷で矛盾を抱えた絵画もない。その踏絵がいま博物館に展示され、無信仰の現代人の鑑賞の対象になっている。ほかにも、親指が艶かしい《聖母像（親指のマリア）》なども出ているが、いずれも美術品というより歴史的資料というあつかいだ。
［8月28日（火）　村田真］

曽我部邸［神奈川］

東急東横線の妙蓮寺から徒歩7～8分の地に完成した、みかんぐみの曽我部さんちを見に行く。敷地はかなり鋭角な三角形というか、公道からのアプローチを含めると矢印型。しかも長辺が北向きの傾斜地という安いから選んだとしか思えない土地だが、曽我部さんによればまさに探し求めていた理想的な地だという。その中央を吹き抜けっぽくし、階下から螺旋状に寝室、玄関、バス・トイレ、ダイニング、キッチン、リビング、屋上テラスを配したアクロバティックな設計。緑地になっている北側にテラスや大きなガラス窓が開けているので気分がいい。昨日までオープンハウスのため、室内外に浅井裕介の壁画をはじめ、狩野哲郎、北川貴好、鈴木悠子ら若いアーティストたちの作品が設置してあった。
［8月28日（火）　村田真］

Index

8/26～8/28

「サウンド×イメージ──音を見て、映像を聞こう」展

9/1～9/7

安齊重男の“私・写・録”1970-2006

9/10～9/14

chain reaction exhibition from white canvas

9/15

北川フラムさんの芸術選奨文部科学大臣賞受賞を祝う会

9/16～9/17

たむらあおい「宮殿の夢──パラレル・バランス・ダンス」

福島菜菜──個展「白い男」　夏目漱石「第十夜」第八夜より

9/18～9/19

渡辺晃一展「大野慶人On An Earth 2007──肌の間」

増田佳江──warp and woof

伊藤雅恵展──モンスター・イン・ミー

アキ・ルミ作品展──Traceryscape

9/21～9/23

木村友紀──FORGETTING RANGE

9/24～9/29

フェルメール「牛乳を注ぐ女」とオランダ風俗画展

ライアン・ガンダー

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