artscape　展覧会レビュー 07年10月

村田真／酒井千穂

9/15

工藤麻紀子展
9/1～22　小山登美夫ギャラリー［東京］

風景のなかにたたずむ女の子を中心に草花や小動物を描いた絵が10点ほど。作者はまだ20代の女性。こういうのを見ると、おじさんは性差より世代のギャップを痛切に感じるなあ。
［9月15日（土）　村田真］

桑原正彦展──夏の終わりに
9/1～22　小山登美夫ギャラリー［東京］

淡いピンクやモスグリーンなどのくすんだ色彩で不定形な生物みたいなものをヨヨヨッと描いている。作者は40代後半の男。工藤より近づいたけど、まだ距離を感じるなあ。
［9月15日（土）　村田真］

小林正人──ライトペインティング
9/1～29　シュウゴアーツ［東京］

銀色に塗られた絵が5点ほど。絵といっても、菱形にひしゃげた木枠にシワだらけのよれよれのキャンバス布を張ったもので、オブジェというべきか。今回の「ライトペインティング」は、「光を題材として捉えるのではなく、光そのものを抽象的に絵画という物質として出現させた」ものだというが、フォーマリズム的アプローチよりむしろ神秘主義に接近しているようにも見える。
［9月15日（土）　村田真］

横尾美美
9/10～10/6　南天子画廊［東京］

お菓子や果物や料理を克明に描いた絵。天地が回転対称になるように構成され、画面に小さなフィギュアや貝殻を貼りつけ、白い額に収めているところが少しデザインぽいが、ペインティングそのものは色彩も鮮やかで、点描も効果的に使われている。
［9月15日（土）　村田真］

北川フラムさんの芸術選奨文部科学大臣賞受賞を祝う会
9/15　ザ・ペニンシュラ東京［東京］

北川さんが越後妻有の芸術祭の業績で芸術選奨なんとか賞を受賞したのが半年前。さんざん国家に楯突いてた男がなんで国家から賞をもらうんだ（しかもその後、国際交流基金からも受賞したという）との声もあったそうだが、そこは本人も語るように、この賞を芸術祭に対する賞と考えれば北川さんはその代表として受け取っただけ、との理由のほかに、なにより賞金が次の芸術祭にまわせるし、その資金集めのツールとしても受賞は「使える」と踏んだわけだ。それはともかく、なんで半年もたってから、新築まもない都心のホテルで開かなくちゃいけないのかというと、ここのアートワークを北川さんが会長を務めるアートフロントが手がけたからだ。だから完成するまで半年間待って、いまになったってわけ。でもこのアートワーク、司会のアナウンサーが「サイト・スペシフィックですか？」とボケたツッコミを入れて北川さんがウヤムヤに否定していたように、できあいの絵や陶器を置いただけという印象が強い。
［9月15日（土）　村田真］

Index

8/26～8/28

「サウンド×イメージ──音を見て、映像を聞こう」展

9/1～9/7

安齊重男の“私・写・録”1970-2006

9/10～9/14

chain reaction exhibition from white canvas

9/15

北川フラムさんの芸術選奨文部科学大臣賞受賞を祝う会

9/16～9/17

たむらあおい「宮殿の夢──パラレル・バランス・ダンス」

福島菜菜──個展「白い男」　夏目漱石「第十夜」第八夜より

9/18～9/19

渡辺晃一展「大野慶人On An Earth 2007──肌の間」

増田佳江──warp and woof

伊藤雅恵展──モンスター・イン・ミー

アキ・ルミ作品展──Traceryscape

9/21～9/23

木村友紀──FORGETTING RANGE

9/24～9/29

フェルメール「牛乳を注ぐ女」とオランダ風俗画展

ライアン・ガンダー

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