村田真/酒井千穂 |
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9/24〜9/29 |
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大竹伸朗展──路上のニュー宇宙
9/15〜11/25 広島市現代美術館[広島] |
福岡からの帰りに広島に立ち寄る。まず大竹伸朗展。あるわあるわ、展示室にびっしり飾られた作品およそ630点。昨年の東京都現代美術館での「全景」展に比べれば3分の1程度にすぎないが、東京より会場が狭く天井も低いせいか凝縮感がある。しかも東京では見かけなかった作品もけっこう出ているではないか。底なし沼みたいなアーティストだ。
[9月24日(月) 村田真] |
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しりあがり寿──オヤジの世界
7/28〜10/14 広島市現代美術館[広島] |
スタジオでの展示。しりあがり得意の下品な顔のオヤジが、すもうとったりダンスしたり泳いだりするアニメーションなのだが、首から下がどういう技術を使ったのか知らないけど、妙にリアルな動きを見せる。そのアンバランスさが笑える。
[9月24日(月) 村田真] |
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マネートーク
9/2〜1/29 広島市現代美術館[広島] |
これはいわゆる企画展ではなく、ゲスト・キュレーターにコレクションをいじってもらう収蔵作品展。いまどきコレクションを常設展示してるだけじゃ人が入らないからね。それだけコレクションに魅力がないってことだけど、知恵を絞れば人は入るはず。現にぼくはこれを見るためにわざわざ広島に寄ったのだから。どういう展覧会かというと、コレクションから約90点を選んでその購入価格を明示し、「100万円未満」から「5,000万円以上」まで9段階(「寄贈作品」と「制作委託」含む)に分けて並べるというもの。たとえば、池田満寿夫の初期油絵がたった26万円とか、菅木志雄の木と石とコンクリートを並べただけのインスタレーションが280万円とか、河原温の日付絵画(最大サイズ)が2,523万5,000円もするとか。最高額はフランク・ステラの巨大なシェイプト・キャンバス作品7,663万2,000円。痛快なのは、美術館というのはよかれあしかれ作品を国別とか時代順とかテーマごとに分類・展示するところなのに、ここではそんな作品の属性を無視し、ただ価格帯で色分けして、低い順から並べてしまったこと。おそらく公立美術館では前代未聞の珍事ではないか。ゲスト・キュレーターは、上野の森美術館と水戸芸術館の学芸員を務めた窪田研二氏。やっぱ外部の人間だから発想できたと思うけど、その提案を受け入れて価格を公表した美術館もエライ!
[9月24日(月) 村田真] |
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松本尚──ダブルイメージ
9/25〜30 アートスペース虹[京都] |
ギャラリーに入るとすぐに、草花や動物のモチーフが模様のようにちりばめられた美しい絵画が視界に飛び込む。背景の上部は白、下部をオレンジ色に塗り分けられた画面の中心に、眠る人物が描かれている。会場には、ミニチュアのベッドに小さな布団を塔のように高く積み上げたオブジェや、そのドローイング作品も展示されていた。松本は、最近「眠り」について興味を持っているのだそう。ジャングル、密集する百合の花、マイナスイオンや花の香りに満ちるような光景を描いた大きな絵画が3点。不思議な世界に吸い寄せられるような気持ちになり、楽しくて長居した。月が輝く晩だったせいもあるのか(?)高揚感は冷めず、その晩なかなか眠れなかった。
[9月25日(水) 酒井千穂] |
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フェルメール「牛乳を注ぐ女」とオランダ風俗画展
9/26〜12/17 国立新美術館[東京] |
本邦初公開のフェルメール作品《牛乳を注ぐ女》を中心に、19世紀までのオランダの風俗画、版画、工芸品などを紹介している。調べたところ、日本に持ち込まれたフェルメール作品はこれで11作目(のべ16回)。ということは、全作品のおよそ3分の1は来たことになる。欧米以外でこの数は異常だ。というより、日本以外にフェルメール作品を展示公開した非欧米圏の国はほかにあるかしら? ま、ありがたいことではあるが。さて、本展を見てあらためてフェルメールはすごい、と思った人も多いに違いない。ほかの画家とのレヴェルの差は歴然だからだ。これはもうレヴェルが違うどころか、ほかの作品とは次元の異なる別世界にあるというべきかもしれない。それもそのはず、ほかの作品のレヴェルが低すぎるのだ。同時代のオランダだって、ヘラルト・ダウとかニコラース・マースのようなすぐれた風俗画家がいたけれど、今回は来てないし、テル・ボルフやメツーはあるけれど代表的な作品ではないし、あとは2流3流の画家だからだ。ま、それも《牛乳を注ぐ女》の引き立て役として選ばれたのであればいたしかたないが。
[9月28日(金) 村田真] |
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ライアン・ガンダー
9/28〜11/2 タロウナス[東京] |
暗いギャラリーの中央にスクリーンを据え、映像を映し出している。と、レム・コールハースとハンス・ウルリヒ・オブリストらしき人物が登場し、なにやら話をしているのだが、結局どういう話かわからないまま退出。こういう半端な見方をしてはいけませんね。いわんやレヴューにおいてをや。
[9月29日(土) 村田真] |
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