村田真/酒井千穂 |
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11/7~11/10 |
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3x Theodor Pištěk
10/23~1/20 ミュージアム・カンパ(Museum Kampa)[プラハ] |
5日早朝ウイーンを出発し、電車で4時間半でプラハに到着。7日、プラハ城と旧市街をつなぐカレル橋の近くにあるカンパ島内のミュージアム・カンパへ。主に60~70年代の中央、東ヨーロッパ美術のコレクションには、本のデザインなども含まれている。3期に分けて開催されている企画展の第2期Theodor Pištěk展も開催中で、衣装デザイナーとしても国際的に活躍したという作家の、模様図案や絵画作品が展示されていた。モルダウ川沿い、川と美術館の間に設置された巨大な椅子のオブジェが目印だったがガイドブックにも載っていなかった美術館。なによりガラス張りの窓から見える対岸のプラハ城と紅葉、モルダウ川の景観が素晴らしかった。
[11月7日(水) 酒井千穂] |
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コミュニズム博物館(MUSEUM of COMMUNISM)[プラハ] |
プラハはさまざまな時代の建物が混在しているので、ぐちゃぐちゃな時空間を体験しているようで町を歩くこと自体が面白い。キュビズム美術館を訪ねる前に、ムーステクという駅の近く、繁華街のど真ん中にひっそりとあるコミュニズム博物館へ。行ってみると大通りに面するマクドナルドの店の奥にそれはあり、なんとも苦笑した。薄暗い階段をのぼると、入口にはレーニンとマルクスの像。チェコスロバキア時代のプロパガンダ・ポスターから、当時生産されていた工業製品の数々、「プラハの春」に至るまでの写真、ソ連崩壊後の映像資料などが展示されている。英語の解説もあり、東西冷戦のただなかで翻弄されていくチェコの歴史を知ることができる。外に出てハンバーガーを買い求める家族連れや若者を見ながら、なかなかリアルに感じとることのできない過去と、現在のプラハのイメージが交錯して、不思議な気分になった。
[11月8日(木) 酒井千穂] |
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第39回日展
11/2~12/9 国立新美術館[東京] |
会場を上野から六本木に移して初の開催。都美術館より少し広くなったのか、展示作品数は増えたようだ。一覧表を見ると、日本画は総搬入数650点のうち、入選226点。同様に、洋画は2,044点のうち521点、彫刻は241点のうち166点、工芸美術は1,095点のうち512点、書は10,648点のうち952点となっている。日本画3倍弱、洋画4倍弱、彫刻1.5倍弱、工芸美術約2倍、書10倍強という倍率だ(ここに各部門とも150点前後の無鑑査作品が加わるので、総点数3,129点となる)。やはり彫刻や工芸のように金とテマヒマがかかり、運ぶのも大変なものは倍率が低く、書のように紙と墨があればできちゃう手軽なものは倍率が高いようだ。日本画と洋画の倍率のビミョーな差はおそらく画材の値段によるのではないかしら。日本画の顔料は高いもんね。しかもなぜか日本画のほうが画面サイズがひとまわり大きいので、1点あたりに投資される金額が大きいはず。洋画のほうはサイズが小さい分2段掛けにされ、ワリを食ったかたちだ。ま、ともあれ、六本木に移ったところでなにも変わってないってことだ。
[11月8日(木) 村田真] |
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講演会・クリスト・アンド・ジャンヌ=クロード「現在進行中の2つのプロジェクト」
11/8 国立新美術館3階講堂[東京] |
なんでこの時期にクリスト夫妻が来日するのかわからないが、きっとだれかに呼ばれたついでにあっちこっちで講演することになったんだろう。講演でのふたりの役割は決まっていて、クリストがボケ、赤い髪のかみさんがツッコミの典型的な夫婦漫才。今回は、現在進行中の《オーバー・ザ・リバー、コロラド州、アーカンサス川のプロジェクト》《ザ・マスタバ、アラブ首長国連邦のプロジェクト》の2本と、これまでのプロジェクトをスライドで紹介。川の上を幕でおおう《オーバー・ザ・リバー》のほうは、2010年以降に実現されそうだが、砂漠にドラム缶を100メートルの高さに積み上げる《マスタバ》のほうは、まだメドも立ってないので「現在進行中」というより「未実現」というべきか。でも現在のアラブ首長国連邦の破天荒な勢いからすると、案外ポッと実現しちゃうかもしれない。いずれにせよふたりとももう72歳。もしこれから新しいプランを思いついたとしても、体力を考えればこのふたつ(のどちらか)が最後のプロジェクトになりそうだ。
[11月8日(木) 村田真] |
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造形美術アカデミー絵画館(TRAM VOM SUEDEN)[ウィーン] |
グスタフ・クリムトやココシュカ、シーレも学んだウィーンの造形美術アカデミーに在籍中の作家、小沢さかえさんに案内してもらった。校舎の2階にある絵画館にはボッシュの《最後の審判 祭壇画》をはじめ、クラナハやルーベンスの作品もある。「TRAM VOM SUEDEN(南方への夢)」というタイトルの旅を題材にしたオランダ絵画などの企画展が開催されていたが、それより二人とも、常設展示室の入口そばにあるアントニオ・ファブリアーノによる天使がキリストとマリアをとりまく祭壇画の美しさに惚れ込んでしまって、色がずいぶん違うとぶつぶつ言いながらもポストカードを購入。
[11月10日(土) 酒井千穂] |
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澁澤龍彦「幻想美術館」
10/6~11/11 横須賀美術館[神奈川] |
澁澤龍彦といえば、もう30年以上も前に読みあさったきりほとんど忘れていたが、久々に幻想の世界に浸ってみる。と思ったものの浸りきれなかったのは、年のせいではなくBankARTスクールの美術館ツアーだからだ。ところで今日は先々週の葉山ツアーに続きあいにくの雨。なぜか海の見える美術館に行くときはいつも雨なのだった。
[11月10日(土) 村田真] |
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アテンプト
9/26~12/9 カスヤの森現代美術館[神奈川] |
行こう行こうと思いながらなかなか足が向かなかったカスヤの森現代美術館だが、今日は横須賀まで来たついでに、ツアーの勢いを借りて受講生たちと電車とタクシーを乗り継いで訪れる。「アテンプト」は森淳一、柴田健治、谷山恭子、田口和奈の4人展。絵画、彫刻、写真、インスタレーションとバラエティに富みながらいずれもレヴェルが高く、企画者の選球眼の確かさをうかがわせる。と思って案内状を見ると、なんだO JUNのセレクションじゃないか。
[11月10日(土) 村田真] |
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