村田真/酒井千穂 |
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11/27~11/28 |
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現代美術の皮膚
10/2~12/2 国立国際美術館[東京] |
ヨーロッパ、アジア、アメリカなど、11の作家の1990年代以降の作品によって、現代美術がどのように「皮膚」と向き合ってきたかを探るという展覧会。刺激による皮膚の感覚をダイレクトに喚起するキキ・スミスの映像や、整形手術のパフォーマンスを撮影したオルランの写真、骨が渦巻く小谷元彦の立体作品のほか、装置の中に指を差し込むとスクリーンに映し出される図像が性器をイメージさせる形に変化していくフィリップ・プロフィの作品、ヤン・ファーブルの昆虫ドレスなど、多義的に「皮膚」というテーマをあつかう会場は、表面や境界という言葉で難しく考えなくても単純にそれぞれの作品が面白い。二台のベッドがあり、片方のベッドの表面をなぞると同時に両方のベッドに光のラインが浮かび上がる林智子の鑑賞者体験型の作品はひとりで体験するのはなんか悲しい気がして申し出なかったけど。
[11月27日(火) 酒井千穂] |
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坪井孟幸 展
11/26~12/1 Oギャラリーeyes[東京] |
切り立った岩場のようにも、ごうごうと流れる滝のようにも見える。静寂さと、轟くような音を同時に感じさせる不思議で魅力的な銅版画だった。愛知県在住だが、Oギャラリーeyesでは3度目の個展なのだそう。いつもは青のインクを用いているのに今回の作品で黒が使われていたのは、その特殊な青い色が欠品中で買えず、来年まで手に入らない状態だったから、というエピソードも聞いた。次回の個展では青い線が復活するとのことで、また楽しみ。
[11月27日(火) 酒井千穂] |
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三沢厚彦──ANIMALS+
11/3~12/16 伊丹市立美術館[兵庫] |
動物をモチーフにした彫刻シリーズを発表している三沢厚彦の個展。最初にイヌだけがたくさんいる展示室を出ようとしたとき、監視員の女性にこそっと「あのね、まだ他にもいるんだよ」と声をかけられた。ぐるっと会場を見回し、入口の天井付近に小さなトカゲ(?)を発見。そんな遊び心のある会場で展示室を移動するたびに気分も盛り上がる。表情がユーモラスだし、それぞれにかわいらしさもあるけれど、ゾウの重量感と表面の鑿の痕はやっぱりすごい。なぜだか見ているだけで清らかな気持ちになっていくような気がした。
[11月28日(水) 酒井千穂] |
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神戸アートビレッジセンターアートイニシアティヴ・プロジェクトvol.1──Exhibition as media(メディアとしての展覧会)
11/9~11/29 神戸アートビレッジセンター[兵庫] |
開館から10年間、毎年関西の若手アーティストの作品を紹介してきた「神戸アートアニュアル」が終了。過去のアニュアルに出品したメンバーが集い、ミーティングを重ねながらアイディアを出し合い、展覧会自体をひとつの作品としてプロデュースするというKavcの新たなプロジェクトの第1回目。金氏徹平、喜多順子、中西信洋、八木良太、吉田彩子ら5名のアーティストが参加した今展の試みは期待していた以上に面白かった。ギャラリーでは、吉田が編集した喜多のドローイングの映像が金氏の白い作品に映し出されていたり、「白地図の線をつないで作品を作ろう」というワークショップで参加者がつくったものを金氏が構成した作品、喜多のコレクションである「ムーンリバー」のレコードをかたどって、八木がアニュアルに出品した氷のレコードの作品を再現したものなどが展示されていた。地階の空間では八木と中西の映像作品も。アーティストがコラボレーションするというものともちょっと違う気がするし、なんだかとても新鮮。
[11月28日(水) 酒井千穂] |
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曽田朋子──もの思いスケール
11/10~12/8 PANTALOON[大阪] |
布を継ぎ当てるときのように、糸そのものをミシン糸でたたき縫った生地でつくったオブジェが展示されていた。天井からゆらゆらと揺れる《スープのうわずみ》、巨大な《ドアノブ》。シンプルなかたちなのに、風景や時間を想像させる作品もタイトルも色も、とにかく素敵。一気に曽田朋子という作家のファンになった。
[11月28日(水) 酒井千穂] |
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