村田真/酒井千穂 |
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1/1〜1/10 |
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ウルトラマン大博覧会ROPPONGI天空大作戦
12/6〜1/20 森アーツセンターギャラリー[東京] |
新年あけまして早々、太鼓の音につられて家族で六本木ヒルズに吸い寄せられ、母は森美術館の「六本木クロッシング」へ、父は2匹の子ザルを連れてウルトラマン大博覧会へ行きました。ウルトラマンがテレビ放映されてもう40年。ぼくはちょうど中学に入るころで親が見せてくれなくなったのだが、その前のウルトラQのシリーズはけっこう好きだったなあ。回を追うごとに怪獣のデザインが奇抜というか乱調気味になり、ストーリーも破綻していくのが子供心にもわかって、毎週ツライんだろうなあと同情する一方、これからどうなっちゃうんだろうと楽しみでもあった。正月早々なんで怪獣の思い出に浸らにゃならんのだ。
[1月1日(火) 村田真] |
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多賀大社の名宝
1/1〜2/5 彦根城博物館[滋賀] |
犬上郡多賀町にある多賀大社所蔵の能面や武具、古文書など、中世以来奉納された名宝が並ぶテーマ展示が今期の見どころのようだが、絵画、刀剣、武具、能面、調度など、井伊家伝来の100点あまりにおよぶ多彩な資料を展示した常設室だけでも充分見応えがある。なかでも井伊直弼が収集したという能面は、舞台で使われるほぼすべての種類を網羅しているという数。展示コーナーごとに設置、配布されている展示解説シートは詳細な図説で、展示品によっては制作行程なども紹介されている。当時の生活をひもとくひとつの読み物として面白く、目を通しながら見ていくと、まる一日かかりそうなほどだった。
[1月4日(金) 酒井千穂] |
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プライマリー・フィールド
11/23〜1/14 神奈川県立近代美術館葉山[神奈川] |
サブタイトルは「美術の現在──七つの〈場〉との対話」というもので、出品作家は吉川陽一郎、多和圭三、大森博之、石川順惠、青木野枝、坂口寛敏、さかぎしよしおうの7人。「美術の現在」といいつつ近過去な顔ぶれだ。作品もメインタイトルも80〜90年代のにおいがする。ていうとケナシてるように聞こえるかもしれないが、そうではなく、このくらいの近過去の作家がもっとも等閑視され冷遇されがちだからこそ、しっかりと見せる必要があると思うのだ。インスタレーションやメディア系の作品を除いたのはひとつの見識だが、なぜか彫刻が多く絵画が少ない(石川のみ)のは残念。
[1月5日(土) 村田真] |
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北斎──ヨーロッパを魅了した江戸の絵師
12/4〜1/27 江戸東京博物館[東京] |
北斎展と国際展て似てないか。音が似てるだけでなく、2〜3年おきに開かれるからだ。第30回北斎展、ではないけど、それくらい開かれてる。今回の北斎展の目玉は、江戸後期のオランダ商館医シーボルトが北斎に制作を依頼して持ち帰り、現在ライデンの国立民族学博物館とパリの国立図書館に所蔵されている肉筆風俗画が里帰りすること。だから国際北斎展なのだ。なんてことはおいといて、この肉筆風俗画が実にグロテスクですばらしい。モチーフは間違いなく醤油くさいのに、西洋人のために描いたからだろうか、やたら陰影をつけて奥行きや立体感を強調しているためとてもチグハグなのだ。ここから高橋由一の《花魁》までもう一歩。実際、維新をはさんで50年の開きがあるが。
[1月10日(木) 村田真] |
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