東大大学院情報学環特任教授も務めるアニメーション監督の押井守、プロデューサーの石川光久と、浜野保樹教授の3人を中心に、今秋からテレビ放映されるTV
series BLOOD《BLOOD+》のプロデューサー竹井青滋などを交えて、エンターテイメント性の高い講演会が催された。「現代社会」「戦争」といった問題に対する押井監督の静かでありつつ、アグレッシブな哲学がじわじわ伝わってきた。テレビアニメは子供たちを意識して制作せざるを得ないが、湾岸戦争時には報道局に所属し、現地に赴いた竹井プロデューサーが伝えようとする「戦争」のリスク。戦闘シーンを描かず戦争を描こうというこのシリーズを見ないわけにはいかないと思わされた。この日、浜野教授によれば、安田講堂はじまって以来の立ち見が出たとのこと。ちょっと痛い出費だけど、この講演を聴くためのだけに日帰り東京へ行った甲斐は、いろんな意味であったかな……。 [5月9日(月) 原久子]