村田真/原久子 |
|
1/28〜2/4 |
|
ロビン・ロード:ドローイング・パフォーマンス
1/28 六本木ヒルズ・ウェストウォーク[東京] |
午後1時からヒルズ内で、森美術館の「笑い展」関連企画として、ロイ・ヴァーラによる「バルーン・マン(風船男)」のパフォーマンスをやるというので見に行く。上半身に黒い風船をたくさんつけてヒルズ内を練り歩くというパフォーマンスで、前日もやったところ、前が見えないため階段から落ちて腕を骨折してしまい、今日は中止になったという。笑えませんね。もういちど「笑い展」を見て、2時半からロビン・ロードの「ドローイング・パフォーマンス」を鑑賞。遊歩道に3〜4メートル四方の大きな紙を敷き、地下足袋姿のロビンがモップに墨をつけてグイグイ描いていく。モップを振りまわすもんだから飛沫が周囲に飛び散る。最後に、地下足袋に朱をつけてペタペタ押印して完成。ストロークとスプラッシュを生かしたそのドローイングは、彼がタダモノではないことを物語っている。これ、森美術館のコレクションに収まるのかしら。
[1月28日 村田真] |
|
東京藝術大学大学院修了作品内覧会
1/27〜28 東京芸術大学取手校地[茨城] |
壁画第1・第2研究室と油画第1研究室の修了作品は、上野より遠い分、広いアトリエでの制作と展示ができ、この3研究室は恵まれている。世間の人は藝大の油科の学生といえば、どんな絵を描いているのだろうと思うだろうが、絵画作品は3分の1程度。最初に観た野田和宏の倒れそうで倒れない、巨大な動物をイメージした作品に圧倒される。佐々木たくめいは、まったく野田とは対象的だがダイナミックに空間をつかった作品を制作。友政麻理子の「カミフブキオンセン」でおじさんたちのほのぼのとした話しを聞きながら、紙吹雪に浸かって15名の作品の講評を市原研太郎氏とともに終えた。講評は聞いているほうも緊張しているのだろうが、聞かれているほうも緊張する。最後の「カミフブキオンセン」は良かった〜ぁ。
|
|
|
|
|
|
左上:友政麻理子の作品
左下:来た人が紙飛行機を飛ばしてネットにひっかけてゆく
井上幸次郎の作品
右:佐々木たくめいの作品 |
|
|
|
|
|
|
|
|
[1月28日 原久子] |
|
東京ミッドタウン アートツアー
2/1 東京ミッドタウン[東京] |
この3月、六本木の防衛庁跡地にオープンする東京ミッドタウンの敷地内に設置されたアートワークを、清水敏男ディレクターのガイドで見てまわった。作品は14作家、計19点。安田侃の18.5トンの大理石彫刻や、フローリアン・クラールの高さ6メートル、幅10メートルを超す巨大なアルミ彫刻もあるけれど、7ヘクタール近い敷地のなかではいかにも少ないし、248メートルのタワーをはじめとするビル群の前では小さく見えてしまう。それより、どの作品も建築の設計段階からプログラミングされたというわりには、その場ならではのいわゆるサイトスペシフィック性はあまり感じられず、別の場所でつくったものをもってきて置いただけという印象が強い。ひと昔前のファーレ立川や新宿アイランドより先へ進んでないというか、いまだ20世紀の「パブリックアート」の枠を抜け出てないような気がする。最後に、総工費に占めるアートワークの費用のパーセンテージをたずねたら、三井不動産の担当者とおぼしき人が「カネに関しては公表してない」という。別に「いくらかかったか」とたずねたわけではないのだが、いずれにせよ情報公開の進む昨今、リッパな態度といわねばならない。
[2月1日 村田真] |
|
食と現代美術Part3
2/2〜18 BankART1929[神奈川] |
「食と現代美術」3回目は、1階の1929ホールをレストランに変えてしまおうという企画。実際このレストランでレクチャーをやったり食事したりする。そもそもこの展覧会、予定では1月から始まっているはずなのだが、例によって遅れに遅れたため、1月をアーティストによるワークショップ期間とし、2月からその成果をレストランに反映させるという、いまやBankARTのお家芸ともいえる裏技を使っての開催となった。野老朝雄デザインのお皿、高橋永二郎の回転するテーブル、白井美穂の布をコラージュしたテーブルクロス、牛島達治の手回し精米機、山口啓介の押し花的照明、もとみやかをるの金接ぎと、なんの役にも立たないものも含めてよくやった。そうそう、ぼくも自分のコレクションから食に関する作品を何点か展示したので見に来てね、ってもうとっくに終わってるよ。
[2月2日 村田真]
|
シリーズ3回目にしてやっと今回観ることができました!いろんなものを金継ぎしているもとみやかおるの作品を観た直後に本人とも遭遇。「食」のとらえ方はかなり広くゆるやかであることに安心。ホールでは松蔭浩之が食について蘊蓄を垂れるなか焼き餃子が香ばしく焼けていて。素敵なテーブルクロスだと思ってパチパチ写真を撮っていたら、白井美穂の作品であった。
[2月17日 原久子] |
|
SHOWCASE
2/2〜4 ZAIM別館[神奈川] |
アーティストやサポーターが、つまり役人や商売人ではない現場の当事者たちが運営する施設やグループが集まったアート・イニシアティヴ・フェア。北は北海道のプラハから、青森のハラッパ、群馬のNPO環、東京のコマンドN、エイト、ボイスプランニング、愛知のアートフェチ、大阪のアーツアポリア、福岡のソープ、大分のベッププロジェクト、そして南は沖縄の前島アートセンターまで、約50組が参加。各グループのブースは薄い半透明の膜で仕切ってあるだけで、しかもみんな商売のヘタそうなアート関係者ばかりなので、なにかまったりとしたゆるい空気が漂っていた。
[2月4日 村田真] |
|
夏への扉 マイクロポップの時代
2/3〜5/6 水戸芸術館現代美術ギャラリー[茨城] |
松井みどりさんのレクチャーを聴けなかったのは残念だったけど、初日をはずしてゆっくり作品を観る。島袋道浩から展示ははじまり、K.K.で終了する動線。展示には作家ごとのこだわりがあったのだろう。テンションの違いも作家の個体差があって、これもある種のメリハリか。とにかく、好きなアーティストばかりの作品に囲まれて、すっかり会場に長居してしまった(それにしてもお客さんが少ないのがちょっと気になる)。半田真規はいまだホワイトキューブの美術館での展示は初めてなのではないかと思うが、新しい側面が観られて、次の展開がますます期待できそうに思えた。そして、K.K.の家族に会ってみたい……。
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
左上:青木陵子の作品越しにみえる杉戸洋の作品
左下:森千裕の作品を観る人
右上:大木裕之の展示 |
|
|
|
[2月14日 原久子] |
|
島袋道浩、野口里佳、奈良美智はさすがにわかるが、それ以外はみんな似たり寄ったりでほとんど区別がつかない。もちろんぼくの勉強不足、努力不足もあるけれど、でも絵はみんなホニャホニャだし、映像はお笑い系でインスタレーション込みだし、大同小異。その大半はいずれ消えてなくなるだろうから、区別がつかなくてもいいやって思ってしまう。こうして人は情熱を失い、時代に取り残されていくのか。
[2月12日 村田真] |
|
オードリー・フォンドゥカヴ「Dans la peau d’ane ロバと王女」
1/19〜2/4 ラ・ガルリ・デ・ナカムラ[東京] |
児島やよいさんに誘われて出かけた展覧会。ホント誘ってくれて有難うの一言。童話作家シャルル・ペローの「ロバと王女」から、触発されてつくられた作品。王女が問題から逃れるためにロバの皮を被って森で暮らす様子を、布を用いたインスタレーションと、森に暮らす動物たちを描いた絵画で表現。メルヘンで甘ったるいけど、過ぎない感じが心地よい。
[2月4日 原久子] |
|
|
Index |
|
|