村田真/原久子 |
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2/20〜2/22 |
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名古屋造形芸術大学卒業制作展
2/20〜25 愛知県美術館ギャラリー[愛知] |
今年は関西の美大の展覧会をなかなか観に行けないものの、名古屋と東京にいることが多い。名古屋造形芸大では、学生たちの真面目な制作に対する態度を確認。こつこつときちんとやっていて、全体の平均点は高いという印象。
[2月20日 原久子] |
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鷲見麿 all about maro V/青紀の時代 その前夜
2/3〜3/3 白土舎[愛知] |
鷲見さんと言えばとセーラー服の《青紀》。とても奇妙なオーラを発している絵で、一度観たら絶対に忘れないだろう。セーラー服の彼女が実在の人物であることやその絵画《青紀》誕生秘話を聞き、過去の作品なども観て、謎が溶けたような気になった。グリッドをひいて、元になる写真などから比率を正確に写しだしていく。とても表層的な部分で絵画というものの再考が停滞している一方で、自戒の念も含めてこんなに実直に絵画を考えているアーティストがいることが注目されないことがむしろ問題かと……。
[2月20日 原久子] |
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異邦人たちのパリ1900-2005
2/7〜5/7 国立新美術館[東京] |
ピカソからオノデラユキまで、パリで活躍したアーティストたちの作品を紹介するポンピドゥー・センターの所蔵品展。やはり最初のピカソ、フジタ、シャガールらエコール・ド・パリの作品にはたくさんの観客が群がっているが、カンディンスキーやクプカらの抽象美術の前ではまばらになり、最後の現代美術ではなぜかまた観客が増えている。ぼくのお気に入りは、もう30年も前に中国現代絵画を先どりしていたエロの「チャイニーズ・ペインティング」シリーズと、民衆がつくりあげたダイアナ妃の慰霊碑に触発されたトーマス・ヒルシュホーンの《直接的彫刻》。
[2月21日 村田真] |
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三菱一号館美術館記者発表
2/21 丸ビルホール[東京] |
東京駅周辺の再開発が急ピッチで進められているなか、丸の内側を仕切る三菱地所が明治期に建設された旧三菱一号館を復元し、三菱一号館美術館とすることを発表した。旧三菱一号館は、イギリス人の建築家ジョサイア・コンドルの設計で1894年に竣工、優美な赤レンガ建築は丸の内のランドマークになっていたが、高度成長期の1968年に解体。これを40年ぶりに復元し、美術館として活用しようという計画だ。ま、BankARTみたいなもんだ。開館は2010年春の予定で、展示面積は約800平方メートル。コレクションはいまのところロートレックのポスターや版画など約200点しかなく、企画展を中心に運営していくという。記者発表には200人以上がつめかけ盛況だったが、美術業界より不動産業界の人たちのほうが多かったように思う。「金利の引き上げがこのプロジェクトにどう影響するか?」なんて質問は、美術関係者から出るわけないもん。
[2月21日 村田真] |
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前田正博色絵磁器展/ラブ?レター展
1/31〜3/25 アサヒビール大山崎山荘美術館[京都] |
2つの展覧会が同時に開催中だ。本館では前田正博の器が並ぶ。面をとった造形。器なのだが、あまりここに食べ物をのせることが想像できない。新館では巨匠たちの手による収蔵作品に、関西を拠点に活動する4人のアーティストたち(結果的に女性作家ばかりになったのか?)から捧げられた作品が並ぶ。イチハラヒロコの場合は言語を用いてはいるが、それでも手紙ではない。いわゆる私たちが日常用いるコミュニケーションとは違った作品間でコミュニケーションがとれる、そんな表現方法をもっていることを羨ましく思う。4人がなぜそれらの収蔵品を選んだのだろうか、いろいろ彼女たちへ質問がしたくなった。やはり初日に来ないと作家がいないので面白みに欠けるかな。
[2月21日 原久子] |
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竹本真紀と松澤宥展
2/22〜25 ZAIM本館403 MA[神奈川] |
竹本真紀はぼくとスタジオをシェアしているアーティスト。その彼女が自分のスペースを展覧会のために公開することになった。その第1弾が、昨年亡くなった松澤宥との2人展。長沼宏昌の撮影した写真と、伊丹裕のコレクションを展示している。物思いにふける少年(少女?)を描いた真紀ちゃんの絵と、松澤の概念芸術との接点がぜんぜん感じられないのだが、実はどちらも思索的な姿勢をまったく別のかたちで表わしている点で、むしろ相補う存在なのかもしれない。
[2月22日 村田真] |
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桜木町ON THE WALL
2/3〜3/4 旧桜木町駅・横浜駅間の高架下[神奈川] |
1980年代前半、桜木町の東横線高架下に登場したグラフィティを取材したことがある。描いたのはロコサトシ。もちろん違法行為だ。あれからおよそ4半世紀、グラフィティの巣窟となった同じ場所に、今度は横浜市が音頭をとって公募で壁画を描かせている(期日は制作期間)。やられたらやりかえせ、ではなく、やられる前にやっちまえの発想だ。そのせいか、集まった描き手の多くはやっぱりグラフィティ調。つまりこのプロジェクト、グラフィティライターたちに勝手に描くのをやめさせ、区画や制作日時を限定してお行儀よく合法的に落書きしてもらおうという懐柔策なのかも。ちなみに、これらの「壁画」の上にまただれかに落書きされても文句はいえないそうだ。ダブルバインドに追い込まれるグラフィティライターたち。
[2月22日 村田真] |
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浅井裕介 花屋根
2/19〜3/31 桜荘[神奈川] |
ランドマーク・プロジェクトの一環で、桜荘にレジデンス中の浅井が天井画を制作。乳白色のアクリル板に色とりどりの植物模様(ほとんど抽象)を描いて、蛍光灯の下にはめ込んでいる。金比羅さんの若冲の天井画を思わせる華麗さ。
[2月22日 村田真] |
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