村田真/原久子 |
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2/18 |
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オルセー美術館展 19世紀 芸術家たちの楽園
1/27〜4/8 東京都美術館[東京] |
日曜とはいえ開館まもない午前9時半でしかも雨だからさほど混んでないだろう、と思ったら大間違い。すでに上野駅から公園を横切って林の向こうの都美術館まで、アリのような列が続いている。でもなんとか待たずに入れた。ホイッスラー《灰色と黒のアレンジメント第1番、画家の母の肖像》と、マネ《すみれのブーケをつけたベルト・モリゾ》はすばらしい。どちらも印象派と同世代の画家でありながら、黒を強調してモノクロームに近い色調にまとめている。また、ラトゥール《バティニョールのアトリエ》にはマネを中心にモネ、ルノワール、バジールらが、バジール《バジールのアトリエ、ラ・コンダミヌ通り》にもほぼ同じメンバーが描き込まれ、画中画、画中画家としても楽しめる。
[2月18日 村田真] |
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第56回東京都公立学校美術展覧会
2/14〜18 東京都美術館[東京] |
ちょっと時間が余ったので無料の展覧会を見たのだが、これはすごい! なにがすごいかって、2段掛けどころじゃない、6段掛け。画用紙に描いた絵だけどね。都立小中高生の作品を市区町村別に展示しているのだが、絵だけじゃなくデザインや工芸もあってにぎやか。青ヶ島の村立中学生によるルノワールの模写もあった。一生懸命描いていた。青ヶ島で油絵をめざす少年がいたことを、ぼくは忘れないぞ。
[2月18日 村田真] |
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第35回東京都立芸術高等学校美術科卒業制作展
2/13〜18 東京都美術館[東京] |
大作の隣に自画像を展示するのは芸大の卒展の真似か。技術的にも芸大生に迫っている。日本画はほとんど具象だが、油絵はかなり抽象化が進んでいて、しっかり棲み分けがなされている。作品だけでは男女の区別はつかないけれど、名前を見ると9割以上が女子。会場にたむろってるのも全員女子。
[2月18日 村田真] |
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第57回東京都教職員美術展
2/14〜18 東京都美術館[東京] |
芸術高校の生徒たちの作品に比べても、小品が多いし、壁はスカスカだし、テキトーに作品っぽく仕上げてみましたって感じでやる気が感じられない。絵画部門ではたった1点だけ全身ヌードがあったが、なぜか毛が描かれてない。写真部門では1点もヌードがなかった。19世紀か。っつーか、学校の先生ってのは好きなものを描けないんだな、てより、描いてもこういう場所には出せないんだろうなあ。
[2月18日 村田真] |
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Open Sky 2.0 八谷和彦展
12/15〜3/11 NTT ICC[東京] |
空を飛ぶ夢を子供の頃からけっこう最近まで何度も見た。いつも同じシーン。最近見ないのは、そういう夢というか希望が無くなってきたのだろうか。でも、八谷和彦は本気で命がけやっていて、カッコいい。だから展覧会を観るというより、ここには確認しに来た感じだ。《M-2.0》に会場で試乗できる方法がある。左右2つの壺のなかに手を入れて、白い小石に書かれている文字を左から順に読む。この小石の入った《Sky Spell》は鴻池朋子+大山功一の作品。係の黒いマントの人に「閉じています」とぽつりと言われがっくりと肩を垂れる私、《M-2.0》に乗れなかった。《Sky Spell》以外にも八谷和彦の所蔵する他の作家の作品も会場にはある。ホントに彼はいま空を飛ぶこと、国産飛行機を作ることしか考えていないのかしら、と思わせるし、iPodを使った解説でもそんなことが語られていたような気がする。空を飛ぶこと以外にいま彼はどんなことに興味があるのか聞いてみたい。
[2月18日 原久子] |
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project N 28 富倉崇嗣展
1/13〜3/25 東京オペラシティアートギャラリー[東京] |
富倉崇嗣の自宅のアトリエに取材へ行ったことがある。三重県津市で、海が近くて、大きな空が印象的な場所だった。作品は当時よりエスタブリッシュされてきた。もう少し後ろに戻ってもいいかな、という気もした。
[2月18日 原久子] |
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ランドマーク・プロジェクト
2/19〜3/31 BankART1929とその周辺[神奈川] |
「食と現代美術」終了の翌日がオープニングという離れ業。展覧会としてはわかりにくいかもしれないが、歴史的建造物の文化的活性化をめざすBankARTからの提案と思えばいい。圧巻はNYK 3階の牛島達治と丸山純子のインスタレーション。牛島のは一昨年から設置されているが、丸山は新作。色とりどりのコンビニ袋で花をつくり、それを広大な床に数千本も植えつけている。このフロアは長いこと使われていなかったのでカビくさいせいか、この花が繁殖するカビ菌のようにも見えて不気味だ。
[2月19日 村田真] |
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