artscape　展覧会レビュー 07年3月

村田真／原久子

2/12～2/14

DOMANI・明日展2007
1/11～2/18　損保ジャパン東郷青児美術館［東京］

文化庁の芸術家在外研修（新進芸術家海外留学制度）を受けたアーティストのうち、イギリス、イタリア、オランダ、中国、ドイツなどに派遣された30人の作品を展示。具象も抽象もいれば、団体展系も現代美術系もいる。脂派も紫派もいる。いないって。額縁をつけるか、つけないかにも分けられる。ほぼ半々だ。額縁をつけないのはドイツ、オランダ・ベルギー、イタリアなど西欧の中心国が多く、つけるのはチェコ、ポーランド、ルーマニアなど東欧の周辺国が多いのは偶然だろうか。ちなみにイギリスに滞在していた平木美鶴はその中間で、額縁を画面の四隅など部分的につけていた。
［2月14日　村田真］

大館アートユニット「ゼロダテ」展
1/27～2/17　プロジェクトスペースKANDADA［東京］

今回の展覧会のために結成されたユニットは、漫画家の普津澤画乃新、デザイナーの石山拓真、アーティストの中村政人。この20代、30代、40代のクリエーターはいずれも秋田県大館市出身。聞くところではオープニングレセプションで振る舞われたきりたんぼ鍋は絶品だったとか。倒産していまはもう営業していないこの町の人たちにとってとても思い出深い老舗百貨店「正札竹村」の包装紙、看板、商品券の束、廃墟と化した店内のビデオなどが展示されている。大館という具体的な場所の現実だが、たとえ大館に行ったことがなくても、誰にとっても、展示されたこれらの記号の集積が訴えるものは強いに違いない。こんなに出しているのにぜんぜんセンチメンタルじゃないところが良かった。
［2月14日　原久子］

Lab☆Motion
2/14～3/21　トーキョーワンダーサイト本郷［東京］

自分が企画に関わったものを書くのはいつも消極的になるのですが。この企画は、はっきり言って面白いです。3組の参加アーティストのおかげで、企画者の想像以上の「場」ができて感謝です。いつもいろんな場所へ行き、展覧会で作品を見せてもらって、来場者にもどこかでプロセスに関わってもらいたい、あるいは関わらせてもらいたいと思うことがあります。さまざまなものが混在する現代の生活のなかで、サバイバルするアート。大上段に振りかぶれば、アートは社会を変えることも可能であるってことを、ちゃんとメッセージとして、具現化というか作品化できている3つのフロアが、最終日まで少しずつ増殖していく予定です。ここまで書いてしまって良かったかな(^ ^);



左：エキソニモ《浮遊具の妄想的宇宙論 in PROGRESS》 ©exonemo 2007 右：assistantの《Patterns of Alliance》 ©須之内元洋

［2月14日　原久子］

Index

1/26～1/27

グレゴリー・コルベールanimal totems

1/28～2/4

ロビン・ロード：ドローイング・パフォーマンス

オードリー・フォンドゥカヴ「Dans la peau d’ane　ロバと王女」

2/6～2/10

村田朋泰展　ブラックルーム＆ホワイトルーム

安田辰雄展「イチゴになりたかったスイカ」

大型美術館はどこへ向かうのか？　サバイバルへの新たな戦略

2/12～2/14

2/15

2/16～2/17

2/18

オルセー美術館展　19世紀芸術家たちの楽園

第56回東京都公立学校美術展覧会

第35回東京都立芸術高等学校美術科卒業制作展

2/20～2/22

鷲見麿　all about maro V/青紀の時代その前夜

2/24～2/25

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