村田真/原久子 |
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2/15 |
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『明日の神話』一般公開に関する記者会見
2/15 東京都現代美術館[東京] |
岡本太郎の超大作《明日の神話》が4月から1年間、東京都現代美術館で特別公開されることになった。高さ5.5メートル、幅30メートルにおよぶこの作品、1960年代末にメキシコで制作されたものの行方不明になり、2003年に発見されて修復され、2006年に汐留の日テレプラザで一般公開されたもの。現在、恒久設置先を探しているところで、2011年の岡本太郎生誕100周年までには決めたいという。なぜ日テレと都現美で公開されるのかといえば、修復費用を日本テレビが援助したからだ。そして日テレ会長の氏家さんは都現美の館長でもあるからね。だから記者会見の冒頭も、くさいドキュメンタリー番組みたいな映像で始まったのだ。ではなぜ日テレが援助したのかといえば、氏家さんの奥さんが岡本敏子さんの同窓生で、太郎とも昔なじみだったからだという。なるほど、そういうつながりがあったのね。ところで、都現美には太郎の作品がコレクションされてないらしい。太郎はほとんど作品を手放さなかったからしかたがないけど、もし手放していたとしても、少なくとも太郎の生前は都現美は入手しようとしなかったんじゃないか。それがいまや手の平を返したようなハシャギぶり。よくある話だけどね。もうひとつ、今回の記者会見のサプライズは、《明日の神話》の最初と見られる下絵が公開されたこと。昨秋、岡本太郎記念館のアトリエの奥から新発見の《電撃》とともに、白く塗られた細長いキャンヴァスが見つかり、赤外線写真を撮ったところ下から《明日の神話》らしき下絵が浮かび上がったという。太郎没後10年にしてお騒がせなやつだ。
[2月15日 村田真] |
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両洋の眼展
2/13〜18 日本橋三越新館7階ギャラリー[東京] |
「両洋の眼」とは「東西・南北の両洋を貫通する人間の眼」という意味だそうだが、「日本画・洋画の区別もなく、具象・抽象の垣根もない」と謳うところがすでに古い。委員に瀧梯三、米倉守といった古い体質の美術評論家が入っているからさもありなん。作品も昨日見た「DOMANI」とかぶって中途半端な印象だが、靉光と高島野十郎をたして2で割ったような不穏な空気の漂う安西大と、まさに東西を貫通するロマン主義的山水画の加藤良造はハキダメにツル。
[2月15日 村田真] |
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西島直紀展 シーリングワックスと記憶の実
2/13〜3/3 ギャルリー東京ユマニテ[東京] |
郵便物を封印するときに使うシーリングワックスをポツッポツッと画面に均等に盛り上げ、モノクロームに近い薄い絵具で家や小屋を描いている。このワックスと家のイメージにはなんの関連もなさそうだが、かといってそれぞれ単独では絵としておもしろくもなんともないし。
[2月15日 村田真] |
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池ケ谷肇展「盤上の演技者」
2/12〜17 ギャラリーQ[東京] |
インスタレーションの先週に続いて、今週はドローイングの発表。先週は見てないが、基本的にインスタレーションとドローイングは別々に考えているそうだ。ドローイングでおもしろいのは、5〜6個の缶に絵具があふれている絵。画面に実際に絵具を垂らして、それを缶の側面に垂れた絵具に見立てている。
[2月15日 村田真] |
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out of square
2/11〜17 ギャラリー青羅[東京] |
女子美大学院修士1年の学外展。女子美の絵画は昨年の卒展で好印象をもったので見に行く。まあ大半はイラストか、せいぜい洋画止まりだが、お座敷絵画の西尾真代と額縁絵画の安江陽子は瞠目に値する。これからが楽しみだ。
[2月15日 村田真] |
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エサシトモコ展
2/13〜3/3 ギャラリーなつか[東京] |
木彫のツボミにナイフが突き刺さり(ワレメには赤い毛糸が)、鹿の角におさげ髪がからまり、テラコッタ人形に鳥の羽根がついてたり、なにかとってもアレゴリカルな(日本語でいうと意味深な)彫刻インスタレーション。
[2月15日 村田真] |
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吉田暁子
1/24〜2/17 東京画廊[東京] |
金屏風2双に、正方形や極端に縦長の絵画をギャラリー内にインスタレーション。金屏風は画廊の人が古美術店で買ったものらしく、それなりの値打ちもの。それを暁子に使わせるとはいい度胸だ。もちろん勝算あってのことだろう。捕らぬタヌキの皮算用ともいうが。ぼくとしてはかそけき小品のほうに惹かれるが。
[2月15日 村田真] |
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水越香重子《DELIRIUM》
2/9〜3/4 資生堂ギャラリー[東京] |
大きな部屋では壁3面に映像を映し、奥の部屋では写真を展示。お、いつになく高度な技術を使ってるな。十分な制作費が出たのだろうか。といいつつ、忍耐力がないため途中で退散。
[2月15日 村田真] |
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