村田真/原久子 |
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2/24〜2/25 |
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東京五美術大学連合卒業・修了制作展
2/21〜26 東京都美術館[東京] |
昨年に続く2度目の訪問で、大学ごとのカラーの違いより、年度ごとの当たりハズレのほうが大きいことがわかった。昨年は女子美が当たり年だったが、今年は多摩美が豊作。仏壇、劇場というあちらの世界への窓口を正面から描いた西村加奈子と伊藤理一郎、水墨画と抽象表現主義をたして2で割ったような長谷川敏子、ヘンリー・ダーガーに触発されたのか、《ウィンター・デコレーターズv.s.エムプティの軍団》という無意味な物語絵を描く内海陽介、小さな箱の表面に原寸大の宝飾品を細密描写した塩田麻理子あたりが出色。また、日本画ではお目にかかったことのない3Pポルノという主題に挑んだ鬼頭克嘉の蛮勇もたたえたい。女子美では、画面いっぱいにアパートの室内を描いた村田彩の《コーポミツ201号》はマンガっぽいけどよく描けているし、白い母牛から黒い子牛が生まれてくるところを描いた井澤泉の《お父さん似》は、構図もタイトルもすごい。造形大では、ピンクのフリルだけを描いた宮本裕美の版画が群を抜く。絵画専攻のくせに立体を出した池田拓馬は反則だが、でもよく見ると白い立方体の6面に窓がついているので、窓が絵画の比喩だとすれば、ホワイトキューブに閉じ込められた絵画を象徴しているようにも読める。日芸と武蔵美はとりたてて収穫なし。
[2月24日 村田真] |
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東京藝術大学卒業・修了作品展
2/21〜26 東京都美術館+東京藝術大学構内[東京] |
都美術館では、池田大作を描いた肖像画を壁の高い位置に掲げた渡辺篤の《せかいなるほどいじんでん(3)》が目を引く。一瞬、作者は学会の人かと思ったが、ずいぶん醜く描いてあるので別に礼賛しているわけではなさそうだ。『週刊現代(3/17号)』によると、父親は学会員だそうだが、本人は「疑念を覚える」と。いずれにせよ物議をかもすのは悪いことではない。藝大構内では、ビン・ラディンがアメリカを、ブッシュがイラクを、金正日が日本を的にそれぞれダーツをする小田太一の映像が笑える。
[2月24日 村田真] |
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イェッペ・ハイン個展
1/19〜3/3 SCAIザ・バスハウス[東京] |
湾曲した壁の穴から水が放物線を描いて飛び出し、3メートルほど離れた反対側の壁の穴へと吸い込まれていく。穴の直径は10センチちょっとしかなく、弧を描く透明アクリルの棒を渡しているようにも見える。みごとな水芸ですな。しかし水は使いっぱなしかなあ、循環装置を入れるのも大変だし……と貧乏人は心配するのであった。
[2月24日 村田真] |
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かなもりゆうこ展『Violet』
2/3〜25 CAP HOUSE CAPギャラリー海側・山側[兵庫] |
3つの部屋にはそれぞれビデオインスタレーションがある。記憶を呼び覚ますように、ゆっくりしたテンポのポエトリーな作品に浸ること約1時間。映像だけでなく、部屋を構成するちょっとした仕掛けと、ダンスといってしまっていいのだろうか身体運動をともなう登場人物のやりとりは、かなもりの色と時間に染められている。
[2月24日 原久子] |
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文化庁メディア芸術祭
2/24〜3/4 東京都写真美術館[東京] |
メディア芸術祭は体調のいい日にしか観に行ってはいけないと思う。風邪で体調が悪かったので、体験型のものなどは反応しすぎてしまう。過去の受賞作や、推薦されて出品された作品など、エンターテイメント、マンガ、アニメーション、アートと4つのカテゴリーに分けられ入賞した以外の作品もぐじゃぐじゃと展示されていた。光と影がもたらすイリュージョンってな感じの作品がアート部門の最優秀賞。プレビューの24日だけで約8,000人が来場したという。
[2月25日 原久子] |
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