竹久侑の記事


みなさま、お久しぶりです(?)

2月末まで書いていいと編集者さんからお達しがあったので、再投稿です。

リフレクション展の展覧会風景の動画が本展ウェブサイトにアップされました!
ぜひのぞいてみてください。

トップページ右上部分の「展覧会風景公開!」をクリックしてください。


本展サイトへのブログ投稿もちょくちょくしていますが、
今さら展覧会準備のリバウンドが地味に出て来ていて、
なんだかいまいちスキッとしない今日このごろです。

3日前、無事、リフレクション展がオープンしました!

オープンには地元からも東京からも友人、知人、お世話になった方々が駆けつけて下さり、
本当にありがとうございました。

オープニング・イベントの「さわひらき×テニスコーツ」も
100名を超すオーディエンスのもと、
さやさんの心地よい声とハーモニカ、キーボード
そして植野さんのアコースティックギター、エレキギターが
さわさんの映像をバックに演奏され、
ギャラリースペースが、音によって活性化され、息づきました。

生の音、そこに人がいるという生の感覚によって、
空間が、展示だけでは不可能なダイナミズムを得た時がつくりだされました。

美術館やギャラリーが
もっとさまざまな人びとが行き交い、
生きた場になることを望む者にとっては
目頭が熱くなる瞬間がありました。

レセプション、2次会、3次会(@キワマリ荘)とも盛況で、
ようやくアーティストとも仕事以外のことを話せる機会をもつことができました。
キワマリ荘の五嶋さん、遊戯室の中崎くん、AFAの寺ちゃん、
3次会をさせてくれて本当にどうもありがとう!

翌日の日曜日は、
つもりつもった睡眠不足などでへろへろ。

今日は、朝から展示風景の記録撮影です。

さぁ、これからは、リフレクション展のカタログ制作と
それから来年の企画に向けて、急ピッチで企画をつめていきます。

さて、このブログ、リフレクション展が開くまで、ということになっていました。
なので、展覧会が開いたので、もう降板ですかね? 齋藤さん。

ということで、読んで下さった皆様どうもありがとうございました。

今後は、リフレクション展専用ウェブサイトのブログに投稿していきますので、
そちらの方をぜひたまにのぞいてみてください。


本日は展覧会オープン前日。

通常どおり、14時からプレス向け内覧会。
16:30 監視スタッフ説明会
18:00 ボランティアトーカーさん直前勉強会

と、連続で3本展覧会ツアーを行う日です。
それぞれ1時間枠の予定なのですが、
一つ一つ話していくと普通に1時間30分くらいかかり、
気付いたら3時間立ちっぱなし&しゃべりっぱなしの状態で、
のどはからから、足もへとへと、ビールが恋しくなる。。。

今回は通常の3本展覧会ツアーに加えて、
関連企画「放送部!」の、明日の作家インタビューを控えた打合せと準備
(といっても今日は五嶋さんと本間さんにおんぶにだっこさせてもらいました・・・)、
初日オープニングイベントとして行うライブパフォーマンス「さわひらき×テニスコーツ」の
現場確認や打合せがありました。

そして監視スタッフの配置について打合せ、
明日のイベントに関する館内掲示のレイアウト確認、
機材の稼働の仕方の確認などなど・・・細かい確認・打合せがつづく。。。

途中でテニスコーツがさわさんの映像にあわせて音出しをしている場に立ち会い、
それがとても心地よく、じーんとくる。
あー、このイベントが実現してよかった。。。

そして、夕食を食べるタイミングを逃し、11時ごろに夕食。
それでエネルギーを充電して、
ギャラリーに再びあがり、
1から作品を順に見直す。
音が衝突しないように音量を調整したり、
決まってなかった照明を決めたり。

そこまで来ていまこのブログを書いています。

展示スタッフのみんなはこれから壁のタッチアップを始めようとしてくれています。

今まで担当してきた展覧会は、前日の夜には作業がなかったので、
今回もまさか前日のこの時間まで作業がつづくとは想像しておらず
ちょっと体力配分をまちがえました;; (汗)

明日のレセプションの挨拶の下書きをするも頭がまわらず
筆が進まないので今日はあきらめます。。。

6時間30分後、リフレクション展がオープンします!


さて、午前2時20分。

このブログを読んでくれているらしき中崎くんから、
リポビタンDの差し入れをいただきました。
ありがとう!

飲んでみると、みるみる目が覚めていく。
けっこうすごいですね、これ。

さて、現在、Chim↑Pomが隣で映像編集をしています。
出品作品は「サンキューセレブプロジェクト アイムボカン」で、
これは既存作品ですが、このプロジェクトの全貌を展示で見せるという意味では初めてで、
そのために今回、1点新作のドキュメント映像が加わります。
この映像は、その名の通りドキュメントなのですが、
C↑Pがカンボジアで知ったこと、聞いたこと、感じたことなどが記録されていて、
通常は、活動の奇抜さや大胆さが際立ちがちですが、
それだけではない彼らの一面が見える、とてもよい作品です。

ほかにもまだ展示は完成していませんが、
キャプションの配置も決め、
明日の14時からのプレス内覧会までには形になることが見えてきました(?)

オープンまであと1日。


意外と静かな時間が過ぎているなーと思って、
「設営序章」と書いたけど、それはもう大昔のこと。

28日には、いったん八幡さんが入り、布の吊り位置、プロジェクターの位置、スピーカーの位置、
そして吊り物の吊り方の確認などを、現場で打合せ。

29日は、キャプションや解説パネルのテキストの入稿、フォーマットを決定しつつ、
ギャラリーでは、内装工事が始まり、仮設壁の建て込み、壁の塗装などを平行して行い、
立会のない作家の作品設置など、決定していけるところから決め始める。

30日にはなんだったっけか、
今は3日(あー、豆まきせずに節分が終わってしまった)で、
1日から作家がぞくぞく入ってきたので、
週末になにをしたかはっきり覚えていません。。。

現状は、あと1日しか設営日が残っていませんが、
明日設営佳境の作品がひとつあり、
ほかはまちまちながらもほぼ終わりが見えてきました。

けっこう写真撮ってるのですが、
どうやってあげるのか編集者の斎藤さんがずいぶん前に送ってくれたマニュアルを調べる前に
設営のチェックやら確認の打合せやらがあって
中断、中断の繰り返しで、
いまなんとかここまで書きました。

午前2時20分。
そろそろスタッフの半分くらいがあがってきて、
本日の終了が見えてきたところ。

明日が勝負です。

オープンまであと2日。


本日、リフレクション展の設営の「序章」がそこはかとなく始まりました。

がっつり始まるのは週明けですが、
週明けからだと日数が限られているので、
前回展覧会の撤収作業との兼合いで可能な部分から、
今日、作業が始まりました。

まずは13メートルと一番天井の高い展示室の天窓に、
外光を遮断するための暗幕を張る作業。
組んだ足場と、電動タワーを使っての高所作業です。
上部ではかなり揺れがあり、下から見ていても緊張します。
1時間ほどかけて黒布と白布の2枚が張られ、無事完了。

明日は、この部屋で展示するローランの映像の投影位置を決定し、
それにあわせて壁の塗装作業の準備に入ります。

そして、ジェレミー・デラーの映像作品の展示に使用する
52インチの薄型モニターを壁に設置する作業。
まずは位置を決めたら、
表からはケーブルが気にならないように、壁の裏側から配線します。

ギャラリーで作品を見ることはとても自然な行為なんですが、
その行為を、何かに気をとられることなく自然に行えるような環境にするために、
見えないところで地道な作業が行われています。
とくに絵画や彫刻の展示と異なり、
映像の展示は、配線や吊りの作業が多いため、
鑑賞時には気づかない裏の作業がとりわけ多いのです。。。

いつものことながら
精鋭展示スタッフの理解と協力とこだわりと配慮に敬服!

展覧会オープンまであと10日。


さて、2日前の日曜日で、無事、大盛況のもと
ボイス展とクリテリオムの矢口克信展が閉幕しました。
ご来場いただいたみなさま、本当にありがとうございました!

最週末ということで友人/知人の来水も多く、
また、関連のイベントもいくつか。

青森からartscapeのブロガーでもある服部くんも来水。
遊戯室の中崎くんや、遊戯室で同時期に個展をされていた白川昌生さんらが
「かずこ」であんこう鍋を食べるということで、そこに合流。

その道中、矢口くんから電話が入り、
矢口くんの経営する<小料理喫茶ワシントン>でもトークを開催中で、
顔を出すことに。
クリテリオムの展示のちょっとした反省会になりました。

服部くんたちに合流したときには
すでにアンコウ鍋もほぼ売り切れ。
遊戯室の遠藤くんも来ていて、
前から話をしていた「キュレーター論/キュレーション論」の話に展開。

でも、なぜか話が噛み合ず、休戦。
東京から、TOKYO SOURCEの近藤さんも来ていて、
とにもかくにも、キュレーションをお題に、あのメンツで話ができたこと自体、
有意義でした。
でも、まだもう少し掘り下げたいなぁ。。。

そのあとキワマリ荘に移って、また朝まで。。。
数時間ほど寝て出社。
(と、なぜかブログに書くときはいつもこういう流れが多いですが、
ふだんはそんなことないし、仕事はちゃんとしてます!)

昨日は、アメリカからRyan Trecartinの映像が届き、字幕の確認。
若干の手直しが必要なので、その手筈を映像編集の方と相談。
国内で作業ができると助かるのだけど。

それからレクチャーチラシの初校戻し。
などなど。

意外と落ち着いた時間が流れています。。。

そして今日は代休で、体力充電。
これから少し出社して、会場掲示のキャプションのデザイン案を見せてもらうなどなど。

それから、
展覧会ウェブサイトは少しずつ更新されています。
週末には、レクチャーシリーズの情報を掲載しましたので、
ぜひのぞいてみてください。


詳細のボタンを押すとプログラムが出ます。

展覧会オープンまであと11日。

今日は都内に、作品の集荷に行って来ました。

大の苦手の早起きのために目覚ましを2つセットして、5時に起床。
電車のなかでは眠ったまま上野着。
移動して、9時から虎ノ門でひとつめの作品集荷。

Chim↑Pomのメンバー2人と画廊の方が立ち会ってくださり、
エリイちゃんをかたどった石膏像が地雷で爆破された作品を解体して、お預かりする。

その足で、ふたつめ、みっつめの集荷。
すべて順調。
ただ、課題も判明=メンテが必要ということでChim↑Pomの設営のための来水を早めてもらえるように連絡。

水戸に戻ったら、ちょうどリフレクション展のウェブをデザイン、制作してくれているSETENVの入江さんが到着して、ボイス展を鑑賞される。

そのあと、作品のコンディションチェック。
採寸をして、キャプション情報を整えて入稿。

作品解説のテキストも順次、確認がとれてきているので、それを整えて英訳に出す。

出品作家の宇川直宏さんと、出品作品について、
宇川さんがもともと2006年にオーストラリアで発表された、
トイレの個室で特殊な映像体験をする<Dr Toilet's Rapt-up Clinic>を再現する予定だったけれど、ここにきてさらに工夫を加えて、2010年風にヴァージョンアップする案についてメールでやりとり。
ヴァージョンアップの方向で決定。

アメリカから字幕制作完了で明日、作品発送のメールあり。

そうこうしているうちに、今回のリフレクション展のグラフィックデザイナーの加藤さんが水戸に到着。
矢口克信くんの小料理喫茶ワシントンで落ち合ってそのあと食事へ。
いろんな話で盛り上がる。

明日は、SETENVのみなさんも、加藤さんもボイス展をゆっくり鑑賞。
そして、加藤さんとはカタログについて打合せ。
「日常/場違い」展でデザイン性の高いカタログをつくったばかりの加藤さん。
私はフツーに過不足ないカタログをイメージしてはいるけれど、
加藤さんから何か案が出て来るかもと楽しみ。

それからレクチャーチラシの色校正があがってきた。
思ったよりきれいでかわいい色に特色の赤がしあがっている。
これもいいけど、想定していたよりパンチは薄い。
明日、加藤さんに見てもらって、戻しの作業。

オープンまで14日! うぉー!


先週の火曜日から、展覧会設営の下準備が始まりました。

今回、なんと4日+αしか展示設営にあてられないスケジュール組みになっているため、
事前にかたづけられることはできるだけかたづけておこうということになっています。

先週から、芸術館展示の先鋭部隊が入って、細かい作業をしてくれています。
プロジェクターを置く棚の制作と色塗りや
ケーブルの作成などなど。
作家や画廊から送られて来た作品や部材の稼働テストなどもしています。

そんななか問題発生!

ローラン・モンタロンの出品作品のひとつが
電球をつかったインスタレーションなのですが、
その電球がどうしてもひとつつかないのです。
私ははなっからこういう方面はお手上げなので、
展示担当の先輩がいろいろ探ってくれていたのですが、
電気の専門であるわけでもなく、原因はわからず。。。
そこで、縁をたどって専門家の方に来ていただき、
どうやら怪しい部品をつきとめた。

フランスから送られて来たので海外の電子部品なのですが、
幸いにもアキバで扱っている店舗が1つあり、
さっそくそこから通販で購入。
(うーん、便利な世の中になったもんだ)

週が明けて今日にはすでに部材も届き、
心配してくれていた電気の専門家の方がまた来てくださり、
部品を新しいのと変えてみる・・・が!
なぜか直らない。。。

そこにいても何の役にもたてない私は先に帰宅。
フランスにメールしようと思っていたところ、
ちょうど今さっき、展示担当の先輩から携帯にメールが入り、
直った!と。

よかった。(ほっ)
そしてこんなに遅くまでおつかれさまです!

今週は、映像作品がつぎつぎと届く予定。
フランスから、アメリカから、国内から。
海外からの映像メディアは、方式がちがったり、いろいろ機材との相性があわなかったりと
すんなり一発でうまくいかない場合も考えられるので、
このあたりで第2波が来るかもしれないと覚悟しています。

オープンまであと18日!


昨日は、ボイス展の関連企画「今日のオルタナティブ」というトークがあり、
とても興味深い話が聞けました。
そのあと、仕事を終えて、途中から飲み会に参加、
けっきょく朝6時ごろ解散という、いつもの朝までコース。

3時間ほど寝て起きて、二日酔いでないことにホッとする。
(そう最近、二日酔いの質がとても悪くなっているのです・・・)
なぜなら、今日は、はじめて人前で展覧会の全貌を語る日。
失敗はできない!からです。

いつも展覧会オープン前に、
当館のボランティアトーカーさん向けに展覧会の勉強会を開きます。
今日がその日。
しかもそこに放送部!の高校生たちも参加するので、
なおさら、明確にわかりやすい言葉で,展覧会を語らなければならないわけです。

結果・・・どうだったのでしょう?
映像の作品を当然全編見る時間はないので、
はしょりながらの説明。
なので、これはもう展覧会が開いてからでないと全貌はつかんでもらえない、
ということがわかった。
フィードバックがないって残念ですね。

でも、そのあと放送部!で集まって、
気になった作家の話や、
まったくわからなかった作品の話を
顧問の五嶋さんや高校生たちとしていくなかで、
みんな勉強会では言葉に出さなかったけれど、
いろいろなことを感じてくれていたことがわかり、
とくに五嶋さんから、リフレクション展は興味深い、という感想をもらえて、
そのあと行ったご飯でも、作品の話でなかなかに盛り上がりました。

展覧会直前にふたたび開く勉強会では、すでに展示された作品を目の前に話します。
そのときのトーカーさんの反応を今から楽しみです。

展覧会オープンまであと27日。

今回、展覧会会期中の3月3日〜4月4日まで、毎年恒例の「高校生ウイーク」が実施されます。

この期間は、高校生のギャラリー入場料が無料になるだけでなく、
ギャラリー内のワークショップ室が、「高校生ウィークカフェ」になって、
一般のご来場者のみなさまも、お茶を飲みながら、図書を閲覧したりなどができる
とっても居心地のよい空間に様変わりします。

その「高校生ウィーク」と展覧会の連動企画で、
高校生対象の映像ワークショップ「放送部!」を企画。

高校生がインタビュアーになったり、カメラマンになったり、
編集者になったりと、番組制作側の視点に立ち、
展覧会のなかから気になる作家や作品を見つけて、
自分なりの視点でアプローチしたり、掘り下げたりしてみよう、という、
アートリテラシーとメディアリテラシーが掛けあわされた企画です。

部活動として、
茨城放送の番組ディレクターに「番組制作のいろは」をレクチャーしてもらったり、
出品作家の藤井さんのレクチャー、
さらに自分たちの作品を発表する会では、
東京ビデオフェスティバルの審査員をつとめる佐藤博昭さんに来ていただきます。

そして、高校生が撮った映像を、本展ウェブサイトでアップしていきます。
それを通じて、展覧会の自己批判的機能をもてないかなと考えたりしています。

さて、今日は、その第一日。
今回、顧問としてかかわってもらう、地元アーティストの五嶋さんと私、
放送部!マネジャーとして担ぎだされた、学芸アシスタントの小泉さん、
教育普及担当のスタッフ2名とカフェスタッフ1名と
参加者のみんなで顔合わせ
私が高校時代に入っていた熱血放送部でつくった社会派番組をみんなで鑑賞
五嶋さんがピックアップした、ミシェル・ゴンドリーの映像などをYouTubeから鑑賞
などなど行いました。

明日、ひきつづき第2日目で、
当館ボランティアトーカーさん向けの展覧会説明会に
みんなも出席して、
展覧会の全貌、各作家/作品の解説を聞き、
気になる作家の目星をつけます。

展覧会オープンまであと28日。



今日の仕事。

○ ローラン・モンタロンの映像作品の字幕を入れたラフデータがあがってきたので、ギャラリースペースで試写。
ローランの作品は、とりわけじっくり見せる環境づくりが必要なので、字幕のフレーズの長さ、テンポに注意する。あとは、字幕フォントの大きさなどを確認し、作家にフィードバック。

○ Chim↑Pomには、今回、広島と無人島プロダクションで発表したことのある「サンキューセレブプロジェクト アイムボカン」を、本展用に再構成し、映像や写真を追加したバージョンを展示してもらうことになっている。

これは、セレブに憧れたメンバーのエリィちゃんが、セレブらしい行為として地雷撤去を行うため、みんなでカンボジアにいき滞在してつくった作品。
映像数点と、地雷で爆破したエリィちゃん愛用品の数々、写真数点などから成る、映像とオブジェの複合インスタレーション。

本展のために新たに編集中の映像についてChim↑Pomとやりとりする。

○ 作品集荷の手配

○ 会場用キャプション作成に着手

などなど。

オープンまであとちょうど一ヶ月!

なのにけっこう早く帰宅できる状況に猜疑心がつのる。。。嵐の前の静けさか。。。


本日、仕事始め。

昨晩は、実家の大阪から水戸へ帰って来る途中、東京で下車して、出品作家の藤井さんと作品プランについて打合せ。

そう、展覧会オープンまで1ヶ月というこの時点で、まだ作品プランについて打ち合わせ? 大丈夫か?と疑問がよぎってもおかしくありませんが、
今回、新作を制作していただくにあたって、作家の着目しているある状況のまさに「いま」を反映するために(といろいろ事情があって)こういうことになっていますが、これでも順調です。
昨晩は、作品プランだけにおさまらず、広く深く濃い話ががっつりできました。
あとは、どういう作品を仕上げて来るか待つのみです。

一夜明けて、今日。
休み中、気になっていた懸案について連絡を数件とる。
○ 今回、長尺の映像が2本含まれていますが、それらをタイムテーブル化させて定時にスタートさせる形の展示にするための措置をとる。

○ 展覧会ウェブサイトのトップページをスライドショー化してもらう。

○ 特別協力いただく指向性スピーカーの発送などについてのやりとり。

○ 2dayレクチャーのチラシの制作進行スケジュールの確認。

などなど。

みなさま、あけましておめでとうございます。

ブログ担当、残すところあと1ヶ月ちょっととなりました。
ひきつづき、リフレクション展オープンに向けてアップしていきます。

お正月を実家で過ごしてテレビばっかり見てだらだらしつつ、
3日は家族がお出かけするのを予定に組み込み、
年末から残っていたライアン・トゥリカーティンの映像作品の日本語字幕の校正作業。

今回、出品する映像は50分という長尺。
ライアンはたいていいつも長尺で、ノンリニアなナラティブ(複数の流れが同時並行する物語)をもつ映像をつくっています。
アメリカのアート誌で大特集が組まれるほど注目されている、新進気鋭の若手作家です。

かなり独特な英語表現をつかうので、
日本で見せるにあたっては日本語字幕に細心の注意と工夫が必要となります。

ライアン語とも言えるかもしれない、奇妙な口調で話すキャストの聞き慣れない英語をなんども聞き返しつつ、字幕原稿を確認し、聞き慣れない俗語や固有名詞を列挙して不明点を整理したり、オリジナルと訳がちがって思える部分をまとめたりなど、フィードバクをまとめる。。。

年末の深夜に放送していた「24」の録画を見ながらの、校正作業で何時間もかかった。
「24」の展開の早さが、ライアン作品の展開の早さに輪をかけて、
ますます頭がいっぱいに。。。

オープンまであと34日。

 

2009年最後の仕事は、大みそかの日に、実家のある大阪でのミーティング。

4月の2dayレクチャーのレクチャラー兼パネリストのNDS(中崎町ドキュメンタリースペース)の佐藤零郎さんとの顔合わせ+軽い打合わせ。

佐藤さんは、20代若手のドキュメンタリー映像作家。

大阪・長居公園での公園生活者強制撤去にまつわるドキュメンタリー《長居青春酔夢歌》が、2009年の山形国際ドキュメンタリー映画祭で入選した方です。

4月の2dayレクチャー「映像とアート―公共性をめぐって」では、

佐藤さんともうお一方、張領太さんのペアで、1日目の1コマをお任せして、

「カメラというツール―アクティビズムの現場から」という題で、ご自身の作品を見せながら、ドキュメンタリストとしての立ち位置などの持論を話していただきます。

同日の次のコマにはドキュメンタリー映画監督の森達也さんが登壇予定で、

この日は映像といっても、展覧会内で展示としては直接扱わない、ドキュメンタリー映画やテレビも範疇に入れて、映像の公共性について考える1日となればと思っています。 

同日1コマ目は、宇川直宏さんに「YouTubeから見えるいろいろな世界」という題で、話をしていただきます。

 

2日目は、映像というメディアそのものに重点を置かず、

アートという視点から映像を使う作家として、

出品作家の2名、藤井光さんと、

イギリスからターナー賞受賞作家のジェレミー・デラー氏に初来日をしてもらい、

それぞれ「アクションはアートか、アートは"アート"か」、

そして「自作を中心に―路上と協働という視点から」という題でお話をしてもらうことになっています。

さらに、映像とはまったく関係ありませんが、建築探検家の坂口恭平さんもレクチャラー/パネリストとして登場、「日常における創造的実践―0円ハウス0円生活から」という題でお話をしていただきます。

と盛りだくさんで濃い週末2日間になる予定です。

4月10日・11日。

 

その佐藤レオさんとお会いしたわけですが、

被写体や現場の矛盾を含めてすべて見せるという姿勢や、

被写体に一番近くて一番遠い存在など

ドキュメンタリストの立ち位置をお聞きした上で、

どういう話をしてもらうか、ざっくり話をした打合せでした。

 

そして、なんだかびっくりするくらい、空気がきれいで満月が光っている大阪の夜でした。



本日、水戸芸術館は御用納めでした。

明日から1月4日まで休館になります。

18時30分から、収蔵庫の燻蒸作業のため、職員も否応無しに退室。

この潔さが、いつもずるずると残業してしまいがちな私たちを追い出してくれて、気持ちいい。

そして年末年始に、ちゃんと休みがあるのはとてもありがたい。


さて年末最終日の仕事。

国内外の出品作家にまとめて重要書類の送付。

ウェブサイトのブラッシュアップ。

大友さんアンサンブルズ・パレードの記録映像にいれるクレジット作成。

アンサンブルズ・パレードについてのテキスト原稿とりまとめ。

そして、数日後のアンサンブルズ忘年会に向けて、何を料理するか思案。。。

リフレクション展ウェブサイトがアップしました!


本日売りの雑誌にURLが掲載されることになっていたので、
超特急でつくってもらいました。

これからバージョンアップを重ねていきます。
まずトップページの画像をスライドショー形式にするのと。
関連企画の情報、とくに、2dayレクチャーのプログラムや講師プロフィールを追加します。

ウェブサイトが公開されたのを見届けて東京に。

秋葉原で展示で使用する電子部材を購入。
こういうアキバ・ショッピングは初体験。
ほんと、学芸員はいろんなことをするのです。

その後、神楽坂の画廊、
東京オペラシティアートギャラリーのヴェルナー・パントン展、
マジカルの鈴木光くんの映像作品を見る。

帰って来て、
大友さんのアンサンブルズ・パレードについてのテキスト仕上げて入稿。

リフレクション展出品映像作品Ryan Trecartin 'Sibling Topics (section a)'の
日本語字幕の初校があがってくる。
もともとライアンの作品は、
トラウマをもつキャラが出て来て
独特のアクセントで早口でまくしたてて、
錯綜する会話が展開される。
日本語字幕は英語よりニュアンスがマイルド。
日本語ならではの結果。
でもそうでもならないと、放送禁止用語も多用されているから、
これくらいが妥当なのだろう。
聞き慣れない固有名詞もいくつか確認できた。
これは、アメリカでは通用する何かの名前なのか、
それともライアンの造語なのか。
要確認。

オープンまであと43日。

雲行きが非常にあやしくなってきた、日本の芸術文化政策に
待った!をかけるおそらく最後のチャンスが、23日にあります。

事業仕分けに対して現場の声を発することにとどまらず、
では、なぜ芸術文化は社会に必要かという、
アートに携わる人でもともすると口ごもりがちな問いについて
議論される場になりそうです。

こういった議論がまったくされてこなかったわけではありませんが
それが広く共有されてこなかったことは事実でしょう。

今回の議論は、当日その場にいけない人でも、参加できる対策が講じられています。
その点で、これまでにはなかった公共性が期待されます。

以下、アートNPOリンクからの情報を転載。

★━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━★
アートNPO緊急フォーラム
現場から、これからの日本の芸術文化政策を考える緊急フォーラム
『日本に芸術文化は必要だ! そのために我々は何をすべきなのか』
2009年12月23日(水・祝)17:30〜21:30 BankART Studio NYK
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
先般の行政刷新会議による事業仕分けでは、文部科学省や文化庁の政策や助成金
が大幅な削減の対象となりました。
その背景には、これまでの文化政策の成果に対する検証不足、あるいは、事業仕
分けという手法そのものにも課題があるかもしれません。
しかし、事業仕分けの結果は「日本には、芸術文化が社会的に必要な存在だ」と
いうコンセンサスがいまだに形成されていない、ということを如実に物語ってい
るのではないでしょうか。

芸術文化の役割は大きく変化しています。私どもアートNPOの全国ネットワーク
であるアートNPOリンクは、芸術文化の役割が、現代社会の中でますます重要に
なっていると感じています。その現代において、諸外国と比較しても脆弱な日本
の文化政策の後退や予算縮減には賛同できません。
しかし、その声をあげることと同時に、またそれ以上に、芸術文化がなぜ私たち
の現代社会に必要なのか、多様な芸術文化の活動の存在がいかに国益につながる
のか、これからの文化政策には何が求められるのかを議論すべきではないでしょ
うか。そしてその議論を、市民やNPOの立場から、アーティスト、制作者、公共
ホール、文化財団、企業メセナ担当者、研究者などあらゆる現場に関わっている
人たちと共有することが求められていると思われます。

そこで、来る12月23日、横浜にて緊急公開フォーラムを開催します。
今回の目的は、可能な限り多くの現場からの考えや意見を出していただき、まず
それを共有することです。そして、今後われわれは何をしなければいけないのか、
何をするべきなのか、また、どのような言葉で説明すれば、広く多くの方に芸術
文化の重要性を理解してもらえるのかを議論し、次につながる具体的な提案を出
し合いたいと考えています。今回だけで結論が出るほど簡単なことではないと思
います。そして、もっと自分たちでできることがあるのではないのか、という思
いで、今回をきっかけに継続的に開催していきたいと考えています。
最終的には、現場からの提案としてまとめ、政府をはじめ、必要な機関に働きか
けていきたいと考えています。

日本の芸術文化の「これから」を創っていくために、多くの方々のご参加、ご意
見をお待ちしています。
────────────────────────────────────
■テーマ
1)事業仕分けの結果を聞いてどう思ったのか
2)芸術文化は、なぜ現代の日本にとって必要なのか
3)われわれに足りないこと
4)現在の日本の文化政策の課題・問題点
5)現場からの具体的な提案・提言

【当日、およびあらかじめ、上記テーマへの皆様の意見を募集しています。】
○12月23日、会場に来て発言してください。
できる限り多くの方にご発言していただきたいと思いますので、要点をま
とめて発言していただけますよう、ご協力のほどよろしくお願いします。

○当日会場にお越しいただけない方は、あらかじめご意見をお寄せください
方法:全ての意見、ご発言に関して、氏名・ご所属(基本的に匿名ではな
く何をされている方か)を明記のうえご意見をお寄せください。
メールにてご意見を募集しています。
当日可能な限り、紹介させていただきたいと考えています。
要点のみ(1つのテーマにつき200字程度)にてお願いします。
なお、公開を前提にお送りください。
ご意見は、上記テーマに沿って番号を記載してお送りください。
送り先 forum09@arts-npo.org

○当日会場にお越しいただけない方で、インターネット中継を視聴の方
当日遠方や都合で来場できない方は、インターネット(ustream)で同時
中継しますので、twitterにてご参加いただけます。
インターネットURL http://www.ustream.tv/channel/remotokyo
twitterやアクセス方法など詳細は後日ウェブにてご案内します。
※ネット回線の都合により動作不良がある場合がります。ご了承ください。
────────────────────────────────────
日  時:2009年12月23日(水・祝) 17:30〜21:30(30分前に受付開始)
会  場:BankART Studio NYK(横浜市中区海岸通3-9)
アクセス:横浜みなとみらい線「馬車道駅」6出口[万国橋口] 徒歩4分
http://www.bankart1929.com/
※会場へは公共交通機関をご利用ください。
参加費 :無料
定  員:150名(メールで下記宛に事前にお申し込みください)
予約方法:事前準備の都合がありますので、できる限りお申し込みください。
メールにてご予約を受け付けております。
1)お名前 2)ご所属 を記入のうえ下記までお送りください。
E-mail forum09@arts-npo.org
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今日の仕事。

午前、ポスター/チラシの再校があがってくる。
内部で確認。

昼過ぎまで少し事務作業。
展示につかうフレームの見積もりをとったり。

そして東京へ。

出品作家の藤井さんと展示プランについて打合せ。
今回のために新作を制作中。
アクティビストなプランだけに、
社会運動を取り巻く世間の事情と作品は切っても切り離せない。
この3週間ほどの間にも予期せぬ事件や出来事がいくつか起こり、
展示の最終形はそれをふまえた上でおとしこんでいくことになる。

そのあと
CAMPが企画したトーク「現在のアート<2009>」
「2009年のそれぞれの活動や関心を振り返りながら、現在のアートについて考えます」
というトークに出演。
終電に乗るために、渋々途中退出。

夜。
館に一瞬戻ると、英文プレスリリースが完成していた。

そして、
ポスター/チラシの再校戻しを、加藤さんと確認。
今回のキーカラーである赤色にさらに調整が必要。
明日の夕方から印刷。

オープンまであと52日。

さて、水戸ではまだまだイベントがつづきます。

今週末は、矢口くんが独自に企画・主催した
「トマトの寺子屋 eccentric art & life」がありました。

イギリスから、批評家/文筆家として活動するSally O'Reillyさんを迎えて、
矢口くんのクリテリオムに沿った「授業」をするというもの。

私は、2日目の「サントピア通りdeワシントマト祭り」の様子をのぞき、
今日は3日目の「トマトーク&ディスカッション」に途中から参加してきました。

20名弱の20代・30代を中心とした、60代までの男女が出席。
メンツは主に「ワシントン」界隈によく出入りしている人びと、
そのなかにアート関係者(研究者、学芸員、アーティスト、芸術館のボランティアトーカーさん)がちらほら混じっているという感じ。

私が着く前は、前日に見た映像の感想や、大衆浪漫歌劇の感想などを話していたそう。
そのあと、サリーがつくったカレーをごちそうになる。
(ティラバーニャのことを連想させる。。。)
そして、サリーが用意したらしき質問に答えるというセッションへ・・・。

その質問とは、なんと
今生きている社会の中で変えられるものがあるとしたら、あなたは何を変えたいですか?」

その問いに対し、参加者ひとりひとりが考えを述べて、みんなで話をする。

密な3日をともにしてきた参加者たちだけあって、それぞれの考えがきちんと発表された。

年齢や専門のちがいを超えた場で、
自分の意見を忌憚なく言い合うという環境が創り出されていたというだけで、
けっこうすごいことだと思う。

というか、あまりにも、そういう環境が日本には少な過ぎる、
ということ自体が問題なように思いますが・・・。

そのなかで気になったのが、
サリーが紹介した"Personal is Political."という用語。

もともとは
女性が抱える問題は社会のシステムの問題、という意味で、
フェミニズムの文脈で使われてきた用語ですが、

それを勝手に拡大解釈して聞いて、琴線に触れた。

今日は主に館内業務。

ーチケット/招待状などの文字原稿入稿。

ー会議

ーポスター/チラシの初校がさっそくでた。(はやっ!)
その修正の反映をデザイナーの加藤さんにおねがいする。
*調整後のを後日アップします。

ー4月のレクチャーシリーズ用チラシに載せる情報の確認と整理。

ー作品輸送などもろもろ見積もりをとる。

ー出品作品の英語字幕の原稿を整理して、編集者の方におくってもらう。

ー展覧会関連企画 高校生対象「放送部!」のプログラムの整理をしてもらう。 

ープレスリリースの英訳があがってきたので、その確認作業。

ー契約書などもろもろ書類作成。

ー来年度以降事業で目当ての作家にメール。

以上!

オープンまであと59日。

ポスターとチラシの入稿がなんとか完了!
けっきょく出品作家のみなさんに承諾いただき、A案でいけることになりました。

ここにアップしてみなさんにお見せしたいけど
ファイルのアップロードの仕方がいまいちわからな〜い。
(編集者さん、おしえてくださーい)

これでスケジュール通り
年明け早々の発送に向けて
年内に納品、封入作業ができる予定。


また、リフレクション展では、展覧会専用のウェブサイトを制作します。

展覧会や出品作家の紹介はもちろんのこと
さらに関連企画のワークショップで高校生がつくる動画などもアップ予定。
複数の視点から展覧会を紹介しつつ
かつ関連企画に参加する高校生の、ワークショップを通しての変化が
なんらかの形で見て取れるようなメディアとしてウェブサイトを考えています。

広報印刷物のデザインをしてくださっている加藤さんが
ポスターやチラシからの連動性をふまえて
ウェブサイトのアートディレクションをしてくださいます。
さらにウェブの構造やデザイン制作は入江さんにしていただくことになりました。

今日は、加藤さん、入江さんと3者で打合せ。
年内のアップに向けて急発進! (←関係者のみなさま、いつも急がちでスミマセン)


さらに、オーストラリアのブリスベンから
アジアパシフィックトリエンナーレでの展示設営とオープニングを終えて日本入りした
さわひらきさんと、展示プランの打合せ。

「リフレクション」展では、オーストラリアで発表したばかりの新作を日本で初公開。

ブリスベンのスペースとは広さも形も天井高も異なるので、
水戸のスペースにどう落とし込むかが肝。
今日はおもにその打合せ。

オープンまであと60日。

本日行われました、矢口克信による大衆浪漫歌劇「声低く語り、声惹くく歌たれ」。

開催中のクリテリオムの展示の評価が
この関連企画によって大きく左右されるだろう、
と考えていました。

演劇の通常の評価軸からは逸脱しているだろうけど、
日本(←ここ限定話法です)において、市民にとってのアートってなにか?
地方都市(←ここも限定)にある公立(←ここも)美術館が市民にとってもちうる意義・役割などなど・・・
について改めて考えさせる装置になったかなとおもいます。

それほど広報もしていないのに、予想以上のお客さんが訪れ、
しかもこれまでのギャラリー来場者の層とはズレていて
さらに出演者へ贈る花束を持って来る人が何人もいて
人が人をよんだ結果としての入場者数でした。

それこそ実は
矢口くんがクリテリオム「トマトラベル」で言いたかったことのひとつ:
人と人の関係性=「人間人」と書く「トマト」の部分が現れたかのよう。

今年、水戸芸術館では、
1.ナデガタ・インスタント・パーティによる市民がキャストや裏方として関わっていっしょにつくった映画
「学芸員Aの最後の仕事」

2.大友良英さんがディレクションした、地元住民が主な参加者となった
「アンサンブルズ・パレード」
*現在映像編集中。後日アップします。


3.この矢口克信くんの「大衆浪漫歌劇」

と、たてつづけに、
これまでの「街中アートプロジェクト」とは異なる形で、
美術館が地域に開いた事例がうまれました。

どれもこれも
映画、音楽、芝居、
と「美術」としてのフォルムをまとっていないことが何かを物語っている・・・。

そういえば、今秋の「F/T フェスティバル・トーキョー」でも
「リアル」を求めて、演劇が劇場から出て繰り広げられた例がいくつかありました。

美術館から出る
劇場から出る

そこには
美術と市民の断絶
美術と社会の乖離
に対する応答としての「リアルなアート」
つまり広く多くの人に「実体感のあるアート」が
内在しています。

矢口くんが、おもしろおかしい大衆浪漫歌劇のなかで
唯一「低い声」で真剣な表情をして投げかけた、
「こんな日本にしたのは誰でやんすか?」という問いは、
もちろんその「誰か」を突き詰めることが問題ではなく
現状を「改革するための実践」をあの場にいた人びとに呼びかけていたのです。

その呼びかけは、
ちょうどいま水戸芸術館で開催中のボイス展と共鳴し
私の耳に響きました。

クリテリオム77矢口克信展「トマトラベル」は、
関連企画として、なんとぜいたくにも
水戸芸術館の劇場をつかった「劇」をやります。

といっても、もちろん矢口くんは役者でもなければ劇作家でもないし演出家でもない。
いや、ある意味、その全てでもあるといえる・・・。

これまでロンドンでなんどもライブパフォーマンスはやってきた。
日本でも、今年の夏のアサヒアートスクエアに(別名で)出演したとき
浅草のストリートミュージシャンのおじいちゃんたちに当日の朝に声をかけ
その場でいきなり登場してもらうという無茶な即興劇にしたてた結果
とてもよかったらしい(本人+観客1名談)。

今回もその路線で、最初、ぜんぶ即興でやります、などというものだから、
いやいや演劇をあまく見るなよ、と
たいして演劇のことを知らない私でも、
いや、矢口くんのことを知っているだけに、
1時間という尺を、演劇素人が即興でもたせれるなら天地がひっくり返るわ!
と、叱咤(激励)したわけです。

そうして矢口くんは何度も案を練り直し、できあがろうとしています。
素人100%の大衆浪漫歌劇「声低く語り、声惹くく歌たれ」
今週の日曜日12月6日 14時開演(開場は30分前)
全席自由 700円です。
このブログには、リフレクション展へ向けての流れを書く、という話がそもそもあった。

まえから忙しいと思ってたけど、
12月に入ってからは、日にちが変わる時間まで残業する日が連発。
こうなると、落ち着いて文章を書く時間を待っていたらなにも書けない!
なので、進捗を伝えることを重視して、
短くてもいいから、状況をあげていくことを日課(それはウソだろ?)にしようかな。

まず、ただいまポスター/チラシのデザイン制作まっただなか。
デザイナーの加藤さんから、ちょっと大胆な案が土曜日にあがってきた。
インパクトがあって気にいっているけど、
こんなふうに作家の図版をつかって大丈夫か?っていう攻め方。
なので、いま各作家におうかがいをたてています。

だめになった場合のためのプランBも同時進行中。
こっちは王道なデザインですが、これもなかなかいい。

今週末が大詰め。
お見せできる日がたのしみです!

そして、今日の最大のニュースはなんといっても
ジェレミー・デラーの来日が確定したこと!
ずっと確認待ちだったのですが、
本人はすっかり来る気まんまんだったようで、
日本国内を旅するつもりでいるよう。

デラーはターナー賞を受賞したイギリス人アーティスト。
森美術館でのターナー賞の展覧会でも出品していましたが、
来日はこれが初めて。

展覧会オープニングではなく、
4月に開催する関連のレクチャーシリーズにあわせて来日します。
詳細は、チラシができ次第アップしますね。

オープンまであと64日。
先週、水戸のある高校へ映像ワークショップに出かけて来ました。
講師は、2月から始まるリフレクション展の出品作家のひとり、藤井光さん。

生徒を2人(もしくは3人)1組にペアリングして、
それぞれ監督と役者を交互に体験してもらうというもの。
脚本は、なんと統一テーマで「告白」。

思い思いの告白のシーンを監督が演出して、役者が演じます。

当然、思春期で「告白」なんてこっぱずかしくて
誰もやりたくない!のですが、
それを承知のうえでの企画でした。

ハードルが高いだろうとドン引きを覚悟していましたが、
思いの外、高校生たちはカメラをいじっていくと、
だんだんカメラそのものに夢中になっていき、
結果的にみんな撮影と演技を楽しんでくれたようです。

最後、つくったものをみんなの前で披露するのですが、
それが恥ずかしいのなんの・・・。

というのも、高校生だけでなく、
先生も美術館スタッフも、まんまとだまされて、
おっと言葉が過ぎました、組み込まれて、
「告白」を演じさせられたからです。

このワークショップの成果物は、
リフレクション展の1コーナーでなんらかの形で発表する予定です。
もちろんスタッフのは抜きですが。
今日は、
いまニュースでも大きく取りあげられている、
行政刷新会議事業仕分け対象事業について、
わたしたち一般市民の意見が求められていることのご案内です。

さまざまな事業のなかに、芸術文化に関わる事業も含まれています。
日本のこれからの芸術文化のありように少なからず関わることが、
今まさにわたしたちが選んだ政府によって決められようとしていますね。

去る日曜日、大友良英さんにディレクションしていただいた
ENSEMBLES paradeがものすごくハッピーで、かつゾクゾクする感覚を残して
無事、終了しました。

終了といっても、これはプロローグにすぎず、ここから本章が始まります。

ちんどん屋さん、
ジャグ・バンド、
人形を連れたおもしろバンド、
アイリッシュバンド、
リコーダー隊、
初々しくてかわいらしすぎる朝鮮学校舞踊部女子の小学生から高校生までのサムルノリ、
アゲアゲのサンバチーム、
一糸乱れぬ統率のとれたアンサンブルに誰もが圧倒される大洗高校のブラスバドと、
それぞれまったく異なるスタイルのバンド11チームが、
水戸の中心市街地をそれぞれの曲を演奏して1時間ほど練り歩いたあと、
最終地点の水戸芸術館広場になだれ込んで、
チームがぐじゃぐじゃに入り乱れ、
同時に音も入り乱れたうえで奏でた
超不協和音のアンサンブルは本当に最高に気持ちよかった。
まわりのおばちゃんも思わず踊りだしていた。

夜には、
前日のワークショップで集まった演奏経験がバラバラの30数名が、
息の張りつめるような静寂のなか奏でたミニマルなアンサンブルも
とても心地よかった。

そのあとの大友さんのソロにはまた泣かされてしまった。

大友さんが提唱する「アンサンブルズ」という恊働のあり方は、
アーティストだけでなく、主催者も企画者もスタッフも技術者もボランティアも、
今までもしそこに見えない境界やヒエラルキーがあったならそれを飛び越えて
いっしょにアクションをすることからプロジェクトをつくりあげようとするもの。

このスタンスにこそ、私はいま現代美術のアートプロジェクトのあり方として、
大きな可能性を見ています。

それを探って、「本章」をつくっていこうと思っています。

*ENSEMBLES paradeの写真は、自分ではそれどころでなく撮れなかったので、
後日入手し次第アップします。
こんばんは。

大友良英さんのENSEMBLESシリーズの動きは、
昨年のYCAMでの衝撃的な展覧会以来、今年もいくつかの街でつづいていますが、
水戸でもその一連のプロジェクトを、
水戸らしくまちの人びとといっしょになって、今週の日曜日に開催します!

題して、ENSEMBLES parade/アンサンブルズ・パレード

駅北口の芸術館に向かう目抜き通りを中心に、
地域住民を主にした11チームがパレード。
全国優勝クラスの高校ブラスバンド部や、
サンバチームの打楽器隊、
女子オンリー編成のサムルノリ、
ちんどん屋さんや、
風変わりなリコーダー隊、
人形と歩く二人組などなど、
かなりおもしろいチームが、プロアマ混合で、参加します。

(注:パレードといっても車道使用許可がおりなかったので歩道を歩きます。)

各チームが自分たちの曲を演奏しながら
最終地点の水戸芸術館広場に向かって歩き、
広場では、大友さんがこの日のために書き下ろした曲を全チームで合奏して
特殊なアンサンブルを奏でるという内容です。

一回目の試みなので、かなり手探り感が強く、
今日も朝11時から夜9時までそのスタッフ打ち合わせでした。
これを機に、水戸の恒例事業にできたらなぁ、なんて妄想を抱いたりしています。

夜には、ライブ。
実は、前日に一般参加者を対象としたワークショップを開催し、
そこに楽器だったり、楽器に見立てた音の鳴るものを各自もちよって、
これまた特殊なアンサンブルを、大友さんといっしょに奏でることになっています。
ライブは、そのお披露目と大友さんの水戸初のソロライブの組み合わせです。

日時:11月8日 18時〜20時
会場:PARK IS 4階
チケット前売り1500円、当日2000円(ともに1D付き)
チケット取扱:水戸芸術館エントランスホール・チケットカウンター
       水戸芸術館チケット予約センター Tel.029-231-8000
詳細は、下記URLをご参照ください。

これは、MeToo推進室といって、アートと街をつなぐことを目指して結成された市民団体と、水戸商工会議所との共同主催の街中プロジェクトです。

これまでも水戸芸術館と関わりの深い2団体でしたが、
この企画を機に、いわゆる「委託」などではなくて、
本当の意味で「恊働する」というあり方が実現されています。
そういう意味でも、今年度限りにせずつづけていきたいものです。

今週末の予定がまだ決まってないお近くの方、ぜひぜひお越しください。
みなさん、おひさしぶりです!

artscapeのブログ担当、再度仰せつかり、ありがとうございま〜す。
水戸芸術館現代美術センター学芸員の竹久です。
どうぞよろしくおねがいします。

まずは先週末にオープンした展覧会のお知らせから。
10月31日、「Beuys in Japan:ボイスがいた8日間」展が水戸芸術館でオープンすると同時に、若手作家とキュレーターがともに展覧会をつくる当館企画「クリテリオム」の77回目として矢口克信さんの「トマトラベル」がスタートしました。


矢口さんは、去年の秋の水戸の街中でのアートプロジェクト「カフェ・イン・水戸2008」に出品したのを機に、水戸に移り住み、<小料理喫茶ワシントン>を不定ですが営業しているアーティストです。

そのほかにも、そのお店の界隈で、フリーマーケットを企画・運営したりと、ホワイトキューブ外での活動を活発におこなっています。

そんな矢口さんに、あえてホワイトキューブで何をするのか?という問いを投げかけました。

その答えがご覧になれます。

最近、水戸は元気です。
近場の「遊戯室」では、白川昌生さんの個展が同日にオープンしました。
もちろん、ボイス展を意識した企画。

ぜひ、ボイス展、矢口展、白川展、<ワシントン>とあわせてご覧になってほしい!
一押しです!

ブロガー

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