2009年7月アーカイブ

しばらく時間が空いてしまいました。

実はこの期間、以前ここでも書いた「Re-Fort プロジェクト vol.5」のイベントが行われていて、そのことについて書こうと思っていたのですが、なかなか筆が進まず。こんな時間になってしまいました。書こうと思うことがなかなかまとまらなかったというのが正直なところです。




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The Wire8月号のカバーストーリーはマッドリブだ!3.9ポンド。
サンプリングを多用し、とてもざっくりした音楽をつくる人で、いつも聞いてすぐに彼の作品とわかるほど、才能ある唯一無比のミュージシャンだと思う。

マッドリブはこの記事の中で、サンプリングの権利について話している。彼も、サンプリング絡みでいくつもの訴訟を抱えてきたヒップホップのプロデューサのひとりだ。

「彼ら(マッドリブが、無断でサンプリングしている音楽をつくったミュージシャンたちのこと)はおそらく、もう一文無しなんだよ。そういう状況になった ら、うーん、こいつから何かせびってやろうと思うのかもしれない。それにしても、ちょっと要求が過ぎる。オレをJay-Zかなんかだと思ってるんだよね」

マッドリブ自身は、仮に自分の音楽が、将来誰かにサンプリングされようと、訴えることはないだろう、と話す。それより、自分の音楽を使って誰かがいい音楽をつくってくれることを心から楽しみにしている、そういう風に彼は話す。


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なぜサンプリングにロイヤルティを払わないといけないのか?は、もっと考えた方がいいかもしれない。サンプリングだけに関わらず、著作権とか、あんなに強力に作家を保護する必要があるのかな?
マイケル・ジャクソンやビートルズなんて、もう十分に創作への対価は得ているはずだし、逆に発売当時に全く売れなかったアーティストは、売れなかったんだとあきらめるべきだと思う。年金じゃないんだからさ。

マッドリブが青年時代に多大な影響を受け、無断でサンプリングをしまくっていた作品の作家から、彼はとうとう訴えられるという話へと記事は進んでいく。そして、この2人の関係が迎える結末はいったい?

神聖な音楽を金に換算するな!という苛立ちよりも、どうしてひとりの作家がそれほど保護される権利があるのか?という疑問。きっと、そういう法律は間違っているんだと思う。

So Many Magazines, So Little Time 6


ラッパー、Mos Defとの1曲。レジェンド!





アメリカでは、大都市間の移動手段に車を使う。90%が車、7%が飛行機、2%がバス、そして鉄道利用は残りの1%だという。アメリカで電車に乗った時に感じる、あの誰からも相手にされてないような、時間が止まったような感覚は、数字でも証明されているのだ。




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「鉄道進化論」と題された週刊東洋経済の特集は、オバマが4月に発表した高速鉄道計画についての話から始まる。アメリカ国内には、成功しうる遠距離路線が少なくとも10はある、とオバマは言い、その膨大な計画に日本の企業連合(住友商事、川崎重工、日本車輌、日立製作所、三菱重工、三菱商事)が挑戦しているという話。続いて、これまた膨大なブラジルの高速鉄道の計画へと話は進んで行く(ブラジル、もっと頑張って!)。
もう「鈴木京香、新幹線で移動中。」とは比べ物にならない。

どうして、あんなにもBrutusに落胆していたのか? その答えは、たぶん、先々週ぐらいに買った、この週刊東洋経済と比較してしまっていたからだと思う。720円(は、Brutusより70円高い)。

他にも、東京メトロが上場したら株価はいくら?というシュミレーションも勉強になったし、軽くではあるけど、リニアの記事もある。世界の地下鉄事情もあるし、「駅力」ランキングという、妄想記事に懸命に力を注いでいるのも心を動かされた理由のひとつ。

日本!、日本!と言い過ぎるのには、ちょっと辟易したけれど、確かに日本の鉄道は素晴らしいもんね!

So Many Magazines, So Little Time 5



こんにちは、オードリーです。



Röda Sten

Contact Röda Sten
Röda Sten, Röda Sten 1, S-414 51 Göteborg, Sweden
Phone +46 (0) 31 - 12 08 16.
E-mail info@rodasten.com
Website: www.rodasten.com

 Röda Sten  used to be a refinery located in the area of Klippan in Gothenburg.
 The venue has been welcoming very different forms of art and performances, with a big part on street art and graffiti artists exhibitions, the venue itself has been in part covered in graffiti.

かつて製油所だったRöda Stenは、ヨーテボリのKlippanというところにあります。ストリートアートやグラフィティアーティストの展覧会に力を入れ、さまざまな形のアートやパフォーマンスを取り上げています。


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They even have  some workshops for the kids who have been in trouble with the police for doing some graffitis on the walls of the street (may be Japan should send Nara there? no just kidding). They have been also welcoming wedding ceremonies, priests graduation ceremonies (not kidding!)

会場自体も、一部がグラフィティで覆われているほど。
街の壁にグラフィティを描いて警察沙汰になった子供のためのワークショップというものもあります。結婚式も、司祭の卒業式も行ったりするそうです(冗談抜きで)。



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This enormous  monument in red bricks, just in front of the sea, is an example of open minded art space, so is their current exhibition about Allemansrätten (All-mans-right) is translated in English to Legal Right of Access to Private Land and implies, according to the Swedish National Encyclopaedia, the right for all to spend time in nature and to in woods and fields pick wild flowers, berries and mushrooms.

赤いレンガの中の、この巨大なモニュメントは、海のまん前にあって、ここがオープンマインドなアートスペースであることの一例を示すものでしょう。現在開催されているのは、「Allemansrätten」という展覧会です。Allemansrättenとは、私有地へアクセスできる法的権利、スウェーデンの百科事典によれば、誰もが自然の中や、森、草原の中で過ごし、野生の花やベリーやキノコなどを摘むことが権利のことです。


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An art exhibition that raises questions about rights of importance today, by way of the Swedish law Allemansrätten. How this concept helps to understand the individual´s relationship to the collective?
Following this rule you are allowed to enter in all areas of  Röda Sten,  and the view from the roof is pretty awesome.

このスウェーデンの法律「Allemansrätten」を使い、今日の権利の重要性を提起する展覧会になってます。共同体に対する個人の関わりを理解する上で、このコンセプトは、どれほど力になるだろうか? 実際、このルールに則って、会場の全てのエリアにアクセスすることができるようになってます。屋上からの眺めは、ちょっとスゴいことになってますよ。


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The exhibition includes works by Ibon Aranberri, Gregg Bordowitz, Ann
Bötcher, Kajsa Dahlberg, Hamish Fulton, Elisabeth Hasselberg-Olsson,
Runo Lagomarsino, Kein Mensch Ist Illegal, Lasse Lau and the YES!
association.
Curators
Henrik Andersson and Kajsa Dahlberg






ブルータスの最新号、「ニッポン鉄道の旅」を買ってみた。



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無類の電車好きだった、冴えない小学生のころの気持ちがよみがえってきて、わくわくしながらページをめくった。

が、どうだろう?この特集。650円。


僕は、鉄道の旅好きというより、電車好きなので、期待する方が間違えてるのかもしれないけれど、では鉄道の旅が好きな人なら、これ読んで面白いのかな?

「鈴木京香、新幹線で移動中」という、新幹線車内での女優さんのポートレート4ページ、必要だろうか?
それから駅弁、あんなにページ割かなくてもいいよ。

特集全ページに渡り、ページの隅っこに掲載されるトリビアは、良かったと思うんだけど、(「サッカーのアルゼンチン代表が来日する際の条件に『新幹線に乗ること』があった」とか、「京都の鞍馬山鋼索鉄道は日本で唯一宗教法人が運営する鉄道で、運賃設定がなくお布施で乗車する」とか、「近鉄には、伊勢志摩で獲れた魚介類を、行商人が大阪へ売りにいくための専用列車があり、駅や車両の行き先表示板には『鮮魚』と表示される」とか。これを本文に持って来ても良かったんじゃないか?)、もっと今話題のリニア新幹線とか、海外の電車事情とか、そういうのもブルータスなりに取り上げて欲しかった。

それじゃあ、「ニッポン鉄道の旅」というテーマと全然関係なくなるかもしれないけど、別にいいでしょ。その方が面白いんだから。もう、今日は愚痴。

ふー、残念だ。

So Many Magazines So Little Time 4

私は普段、子ども向けのワークショップに立ち会う機会が多いのですが、「子供向け」という言葉を使うときには注意が必要です。
大人になってしまうと、子供ってどんなんだったか、実は結構忘れてしまいがちだし、そもそも子供の頃のことを覚えていないこと自体に対して無自覚だったりします。
結果、子供向けという言葉は、言葉を発する当人の中に居る子供のイメージに対して向けることになり、とりもなおさずそれは、実際に目の前にいる子供の存在を見つめることを阻害してしまいます。

今日はYCAMの業務とは直接関係のない、プライベートなことを書いてみようと思います。

僕はこの4月から、友人とともに一軒家をシェアして住んでいます。一つの場所をシェアして暮らすのは初めてではないのですが、同居人の服部君は料理上手なとても素敵な人物で、楽しい日々を過ごしています。服部君というのは秋吉台国際芸術村の学芸スタッフで、アーティストの友人も多く、自然発生的に面白いイベントが発生する場所として、住居である一軒家が活動拠点になった、というのが成り立ちです。山口市前町という住所にちなんで、「Maemachi Art Center :通称 MAC」と呼んでいます。
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イギリスの雑誌『SUPER SUPER』の16号に面白い記事があった。現在のイギリスでは10人の子供のうち、1人はmixed-race(混血、異人種)の家族から来ていて、2020年までに、mixed-raceの数は、イギリスの少数民族の中で最も大きなグループになるだろうと予測されている、という。

このポストのタイトルにもなったセンテンスが見出しとして使われているんだけれど、つまり、母親と子供の肌の色が違うため、見ただけでは親子なのかどうかわからないということが、イギリスでは現実的になろうとしている。

ジャマイカ人の母親とイギリス人の父親を持つ著者は、こうしたmixed-raceの世代をNu Raceと呼んでいて、Nu Raceは混血を指すだけでなく、中国人でジンバブエで育ったとか、さらに言えば、肌の色の問題などはどんどんなくしていこうとする心の持ち様だと言う。Nu Raceは、立ち戻る地盤やルールがないために、恐ろしく新しいセンスを持っている。

例えば、ヒップホップという音楽が、どうして求心力を失ってしまったかについては、諸説あるだろうけど、代わりに、まさにNu Race!、M.I.A.のようなアーティストに指示が集まるのも、その理由のひとつではないかな?どうだろう?

僕が面白いと思ったのは、このSUPER SUPERという雑誌は、今を生きる若者が読む雑誌で、パーティに集まる有名人の写真とか、トラッシーな洋服が散りばめられていて、ほとんど記事らしい記事なんかないにも関わらず、今回は4ページも使って、この記事(エッセイ)を紹介してたこと。読者が喜ぶ、喜ばないに関わらず、制作者の心意気、そしてイギリスが直面している現実が伝わってきてグっときた。

人種の問題はそう簡単になくならないし、移民の集まりと言われるアメリカでも異人種間の結婚は数パーセントに過ぎない。でも、進むべき未来はどこにあるのか、それはもう考えるまでもないことでしょ?

著者も指摘するように、黒人初の大統領と言われているオバマの母親は、カンザス出身の白人。

いつまでハーフモデルとか言ってんの?いつまで「日本語が滅びるとき」とか後ろ向きなことばっか考えてんの?

So Many Magazines So Little Time 3

(僕、辻村のポストには、たまに今回のように、one half of OK FREDであり、アーティストでもあり、現在ヨーロッパ滞在中のオードリーからのポストがまぎれます。今回はストックホルムから)

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April 29 - June 14
Rummaging

The Art Center Bonniers Konsthall was showing the Swedish contemporary art scene with a group exhibition titled Rummaging.  Bonniers Konsthall asked Camilla Larsson, who has spent the year visiting Swedish young artists in their studios to curate an exhibition. the result presented, revealed a connection between emerging contemporary artists and the Swedish art world of the early 80s with works by 11 artists, all at the beginning of their careers. The Rummaging exhibition combines monumental installation, ambiguous sculpture, real-time video and shadow play.
A program accompanying events about the '80s meets the '00s  also took place in a series of discussions, performances and concerts.

Participating artists: Suzanna Asp, Fredrik Auster/Viggo Mörck, Ebba Bohlin, Gabo Camnitzer, Johanna Gustafsson Fürst, Kerstin Persson, Jennie Sundén/Åsa Norberg, Christin Wahlström och Anna Wignell.



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Bonniers Konsthallアートセンターでは、「Rummaging」と題されたスウェーデンのコンテポラリー・アートを紹介する、現代作家のグループ展が開催されていました。キュレーターのCamilla Larssonは、今年に入ってから、スウェーデンの若手作家たちのスタジオを尋ね歩きました。そして、その結果が今回の展覧会となっています。集まった11アーティストの作品は、まだキャリアを始めたばかりの若手コンテンポラリーアーティストのとって、スウェーデンの80年代初頭のアート界と、どのような繋がりがあるのか、私達に見せてくれました。大がかりなインスタレーションや多義的な彫刻、リアルタイムビデオ、影絵芝居などで構成されています。
また、一連のディスカッションやパフォーマンス、コンサートの中で、the '80s meets the '00sについての附属イベントのプログラムも行われました。

参加アーティスト:Suzanna Asp, Fredrik Auster/Viggo Mörck, Ebba Bohlin, Gabo Camnitzer, Johanna Gustafsson Fürst, Kerstin Persson, Jennie Sundén/Åsa Norberg, Christin Wahlström och Anna Wignell.

P1040840.JPGMy favorite  installation was Gabo Camnitzer's one, titled Primal Intervals ( 2008).  A whole room filled with colorful broken panels.
Behind each panel was another panel, four layers of  primary colors appearing randomly due to their detruction. During the exhibition, the artist invited musicians to perform in the installation.

The whole exhibition had a cold atmosphere reminding Bauhaus, but still some humor. Really nice venue, very well located.

P1040845.JPG私のお気に入りは、Gabo Camnitzerの、Primal Intervals (2008)という作品でした。部屋全体がカラフルな壊れたパネルで埋められています。各パネルの後ろには、また別のパネルがあり、原色のパネル4枚が重ねられて、壊れたところから姿を見せます。Gaboは会期中、インスタレーションの中でパフォーマンスをミュージシャンを招いていました。

展覧会全体に漂う冷たい雰囲気はバウハウスを思い出させましたが、こちらにはユーモアがありました。とてもいい会場、いいロケーションでした。

昨日金曜日はバスに乗って、小学生が100人ほどYCAMに見学に来ました。社会科見学の一環ということで、「しおり」には自動車工場やテレビ局などの見学も書き込まれていました。

YCAMの紹介ということで展覧会を案内することになったのですが、社会見学ということを考えると、仕事の内容や施設の機能を見せたいというニーズがあったのかもしれませんが、やはりせっかく生の作品展示に触れるチャンスでもあるので、作品を観ることを重視した見学ツアーにしました。

100人と言っても、一気に全員に説明するのではなく、隣接するテレビ局と50人で45分ずつ、2回に分けて見学してもらいます。さらにその50人を3つのグループに分け、17人程度のグループに1人のスタッフが一緒に作品を鑑賞します。

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近所の本屋へ行くと、「小説新潮」の7月号が平積みにされていた。無類の野坂昭如好きとしては、表紙を見ただけで買わずにいられない。820円。
あとでじっくり中を見て、ずっこけたけれど、表紙だけで満足。大切に保管したい。

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先週号の「週刊文春(かつて野坂昭如も連載していた)」には、清原と阿川佐和子との対談があって、面白かった。全体的に良かったけれど、とくに、インタビューをする立場になると、それががいかに難しいか、ということを清原が切々と語っている部分が、何より良かった。ずっと呼び捨てにしていた松阪大輔にインタビューで対面したとき、清原は彼を何と呼んだのか? とかとか。  

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