artscapeレビュー

花田恵理 展“Open spaces”

2013年06月01日号

会期:2013/05/07~2013/05/12

KUNST ARZT[京都府]

白地に丸く抜かれた風景が印刷されたDMを見て本展に出かけたら、まったく同じ情景と遭遇した。ギャラリーの壁が3カ所にわたり切り抜かれていたのだ、そのうち2カ所は円形の穴から近隣の風景が見え、1カ所は長方形の穴から壁の向こうに隠されていた床の間の痕跡が窺える。どうやら花田のテーマは、場の本質を明らかにしたり、新たな意味づけを行なうことらしい。それは、パブリックな場所で鬼ごっこする過去作品の映像からも明らかだ。彼女はまだ美大に在学中とのことだが、すでに独自のスタイルを確立しつつある。今後の展開を楽しみに待ちたい。

2013/05/07(火)(小吹隆文)

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