artscapeレビュー/プレビュー
書籍・Webサイトに関するレビュー/プレビュー
カタログ&ブックス│2010年08月
展覧会カタログ、アートにまつわる近刊書籍をアートスケープ編集部が紹介します。
Magical Mysterious Mushroom Tour(マジカル・ミステリアス・マッシュルーム・ツアー)

著者:飯沢耕太郎
発行日:2010年7月
発行:東京キララ社
価格:1,680円(税込)
サイズ:180×150mm
著者である飯沢耕太郎が世界中のカルチャーシーンからきのこを探し出し、きのこを主役にした絵本やきのこグッズの紹介。いしいしんじの短編「きのこ狩り」、マジック・マッシュルームの研究者R・ゴードン・ワッソンの『ライフ』に掲載された記事「魔法のきのこを求めて」の全訳など、きのこづくしの一冊。
Juvenile

著者:綿谷修
発行日:2010年7月23日
発行:RAT HOLE GALLERY
価格:4200円(税込)
サイズ:B5変判
RAT HOLE GALLERYで開催している綿谷修展「Juvenile」にあわせ、写真集を刊行。夏のウクライナで出会ったティーンエイジャーたちを、数年にわたって撮影したカラー写真55点を掲載。批評家・倉石信乃氏による寄稿「外の子供」も収録。
island

発行日:2010 年7 月23 日
発行:island
価格:1000 円(税別)
サイズ:A3変判・タブロイド大
表現者による、表現者のための、表現の場を作るべく、機関誌『island』を発刊致します。
We are alive on the earth.
We are family in the world.
Let's make a big ring for our FUTURE
この言葉は、未来美術家・遠藤一郎が、彼の作品の中に記したものです。われわれはこの星でひとつである、未来へ手に手を取り合おう、というこの言葉の背景には、この星で暮すひとりひとりが主体者であり(alive)、ひとりひとりが表現者である(make)という想いが込められています。[islandサイトより]
ロボットと美術 機械×身体のビジュアルイメージ

デザイン:宗利淳一デザイン
発行:株式会社講談社
価格:2,625円(税込)
サイズ:A4判
2010年7月10日から8月29日まで青森県立美術館で開催されている展覧会「ロボットと美術 機械×身体のビジュアルイメージ」のカタログ。ロボットと美術の関わりの歴史を図版、テキストで紹介している。
2010/08/15(artscape編集部)
『ワンダーJAPAN』16号

発行所:三才ブックス
発行日:2010年6月16日
いつもへんてこで、美しくない日本の風景をビジュアルで見せてくれる雑誌。新宗教の建築などもとりあげてきたが、今回は「たのしい公園遊具」の特集。富士山型が多いのは知っていたが、本書を開くと、カブトムシや白鳥、テントウムシやうさぎなどの動物系、土星や人工衛星などの宇宙系、新幹線や船などの乗り物系、ゴジラや恐竜などの怪獣系など、予想を超える物件が目白押し。しかも、デザインはエッジがきいておらず、ゆるキャラ的な弛緩した雰囲気が漂う。なるほど、遊具なわけで、子ども向けなのだが、近所の公園がすでにテーマパークと化していたことに改めて驚かされる。
2010/07/31(土)(五十嵐太郎)
田中純『イメージの自然史』

発行所:羽鳥書店
発行日:2010年6月21日
筆者と同じ頃、すなわち1990年代の半ばに『10+1』で論考を書きはじめた田中純の最新作である。その動向には注目していた。当時、ベンヤミン再評価の流れが起きていたが、田中はおそらくその最良の成果となる都市論を執筆している。建築学科に所属する筆者が、やがて展覧会や審査などの仕事を通じ、創作の現場から建築と関わらざるをえなくなったのに対し、人文学を出自とする田中は、多木浩二のたどってきた道とは違い、創作者らと一定の距離をたもち、それゆえに批判的を言説を繰りだす。そして本書は、むしろ古今東西のイメージをさまようヴァールブルクの「ムネモシュネ」プロジェクトを現代において蘇生させたかのような原型的イメージをめぐる考察を行なう。『イメージの自然史』は、主に東京大学出版会の『UP』の連載をベースとしており、筆者も掲載時から断片的に読んでいた。改めて通読すると、相変わらず、ものすごい読書量であり、めくるめくイメージの連鎖の世界に誘う。読書という豊かな経験を思い出させてくれる本だ。実際、そうした本へのフェティシュを感じる。田中は最後に、こう言う。ネットワークの時代において、本という「『暗いおもちゃ』は、一冊一冊が異なる表情で佇みながら、どこか不穏な気配を漂わせている。液晶ディスプレイにはない暗さ、その翳りに、小さな生き物を思わせる生命が微かに宿る。……本書は、夕陽のように翳りを帯びた書物のアウラ、その儚い生命のイメージに捧げられてる」。なるほど、あえて主流にはのらない、懐かしさも感じられるかもしれない。過去や記憶なきネットとアーキテクチャ論、社会学的な言説、工学主義への注目、そうしたゼロ年代のメインストリームに対して、直接名指しすることはほとんどないが、密やかに、そして強靭に抵抗している。
2010/07/31(土)(五十嵐太郎)
三宅理一『秋葉原は今』

発行所:芸術新聞社
発行日:2010年6月21日
日本でもっとも有名な電気街であり、ゼロ年代にはオタクの聖地として注目された、秋葉原に関する最新の都市論だ。森川嘉一郎のアキバ論『趣都の誕生』(幻冬舎、2003)に比べて、安心して読める。むろん、三宅理一は、2004年から「D-秋葉原」構想の当事者として、再開発の一部に関わった経緯もあるが、歴史家として、もっと長い歴史的なパースペクティブから、この街の変容を描いているからだ。そしてグローバルな視点から、海外の事例と比較しながら、秋葉原の位置づけを行なっていることも説得力がある。萌えというオリエンタリズム的なキーワードで読み解くのではない。本書は、2006年にグランドオープンしたUDXビルを含む、一連の再開発が、いかなる経緯でスタートし、どのように展開したかの流れを、法制度や経済状況、また事業者の関係などから複合的に分析する。詳しく説明される日本における、都市計画の手続きは興味深い。残念なのは、ゼロ年代になって、地元の意向が反映されなくなったことだ。例えば、第二東京タワーの誘致問題や、ヨドバシカメラの駅前進出などである。その起死回生として持ち上がったD-秋葉原のプロジェクトも、中止に追い込まれたことだ。おそらくデザインミュージアムなどが実現すれば、画期的な施設になっただろう。経済の自由競争によって発展した秋葉原が、その同じ原理によって異なるものに変わってしまい、再開発が終わったときには、ほとんどの当事者がいなくなっていたというのは皮肉である。
2010/07/31(土)(五十嵐太郎)
カタログ&ブックス│2010年07月
展覧会カタログ、アートにまつわる近刊書籍をアートスケープ編集部が紹介します。
KEIKO SASAOKA EQUIVALENT

発行日:2010年
発行:Rat Hole Gallery
価格:2,400円(税込)
サイズ:156×180mm
笹岡啓子によるランドスケープの写真作品19点を収録。Rat Hole Galleryから刊行。
別冊KALEO DOCUMENT MAU M&L/L 武蔵野美術大学 美術館・図書館 新棟落成記念

発行日:2010年6月26日
発行:武蔵野美術大学 美術館・図書館
サイズ:B5判
武蔵野美術大学 美術館・図書館の情報誌KALEOの別冊版。2010年4月1日に開館した同館の図書館棟について、設計の理念や経緯、つかわれ方、美術大学の図書館としての可能性などを概説。
Y時のはなし

発行日:2010年8月25日
発行:アート・ユニオン
価格:2,100円(税込)
サイズ:DVD-Video
学童保育が舞台のファンタジックメロドラマが二年の歳月を経て長編としてリマスター!!子供の事情、大人の都合重なり合わない世界はY時のときだけうまくいく。(DVD封入コピーより)
Voluntary Architects' Network 建築をつくる。人をつくる。──ルワンダからハイチへ

著者:坂茂+慶應義塾大学SFC坂茂研究室
発行日:2010年7月15日
発行:INAX出版
価格:2,500円+税
サイズ:A5判変
建築家・坂茂が立ち上げた「Voluntary Architects' Network」による1995年の阪神・淡路大震災から、2010年のハイチ地震までの災害復興をはじめとする活動紹介、北山恒氏、ブラッド・ピット氏との対談などを収録。社会から求められる建築家のあり方に迫る。
横井軍平ゲーム館 RETURNS ゲームボーイを生んだ発想力

著者:横井軍平・牧野武文
発行日:2010年6月30日
発行:株式会社フィルムアート社
価格:2,000円+税
サイズ:B6判
1997年刊行の「横井軍平ゲーム館」(アスキー)の復刊。数々の名作玩具を生み出した横井軍平氏の発想力に迫とは。
『SITE ZERO/ZERO SITE』No.3

責任編集:田中純
特集企画:門林岳史
発行日:2010年6月1日
発行:メディア・デザイン研究所
装丁+本文デザイン:秋山伸[schtücco] w/optexture
価格:2,200円(税込)
サイズ:B6判変
特集=ヴァナキュラー・イメージの人類学
門林岳史、ジェフリー・バッチェン、岡田温司、前川修、唄邦弘、増田展大、浜野志保、畠山宗明、石谷治寛、長谷正人、田中純、佐藤守弘、中沢新一、ミリアム・ブラトゥ・ハンセン、マリ=ジョゼ・モンザン、山本圭、南後由和、榑沼範久
2010/07/15(木)(artscape編集部)
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