2019年03月15日号
次回4月3日更新予定

artscapeレビュー

書籍・Webサイトに関するレビュー/プレビュー

カタログ&ブックス│2019年3月

展覧会カタログ、アートやデザインにまつわる近刊書籍をアートスケープ編集部が紹介します。
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「闇に刻む光 アジアの木版画運動 1930s-2010s」図録

編集:黒田雷児、五十嵐理奈(福岡アジア美術館)
執筆:黒田雷児、水沢勉、瀧本弘之、横地剛、滝沢恭司、竹山博彦、五十嵐理奈、アンタリクサ、リム・チェンジュ、フィービー・スコット、リサ・イトウ=タパン、レオニーリョ・オルテガ・ドロリコン、稲葉真似、超純恵、徳永理彩、五十嵐純、住友文彦
デザイン:田嶋正純(田嶋デザイン事務所CYAN)
発行:福岡アジア美術館、アーツ前橋
発行日:2018年11月23日
定価:2,160円(税込)
サイズ:A4変形、256ページ

1930年代から近年までのアジア各地での木版画に焦点を当て、多数の民衆に情報やメッセージを届ける「メディア(情報・通信媒体)」としての木版画による「運動」を通じて、アジア近現代美術の歴史を新たな視点で見直す展覧会図録。各章ごとに有識者による解説とコラムを収録しているほか、400点を超える出品作の図版も全点掲載している。


Oh!マツリ☆ゴト 昭和・平成のヒーロー&ピーポー

編集:兵庫県立美術館 小林公、岡本弘毅、出原均、山田修平
執筆:小林公
発行:兵庫県立美術館
発行日:2019年1月
定価:2,400円(税込)
サイズ:250mm×210mm、264ページ

2019年1月より兵庫県立美術館で開催中の展覧会Oh!マツリ☆ゴト 昭和・平成のヒーロー&ピーポー」の展覧会図録。
「20 世紀のはじめから現代へと至る日本の美術作家の表現には、社会的な関心が色濃く表れたものも少なくありません。本展はそうした傾向を示す作品の中でも、特別な存在(ヒーロー、カリスマ、正義の味方)と無名の人々(公衆、民衆、群集)という対照的な人間のありかたに注目するものです。とりわけ大衆とも呼ばれる後者の存在は、どのようにその存在を可視化するのか、そしてどのようにして彼らとの間に連帯を築くことができるのかという切実な問いを表現者に投げかけてきました。無名の人々の集団=本展でピーポーと仮に呼ぶ存在が、立場や考え方によっていくらでも変化し、わかれていくものであるという事実は、その姿をとらえがたいものにもするでしょう。本展で注目する特別な存在=「ヒーロー」は、「ピーポー」が直面する困難やその願いを映し出す鏡としての、あるいはその存在に姿を与える触媒としての役割を担っています」。

*カタログは2冊構成で、既刊は1冊のみ。2冊目も刊行される予定。

[引用部分:展覧会公式HPより]
クリスチャン・ボルタンスキー Lifetime

編集:国立新美術館+国立国際美術館+長崎県美術館
執筆:中井康之、山田由佳子、福満葉子、湯沢英彦、関口涼子
対談:クリスチャン・ボルタンスキー×杉本博司
ブック・デザイン:折原滋(O design)
発行:水声社
発行日:2019年2月8日
定価:3,000円(税抜)
サイズ:B5判変型上製、208ページ
ブックデザイン:折原滋

開催中の展覧会「クリスチャン・ボルタンスキー – Lifetime」公式図録。
自己/他者の記憶、生/死、人間の不在/存在の痕跡をテーマとし、さまざまな素材、表現方法を用い世界各地で創作活動を続けてきた作家クリスチャン・ボルタンスキー。1960年代後半の初期作品(《咳をする男》、〈モニュメント〉等)から最新作(《ミステリオス》、《黒いモニュメント、来世》等)までを紹介する大回顧展「クリスチャン・ボルタンスキー – Lifetime」が開催。多数のインスタレーションビューの他、ボルタンスキーと杉本博司の対談、関口涼子によるテキスト、三館の展覧会担当者らによる論考等を掲載。

毛利悠子 ただし抵抗はあるものとする

編集:十和田市現代美術館
執筆:エマ・ラヴィーニュ、畠中実、島貫泰介、小池一子、金澤韻
ブック・デザイン:佐々木暁
発行:月曜社
発行日:2019年2月20日
定価:2,200円(税抜)
サイズ:A5判上製、140ページ

レコードをスクラッチするレヴェルの小さな摩擦からも、革命は起こっている
現代美術の旗手、作家本人へのロング・インタビューを含む初の作品集。十和田市現代美術館展覧会(2018年10月27日‒ 2019年3月24日)公式図録

失われたモノを求めて 不確かさの時代と芸術

著者:池田剛介
書籍設計:森大志郎
発行:夕書房
発行日:2019年2月27日
定価:2,400円(税抜)
サイズ:菊判・並製、184ページ

現代美術のあり方が、芸術とは何かを問う内的な行為からその外にある現実社会への働きかけへと変化してきているいま、「作品」はどこへ向かうべきなのか──。芸術とは何か、作品とは何かを根本から問い続け、美術作家としてその時々の自身の答えを作品にあらわしてきた池田剛介による、待望の処女論集!!
「ユリイカ」「現代思想」「早稲田文学」「POSSE」等に寄稿した2011年から2017年までの思考の軌跡と、それを束ねる長編書き下ろしで構成。カバー、表紙、扉には本書のために制作した新作を実験的方法で印刷し、書物というモノの可能性を追求する。

台所見聞録──人と暮らしの万華鏡

編集:石黒知子、成合明子
執筆:宮崎玲子、須崎文代
デザイン:川名潤
発行:LIXIL出版
発行日:2019年03月15日
定価:1,800円(税抜)
サイズ:A4判変型・並製、73ページ

住まいに欠かせない、生きるための空間「台所」。
食物を扱うため、その土地の気候風土や文化とも密接に関わり地域によっての独自性も高い。しかし近年では、働く場として合理的で機能重視な空間へと急速に変化し、伝統的な台所は世界的に消えつつある。
理想の台所を求めて、古今東西に広がる小さな空間へと誘う一冊。



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2019/03/14(木)(artscape編集部)

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カタログ&ブックス│2019年2月

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あわいゆくころ──陸前高田、震災後を生きる

著者:瀬尾夏美
発行:晶文社
発行日:2019年2月1日
定価:2,000円(税抜)
サイズ:四六判上製、360ページ

東日本大震災で津波の甚大な被害を受けた岩手県陸前高田市。絵と言葉のアーティスト・瀬尾夏美は、被災後の陸前高田へ移り住み、変わりゆく風景、人びとの感情や語り、自らの気づきを、ツイッターで継続して記録、復興への“あわいの日々”に生まれた言葉を紡いできた。厳選した七年分のツイート〈歩行録〉と、各年を語り直したエッセイ〈あと語り〉、未来の視点から当時を語る絵物語「みぎわの箱庭」「飛来の眼には」で織り成す、震災後七年間の日記文学。

インポッシブル・アーキテクチャー

監修:五十嵐太郎
編集:埼玉県立近代美術館、新潟市美術館、広島市現代美術館、国立国際美術館
発行:平凡社
発行日:2019年2月8日
定価:2,700円(税抜)
サイズ:A4判、252ページ
ブックデザイン:刈谷悠三+角田奈央/neucitora

実現しなかった建築、という先鋭的テーマの展覧会公式図録。マレーヴィチから現代まで、未完成建築ゆえの実験性と斬新さを一挙紹介。

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霧の抵抗 中谷芙二子展

著者:中谷芙二子
監修:水戸芸術館現代美術センター
寄稿:磯崎新、岡﨑乾二郎、かわなかのぶひろ、小林はくどう、萩原朔美、藤幡正樹、森岡侑士
発行:フィルムアート社
発行日:2019年2月15日
定価:3,800円(税抜)
サイズ:A5判、416ページ
デザイン:田中義久

自然に挑みながら、自然に委ねてゆく──霧の彫刻、ビデオ作品、コミュニケーション・プロジェクトなど、芸術と科学、技術と自然の融合の中で社会と人間の在り方を鋭く見つめる中谷芙二子の柔らかで強靭な〈抵抗〉の軌跡。
霧の彫刻やビデオなどの豊富な図版に加え、中谷芙二子作品をめぐる多彩な論考、中谷自身の過去の論考も掲載し、これまでの活動に込められた精神性を掘り下げます。これまで語られることのなかった歩みが紐解かれる貴重な一冊です。

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作字百景 ニュー日本もじデザイン

編集:グラフィック社編集部
発行:グラフィック社
発行日:2019年2月8日
定価:2,800円(税抜)
サイズ:B5判変型、並製、274ページ

フォントではない手描き文字を活かしたグラフィックやSNSで盛り上がる創作デザイン文字など、近年盛り上がる文字デザイン、レタリングの潮流をまとめた作例集。手の動きを活かしたダイナミックな文字からエモーショナルな文字、ポエティックな文字、メカニカルな文字など、デザイナー40組、約800作を掲載。

子どものための建築と空間展

監修:長澤悟
編集:パナソニック 汐留ミュージアム、青森県立美術館
発行:鹿島出版会
発行日:2019年1月19日
定価:2,200円(税抜)
サイズ:四六判変型、278ページ

こんなところで遊びたい。こんなところで学びたかった。
子どもの特権は遊びにほかならない。遊びや学びをどの子にも保証するために制度化された場が学校である。子どものための建築、空間、遊具、道具などには、大人が子どもに成長してほしいこと、伝えたいこと、期待することが表れている。

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2019年1月15日号artscapeレビュー|子どものための建築と空間展(杉江あこ)





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2019/02/15(artscape編集部)

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四方田犬彦『詩の約束』

発行所:作品社

発行日:2018/10/30

映画、文学、漫画をはじめ、およそあらゆる文化現象に通じた書き手として知られる四方田犬彦に「詩人」としての顔があることは、おそらくさほど知られてはいまい。昨年の暮れ、たまたま書店で見かけた本書に手が伸びたのは、詩集『人生の乞食』(2007)や『わが煉獄』(2014)の著者にして、詩誌『三蔵』の同人でもあるこの著者のまとまった詩論を読みたい、という潜在的な意識が働いていたからかもしれない(なお、本書は『すばる』における同名の連載を書籍化したものである)。

果たして、ペルシアの詩人ハーフィズをめぐるエピソードに始まる本書は、そうした期待にたがわぬ珠玉の読み物であった。この著者の本を読むときにつねづね感じることだが、ある些細なエピソードがいつしか作品論へと転じ、さらにそれが抽象的な思弁へと離陸していくその流れが、いつも本当に見事である。本書でもまた、西脇順三郎やエズラ・パウンドといったおなじみの詩人から、吉田健一やパゾリーニといった少々意外な人物まで、この著者ならではの大胆な飛躍と連想から、具体的な詩作品が次々と呼び出される。

本書に収められた18のエセーは、古今東西の具体的な詩をめぐって書かれていながら、いずれも個別の「詩論」に終始するものではない。むしろそこでは、朗誦、翻訳、呼びかけといった言語をめぐるあらゆる営みが、単なる抽象としてではなく、確固たる実体をともなった具体的な営為として浮かび上がってくる。「詩を生きるという体験」について書こうとした、というその言葉に偽りなく、著者の詩的遍歴がそのまま類稀な詩学として結実した一冊である。

2019/02/08(金)(星野太)

千葉雅也『意味がない無意味』

発行所:河出書房新社

発行日:2018/10/30

哲学者・千葉雅也による初の評論集。デビュー作である『動きすぎてはいけない──ジル・ドゥルーズと生成変化の哲学』(2013)にまとめられたドゥルーズ研究を除く、大小さまざまな論考が本書には収められている。その対象は美術、文学、建築から食やプロレスにいたるまで、じつに多様である。

著者は本書の序において、2016年までをみずからの仕事の「第一期」と総括する。博士論文を元にした『動きすぎてはいけない』をはじめ、著者はこの間『別のしかたで』(2014)、『勉強の哲学』(2017)、『メイキング・オブ・勉強の哲学』(2018)といった一般書、さらにはドゥルーズ以外を対象とする哲学論文や、広義の表象文化論に属する多彩なテクストを切れ目なく発表しつづけてきた。そのうち対話として残されたものは、同じく昨年刊行された『思弁的実在論と現代について──千葉雅也対談集』(青土社)にまとめられている。対する本書は、これまで書籍や雑誌に掲載された硬軟さまざまな論考から、選り抜きの23篇を集成したものだ。

本書の目次を一瞥してまず驚かされるのは、その多彩なトポスである。視覚芸術に限ってみても、フランシス・ベーコン、田幡浩一、森村泰昌、金子國義、クリスチャン・ラッセン……という並びは、「美術批評」に対してなんらかの予断をもつ者であれば、少なからず意表を突かれるものだろう。また、構成も特筆すべきである。凡庸な書き手ならば往々にしてジャンルで章を区切りがちなところを、本書は「身体」「儀礼」「他者」「言語」「分身」「性」という6つのテーマを設定し、それに即して先の23篇を按配する。これにより、ギャル男と金子國義(Ⅱ「儀礼」)、ラッセンと思弁的実在論(Ⅲ「他者」)、ラーメンと村上春樹(V「分身」)といった、通常であれば縁遠い(?)はずの対象が、奇妙な仕方で隣り合う。むろん、この構成が単に奇を衒ったものでなく、著者自身の一貫した関心を──あくまで事後的に──浮かび上がらせるものであることは、一読して理解されよう。

評者自身は、本書に収められたテクストのほぼすべてを初出で読んでいる。それゆえ、まずはこれらがあらためて一冊の単行本にまとめられたことを喜びたい(それは、これら珠玉のテクストが新たな読者を獲得するとともに、広く引用可能性に開かれていくことを意味する)。個人的な回想を挟ませてもらえば、本書に収められたもっとも古いテクストである「動きすぎてはいけない──ジル・ドゥルーズと節約」(2005)を、『Résonances』という学生論文集のなかに見つけたときの鮮烈な印象を、評者は今でもありありと思い出すことができる。のちの同名の著書を知る現在の読者は、その10年前に著されたこの短いテクストの存在により、著者の問いの驚くべき一貫性を目の当たりにすることになるだろう。そして、この10年余りの「第一期」の仕事を特徴づけるべく選ばれたキーワードこそが、表題の「意味がない無意味」なのである(本書序論「意味がない無意味──あるいは自明性の過剰」)。〈意味がある無意味〉から〈意味がない無意味〉へ、思考から身体へ、そして〈穴−秘密〉から〈石−秘密〉へ──それが、本書に与えられた輪郭ないしプログラムである。

以上の話に付け加えるなら、時期や媒体に応じて少なからぬ偏差を見せる、各テクストの「造形性」に目を向けてみるのもまた一興だろう。千葉雅也の読者は、その明晰かつ強靭な内容もさることながら、ルビや傍点をふんだんに駆使した独特な文体にいつであれ目を引かれるはずである。つねに明快な論理構造に独特のニュアンスを付与するその半−視覚的な言語実験は、「修辞性」というより、やはり「造形性」と呼ぶにふさわしい。その複雑な滋味を味わううえでも、アンソロジーの体裁を取った本書は好適である。

2019/02/01(金)(星野太)

カタログ&ブックス│2019年1月

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リフレクション──ヴィデオ・アートの実践的美学

著者:河合政之
発行:水声社
装幀:宗利淳一
発行日:2018年12月14日
定価:3,800円(税抜)
サイズ:A5判、328ページ

街中から携帯まで、映像に覆われた時代。だが、それを鋭く批判し続けるヴィデオ・アートの本格的な理論は、今までになかった……技術・メディア・文化の全面的考察からヴィデオの芸術的な可能性を導出し、アナログな電子メディアにおける技術、知性、欲望の様態を明らかにする。今世紀のヴィデオ芸術を牽引する映像作家による瞠目の書!

Rhetorica #04 特集:棲家

企画+編集:team:Rhetorica
発行:レトリカ西東京ラジオ(ver. 0.0)/遠山啓一(ver. 1.0)
販売元:Rhetorica
装丁:太田知也
カバーデザイン:永良凌
発行日:2018年12月16日
定価:3,000円(税抜)

私たちはいま、都市において、集まって余裕のある時間を過ごすことが難しくなっています。ゆっくりとした時間や思考、空想は今や贅沢なものになってしまっています。私たちが『Rhetorica #04』を通じて考えたのは、家族ができたり、物理的に遠いところに行ったり、身体を壊したりしても、それでも仲間と一緒にクリエイティブであり続ける条件や方法です。私たちは、人に、都市に、文化に、どんな期待を持つことができるのでしょうか。見慣れた固有名詞にありふれたキュレーション、綺麗に形だけ取り繕ったメディアでは届かない問いに向き合っていることが、本誌の特徴です。都市に棲み直すために、クリエイティブであり続ける条件や方法を考える。

[プレスリリースより]
ル・コルビュジエと近代絵画──20世紀モダニズムの道程

著者:呉谷充利
発行:中央公論美術出版
発行日:2018年1月15日
定価:3,200円(税抜)
サイズ:A5判、356ページ

20世紀最大の建築家──ル・コルビュジエ(1887-1965)。数多くの絵画や版画を制作した一人の画家でもあった彼が生命を吹き込んだ建築の本質は何だったのか? 近代建築を代表する建築家であるル・コルビュジエの絵画に着目し、1910年代の初期の絵画から1950年代までのその変遷を追いながら、これと並行する建築の変化も検証することで、ル・コルビュジエの絵画と建築をひとつの統一的な芸術活動としてとらえ、彼の創造的精神を考察する。

バウハウスの人々──回想と告白

編者:エッカート・ノイマン
発行:みすず書房
翻訳:向井周太郎、相沢千加子、山下仁
発行日:2018年12月15日
定価8,200(税抜)
サイズ:A5判変、384ページ

第一次大戦の敗戦から間もない1919年、ドイツ・ヴァイマールに革新的な造形学校がつくられた。その名も「バウハウス(建築の家)」。創立者グロピウスの宣言「あらゆる造形活動の最終目標は建築である。建築家、彫刻家、画家たちよ、我々は手工作に戻らなければならないのだ」の言葉に触発された才能ある若者たちが、世界中からこの学校を目指してやってきた。(中略)グロピウスの理念に応じ集まった綺羅星のごときマイスターたち、ファイニンガー、イッテン、クレー、カンディンスキー、シュレンマー、モホイ=ナジ…… 誰もが芸術上新しい道を歩もうとしている人々だった。そして、この共同体に暮らす学生たちは、男子は長髪、女子はミニスカートにショートカット、襟もつけず、靴下もはかずに町を歩き、ヴァイマールの人たちから「バウハウス人」と呼ばれていた。この書には、そんなバウハウス人、54人の生き生きとした証言・追想が収められている。両大戦間期、デッサウへの移転を経て、14年の間だけ実現したこの伝説の造形学校の日々を物語る、かけがえのない記録である。

吉田謙吉と12坪の家──劇的空間の秘密

発行:LIXIL出版
編集:羽佐田瑶子、川口ミリ
アートディレクション:祖父江慎
デザイン:藤井瑶(コズフィッシュ)
発行日:2018年12月1日
定価:1,800円(税抜)
サイズ:A4判変、80ページ

舞台美術を中心に考現学採集、装幀、文筆業など多彩なジャンルで活躍した吉田謙吉(1897-1982)は52歳(1949年)で東京・港区に12坪の家を建てた。小さなスペースながら小ステージがあり、恩師の今和次郎に「愉快な家」と言わしめた家。さて、その独創的な空間づくりの詳細はいかに。本書では、この12坪の家に影響を与えたであろう謙吉の仕事を振り返りながら、“劇的空間”としての自邸の秘密を解き明かそうとするものである。謙吉は、関東大震災、続く第二次世界大戦という多くの人々の暮しが解体された大災難に遭っても、彼のまなざしは常に自由で新しいものに向けられていた。バラック装飾社、考現学、築地小劇場での舞台美術の仕事、住まいの提案…… 人を喜ばせることが好きで、自身も人生を楽しく謳歌することを望んだ彼の生き方を、12坪の家を基軸に、謙吉が残した空間づくりに関わる数多くの記録と自身の言葉から探っていく一冊。

ヒスロム ヒステリシス

執筆:ヒスロム、志賀理江子、林剛平、清水建人
発行:T&M Projects
編集:細谷修平、せんだいメディアテーク
ブックデザイン:伊藤裕
発行日:2018年12月10日
定価:2,700円(税抜)
サイズ:165x223mm、128ページ

アーティスト・グループ「ヒスロム」のこれまでの活動をまとめた記録集。身体を用いたアクションによって土地と人間の関係を探索するアーティスト・グループ「ヒスロム」の活動を紹介する国内初の個展「仮設するヒト」が2018年11月3日(土)から12月28日(金)にかけて、仙台のせんだいメディアテークにて開催されます。(中略)本書は上記展覧会に合わせ刊行される、ヒスロムの活動をまとめた記録集となります。今までの活動や上記展覧会の展示風景などの多数の写真、志賀理江子をはじめとする3人によるエッセイ・論考によって構成された本書は、ヒスロムの圧倒的な活動を網羅した1冊になります。

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2019/01/15(火)(artscape編集部)

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