毎月1日、15日号発行の美術館・アート情報をお伝えするWebマガジン(次回9月1日更新予定)

artscapeレビュー

村田真のレビュー/プレビュー

トーキョーワンダーウォール公募2016 入選作品展

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会期:2016/07/16~2016/07/31

トーキョーワンダーサイト渋谷[東京都]

毎年、東京都現代美術館でやっていた公募展だが、都現美が休館中のためTWSで3期に分けて開催。その2期目。浜口麻里奈は画面いっぱいに淡い色調の植物パターンで埋め、ところどころ人物(天使?)らしき姿を浮遊させている。画面に中心がなく、地味といえば地味な装飾画だが、それゆえに類例を見ないオリジナリティがある。池上怜子はパネルに布を貼り合わせ、本紙(中央の絵の部分)や風帯(上方の2本の縦の帯)など表装した掛軸のように仕立てている。中央部をコマ割りにし、一部を脱色するなど絵画的工夫もあって、これも類例を見ない。ふたりとも卒制展かなにかで見たことあるなあ。

2016/07/31(日)(村田真)

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アートアワードトーキョー丸の内2016

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会期:2016/07/25~2016/08/03

丸ビル1階マルキューブ+3階回廊[東京都]

昨年度の美大の卒業・修了制作展から選抜した20作品を展示。吉田桃子は木枠に張らないキャンバス作品2点の出品。どちらも映像の一部を拡大して描いたものらしいが、画像がキャンバスのやや上に寄り、下部に余白を残しているため、絵具の滴りが何十本もの線条として流れている。水谷昌人は小さなキャンバス作品3点。キャンバスの上に絵具を何層にも塗り重ねて表面を平らにし、中央に縦長の穴を掘って赤系の絵具をチューブから絞り出してるため、まるで内臓がはみ出してるように見える。どちらも描かれた画像より、媒体・形式に目を向けている点で異彩を放つ。ふたりとも京都市立芸大大学院というから、この傾向は偶然ではないだろう。まったく違うが、渡邊拓也はカナヅチ、ペンチ、ハサミ、懐中電灯、ハンガーなど思いつく限りの道具をテラコッタでつくって並べている。すべて茶褐色でフリーハンドの造形のため、道具の機能性より形態の多様性に目が向く。

2016/07/30(土)(村田真)

宇宙と芸術展

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会期:2016/07/30~2017/01/09

森美術館[東京都]

これ以上ない大風呂敷を広げた展覧会。なにしろ「宇宙」だもん、あらゆる芸術を包含しかねない。展示は曼荼羅図に始まり、十二天像、キトラ古墳壁画の天文図(複製)、竹取物語絵巻、江戸時代の天文観測図と観測器、隕石でつくった《流星刀》、天体観測機器アストロラーベ、レオナルド・ダ・ヴィンチによる天文学のメモ(アトランティコ手稿)、ガリレオ・ガリレイの手稿、コペルニクスやケプラーによる天文学書の初版本、ツィオルコフスキーの天文学を巡る手稿、ユーリ・ガガーリンの写真、アポロ11号の資料、アンドレアス・グルスキー《カミオカンデ》、森万里子《エキピロティックス ストリングⅡ》、野村仁《ムーンスコア》、チームラボによる体験型の映像インスタレーションと続く。これを見ると、宗教、科学、芸術が未分化な前近代から、徐々に天文学が専門分化していく経過がわかり、最後に現代のアーティストがまたそれらを混ぜっ返そうとしているようにも見える。楽しみどころがたくさんあるし、よく集めたもんだと感心もするが、逆になんでこんなもんまで? と首をひねりたくなるようなものもある。例えばジア・アイリみたいな宇宙のイラストレーションを出すくらいなら、ジャクソン・ポロックのドリッピング絵画のほうがはるかに宇宙的だと思うのだが。

2016/07/29(金)(村田真)

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笹岡由梨子「イカロスの花嫁」

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会期:2016/07/09~2016/07/30

ギャラリー・ジン・プロジェクツ[東京都]

今年の岡本太郎現代芸術大賞展で特別賞を受賞した悪夢のような映像インスタレーションが、いまだ脳裏にこびりついている。今回の「イカロスの花嫁」もその延長線上の新作で、大きく引き延ばされた花嫁の目や口、ノスタルジックな音楽がクセになりそう。瀬戸内国際芸術祭でも異なる映像インスタレーションとして同時公開されるという。

2016/07/29(金)(村田真)

オル太 カルタナティブスペース

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会期:2016/06/24~2016/07/30

nap gallery[東京都]

オル太がTOLTAの協力を得てカルタを制作したって。

2016/07/29(金)(村田真)

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村田真

1954年生まれ。『ぴあ』編集部を経て、美術ジャーナリスト/BankARTスクール校長。著書=『美術家になるには』ほか。共著=『橋を歩いてい...

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2016年08月15日号