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artscapeレビュー

デザインに関するレビュー

聖地チベット ポタラ宮と天空の至宝

会期:2010/01/23~2010/03/31

大阪歴史博物館[大阪府]

チベット仏教の仏像、仏具、経典を中心に、ポタラ宮を飾った調度、楽器、さらには伝統医学の資料まで、123件が紹介された(うち36件は日本の国宝に当たる国家一級文物)。筆者はチベット仏教の知識を持たないが、そのエキゾチックな造形にはたちまち魅了された。特に仏像のポーズは妖艶で、ヒンドゥー教の流れを汲む見知らぬ仏様や、男神と女神が重なり合った交合仏など、インパクトの強いものばかりだ。全体的に質が高く、非常に楽しめる展覧会だった。ただ一点、記者発表時に不可解な出来事があった。民族衣装をまとったチベット人男女の学芸員と、スーツ姿の中国人学芸員が出席していたのだが、何故か彼らが一言も発しないのだ。ひょっとしたら中国人学芸員はお目付け役で、チベット人学芸員を威圧していたのだろうのか。これはあくまで筆者の邪推に過ぎないが、そう思わせるぐらい彼らの無言は不自然だった。

2010/01/22(金)(小吹隆文)

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感じる箱 展 grafの考えるグラフィックデザインの実験と検証

会期:2010/01/19~2010/03/13

dddギャラリー[大阪府]

大阪を拠点にさまざまな分野のデザインを手掛けているgrafによる展覧会。テーマは「感じる箱」。箱という立体性と空間性をともなうモチーフを駆使して、グラフィック表現の新たな可能性を問いかけるのだ。彼らは自身のスペースが大阪・中之島にあるため、地元の他所のスペースで発表を行なう機会は珍しい。それだけに、ここの作品だけでなく空間全体でどのようなプレゼンを行なうのかが気になる。

2009/12/31(木)(小吹隆文)

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ヴェルナー・パントン展

会期:2009/10/17~2009/12/27

東京オペラシティアートギャラリー[東京都]

文句なしに楽しめる。そしてパントンのことをいかに自分が知らなかったのか、ちょっと反省。アルネ・ヤコブセンの事務所から独立して以後、《パントン・チェア》を経て、家具と建築の境界を越えていくような多様な展開をするヴェルナー・パントンの軌跡を知ることができる。途中、靴を脱いで通り抜けるスペースもあり、すっかりパントンの世界に浸ってしまった。《ファンタジー・ランドスケープ》という伝説のインテリアは、パントンのデザインで埋め尽くされた洞窟のような空間。色の効果も幻想的。さらに立体的な椅子である《リビング・タワー》、カーペットが一部立体化して椅子となっている《3-Dカーペット(ウェーブ)》など、こんなことまでやっていたのかという驚きを楽しめる。

展覧会URL:http://www.operacity.jp/ag/exh111/

2009/10/18(日)(松田達)

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真壁智治 チームカワイイ『カワイイパラダイムデザイン研究』

発行所:平凡社

発行日:2009年9月

数年前から真壁智治が、研究室の学生によって結成されたチームカワイイとともに、カワイイをテーマに現代のデザインを調査した成果が一冊の本として発表された。軽そうなトピックに思われるかもしれないが、400ページに及ぶ大著である。真壁によるコンセプトの論文、デザインの事例紹介、現代建築の検証など、二回のシンポジウムやリサーチをすべてつぎ込んだ総力戦だ。なるほど、かわいいという感性が重視されているのは間違いない。今後カワイイについての考察を深めていくうえでの基礎資料集成といったおもむきである。筆者も、本書に「かわいい建築論をめぐって考えておくべきこと」というテキストを寄稿した。

2009/09/30(水)(五十嵐太郎)

神戸ビエンナーレ2009

会期:2009/10/03~2009/11/23

メリケンパーク、神戸港会場、兵庫県立美術館、三宮・元町商店街[兵庫県]

2007年に第1回が開催された神戸ビエンナーレ。その売りは、貨物コンテナを大量に持ち込んで展示会場に流用するという、港町・神戸を意識したプランだった。しかし、引きが取れず照明設備が劣るコンテナでは、インスタレーションや映像ならともかく、絵画や立体をまともに見ることは難しい。そうした設備面での悪条件と、さまざまなレベルの作品が混在した配置もあって、多くの課題を残す結果となった。今秋の第2回では、招待作家を兵庫県立美術館に集中させ、主会場のメリケンパークと連絡船で結ぶ方式を採用。さらに海上でも作品展示を行ない、スケールとグレードの向上を図っている。メリケンパーク会場で昨年同様コンテナが用いられるのは、筆者としては残念。しかし、兵庫県立美術館と海上で質の高い展示が行なわれるなら、前回以上の成果が期待できる。また、街中の三宮・元町商店街と美大生・専門学生による共同企画も予定されており、地元との密着が強く意識されている点にも好感が持てる。主催者の構想が額面通りに機能して、見応えのある催しになることを期待する。

2009/09/20(日)(小吹隆文)

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