毎月1日、15日号発行の美術館・アート情報をお伝えするWebマガジン(次回3月1日更新予定)

artscapeレビュー

五十嵐太郎のレビュー/プレビュー

横浜ダンスコレクション2017 ダミアン・ジャレ+名和晃平「VESSEL yokohama」

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会期:2017/01/26~2017/01/29

横浜赤レンガ倉庫[神奈川県]

ぶったまげた傑作である。あいちトリエンナーレ2013の作品が展開したような泡立つ生命の島が暗闇に浮かび、水面にヘッドレス群像がほのかに見える。頭なしの身体表現により、人間とは別の進化をする異様な生物がうごめき、最後は島に上陸して泉に浸る。官能的かつ不気味だ。

2017/01/27(金)(五十嵐太郎)

第3回ワークショップ「風景と記憶」─震災後の復興に及ぼす影響─

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会期:2017/01/25~2017/01/25

朝日座[福島県]

ワークショップ「風景と記憶」南相馬の朝日座。藤井光の『ASAHIZA 人間は・どこに行く』、三度目の鑑賞は南相馬の朝日座になった。まさにこの映画が題材とし、舞台とする場所である。記憶の器としての建築、地方が共有する問題、シンコペーションするような映像と音、話や動きなどの一部が連続するシーンの切り替え。個人的にも忘れがたい映画となった。南相馬のワークショップでは、まず二上文彦(南相馬市博物館学芸員)が原町無線塔のレクチャーを行なう。土木建築造物としての価値、関東大震災時どのようにアメリカに一報が伝わったか、機能を失った戦後、保存運動、そして解体までの歴史を語る。これを壊したのは本当にもったいないと思う。だからこそ、その喪失を反省し、地元では朝日座を残す試みも起きたのだが。続いて、福屋粧子の宮城におけるプロジェクトのレクチャーでは、失われた街の白模型、牡鹿半島のワークショップ、そして玉浦西への集団移転計画を紹介する。座談会の終了後は、元芝居小屋だった痕跡が残る朝日座(映画館)のバックヤードツアーを行なう。どう使っていたかわからない細部が興味深い。

2017/01/25(水)(五十嵐太郎)

endless 山田正亮の絵画

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会期:2016/12/06~2017/02/12

東京国立近代美術館[東京都]

全身画家が半世紀以上にわたって描いた膨大な作品を、よくもまあこれだけ、日本各地から集めたものだと感心する。従来の展示に比べて、多くの壁を必要とするため、迷路のように空間が続く。作家の意図には反するのかもしれないが、特に異様な密度でストライプ絵画が並べられた部屋は凄まじい空間だった。

2017/01/22(日)(五十嵐太郎)

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ProjectNyx第16回公演 時代はサーカスの象にのって

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会期:2017/01/19~2017/01/23

新宿FACE[東京都]

Project Nyx公演・原作寺山修司『時代はサーカスの象にのって』@新宿FACE。本物のプロレスのリングを舞台に、誰もがどこかで主役になる大人数出演のロック・ミュージカルだった。トランプ大統領が就任するタイミングだったので、ラウンドを重ねながら、日本とアメリカのいびつな関係をアングラで表現する内容は、時宜を得ていた。特にSHAKALABBITSの歌と演奏は今回の劇との相性がよかった。

2017/01/20(金)(五十嵐太郎)

江戸糸あやつり人形 結城座『ドールズタウン』

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会期:2017/01/15~2017/01/22

ザ・スズナリ[東京都]

鄭義信/結城座『ドールズタウン』@ザ・スズナリ。見事な人形劇だが、いわゆる黒子タイプではなく、人形つかいが俳優としても振る舞い(というか見えており)、メタ的な展開もなされる。戦時下の街を舞台とし、主人公がつい口から出してしまったブリキのドールズタウンへの呪詛の言葉が、空襲によって現実化し、焦土と化す悲しい物語である。

2017/01/19(木)(五十嵐太郎)

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五十嵐太郎

1967年生まれ。東北大学教授。建築史、建築批評。著書=『終わりの建築/始まりの建築』『新宗教と巨大建築』『戦争と建築』『過防備都市』『現代...

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2017年02月15日号