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artscapeレビュー/プレビュー

酒井千穂のレビュー/プレビュー

視力0.01

会期:2010/07/22~2010/08/03

大東市立生涯学習センターアクロス[大阪府]

中村協子、光島貴之、尾柳佳枝、中谷由紀、Haruhiという5名のアーティストのグループ展。目の見える人、見えない人、見えにくい人など、さまざまな人がそれぞれに作品の色彩や触感を楽しめるというテーマをもっていた。会場はもともと展示を目的とした空間ではないので、作品が無造作に置かれているような印象も否めず、展覧会としての雰囲気はないのだが、布などの手芸素材をつかった各作家の作品は触れること自体の喜びと意識を喚起してなかなか心地よく、思っていた以上に長居した。せっかくなので今後も連続して開催されたら良いのになあ。

2010/07/29(木)(酒井千穂)

碓井ゆい 個展「泣く前」

会期:2010/07/24~2010/09/04

studio J[大阪府]

ベニヤ板にアクリル絵の具で描いた作品やお菓子の包み紙を使った小さな作品など、さまざまな素材を用いて作品を制作してきた碓井の新作が並ぶ。今展では、素焼きの皿に絵付けをしたものを割って構成した陶器の破片の作品を発表。色褪せ、廃れていく物質と記憶の関係が作家ならではの感覚で表現されていて、いくつもの物語を想起させる。モチーフはいろいろあるが、なかでも掃除前の排水溝を描いた作品が印象に残る。日常的な場面と、ふとした時に込み上がる感傷的な気分が、ひとつのイメージのなかでつながっていく。

2010/07/29(木)(酒井千穂)

冨倉崇嗣 展

会期:2010/07/19~2010/07/31

O gallery eyes[大阪府]

冨倉崇嗣の新作展。断片的な記憶のイメージを巡って表現されるその世界には、物質の存在や風景が混じり合い、時間を追って意識と無意識の境界が交錯していくような印象を受ける。本展では、目に見えない透明なもの、感情や自然現象など、表現をさらに追究した作家の試みがうかがえた。百合の花や天使のような人物が描かれた《それぞれの教え》は油彩画だったが、色彩の重なりに透けるようなモチーフの浮遊感があり、画面に空間的な奥行きが生まれていた。不可視の存在がふわりとたち現われるような時間性も感じさせる。発表ごとに表現方法の研究や「見る」ことを丁寧に観察する作家の眼差しがうかがえて次も楽しみだ。

2010/07/25(日)(酒井千穂)

Art Camp 2010

会期:2010/07/24~2010/08/12

サントリーミュージアム天保山(第二会場)[大阪府]

毎年この時期に開催されている学生や若手作家のグループ展。あいにく第一会場は休廊日だったが、塩見友梨奈、藤本絢子、久保田万絵、招待作家の花岡伸宏の4名の作品が展示されたサントリーミュージアム天保山での展示を見る。エントランスホールには、愛玩用に品種改良され、高値で売買される金魚の脆弱性にインスピレーションをうけ、不確かな存在の有様を描き出す塩見の絵画作品、皮膚という表層から溢れ出る感情を染色手法で表現した塩見の作品が展示されていた。曖昧なイメージから触覚などの感覚と過去の記憶を誘発する久保田の作品、花岡の彫刻は4階のテラス付近に。花岡の作品は、天井から吊り下げたものもある。どれも一見バカバカしく可笑しいのだが、時間の経過や状態、その変化をとらえる造形力とユーモアのセンスには唸るものがある。

2010/07/20(火)(酒井千穂)

新収蔵資料展──友禅下絵と乾板写真から

会期:2010/06/26~2010/08/01

立命館大学衣笠キャンパス アートリサーチセンター1階閲覧室[京都県]

チラシのデザインが奇麗で興味をそそられ、初めて足を運んだ。同大学の敷地内にあるアートリサーチセンターが新たに収蔵した近代京都染色の図案(友禅下絵、絵摺)、島原太夫の乾板写真とともに、それらのデジタルアーカイヴと調査の中間報告を展示。京都の伝統産業である友禅染めや西陣織は目にする機会も多いのだが、花街におけるそれらの関連資料を見る機会はあまりなかった。明治維新後、技術や経済の発展を背景にしながら、近代公娼制度の統制と管理のもとで大きく転換した染織業界のあり方を、写真をはじめとする当時のさまざまなメディアから検証・紹介していて興味深い。もっと詳しい丁寧な解説があればさらに理解しやすかったと思うが、今展は中間報告ということなので、またの機会にも期待したい。

2010/07/19(月)、07/29(木)(酒井千穂)

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2010ドガ展エトワール初来日