村田真/原久子 |
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佐伯祐三展 熱情の巴里
10/9〜12/12 大阪市立近代美術館 心斎橋展示室[大阪] |
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今日は原久子の本拠地、大阪へ日帰りの殴り込みだ! まずは出光美術館の入っていたビルに借り=仮オープンした市立近美から。佐伯祐三というと、パリに留学してフォーヴィスムに身を投じた夭逝の画家、というロマンチックな物語が先立ってしまうのと、ドランとかユトリロとか似たような画風、似たようなモチーフを描く画家が多いのが難点だけど、ここまで「油絵=ペインティング」の魅力というか魔性をわがものにした日本人の画家も珍しいんじゃないかしら。だから逆に、日本に一時帰国したときの作品はモチーフと画風がチグハグで、見るも無惨だ。作品はともかく、壁が白いせいか黒っぽい額縁がうるさい。とくに上縁に凸凹の浮彫りをほどこした額縁は、その影が絵の上に映り込んでしまって見づらい。
[11月2日(火) 村田真] |
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アトリエ・ワン「街の使い方」展
10/2〜12/5 キリンプラザ大阪[大阪] |
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アトリエ・ワンの「ワン」はONEではなくBOWWOW、つまり犬の吠え声。犬の目線と嗅覚で都市を徘徊する建築家のユニットだ。名著『メイド・イン・トーキョー』『ペット・アーキテクチャー』からの抜粋のほか、ギャラリーの中央に蚊帳で《ミニ・ハウス》を建てている。待てよ、蚊帳というのは「吊る」もので「建てる」とはいわないな。じゃあ蚊帳のように吊るだけの建築というのはあるんだろうか。吊り橋はまず支柱を建ててから吊るし。してみると、吊るだけの建築というのは自立しない寄生建築の一種か、などと考えてしまった。
[11月2日(火) 村田真] |
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谷山恭子展
10/25〜12/4 inartギャラリー[大阪] |
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案内状の地図を頼りに難波界隈をうろついていたら、大阪市立近美学芸員の三井知行氏に会ったので道を教えてもらう。たどりついたのは、井岡ボクシングジムの1階。ギャラリーはオフィスみたいな雰囲気だが、それは谷山の作品のせいかもしれない。彼女は壁に鮮やかな色彩のレリーフを垂直・水平に配しているのだが、よく見ると棚や椅子、マガジンラックなど機能を備えた家具的インスタレーションなのだ。この空間にぴったりハマってますね。
[11月2日(火) 村田真] |
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画廊の視点gallerism 2004
11/1〜13 大阪府立現代美術センター[大阪] |
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関西の15の画廊がそれぞれひとりずつアーティストを送り込んでいる。が、なんか幼稚な作品が多いなあ。学芸会やおまへんで。そのなかで、スライドプロジェクターから流れる金魚の映像をうちわでとらえる小谷彰宏の、金魚すくいならぬ映像すくいがおもしろかった。
[11月2日(火) 村田真]
これまで「画廊の視点」というタイトルで開催されてきた企画展。京都大阪の10件のギャラリーが参加するもので、今年「gallerism」と名称を変更した。急遽ピンチヒッターということで、各々の作品の前でのアーティストトークのナビゲーターをつとめることに。大阪府庁新館内にある大阪府立現代美術センターは、2室にわかれている。室内だけでなく、地下道からの吹き抜け部分などでサイトスペシフィックな作品も設置されるなど、1時間ほどの間に、アーティストから制作意図などを聴く試みはとうてい時間が短い。だが、あまりにもそれぞれの制作スタイルや意図が違ったので、インタビューしている当の私は時間を気にしながらもとても楽しくやらせてもらった。
[11月1日(月) 原久子] |
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「これはデュシャンではない」、ですか。藤本由紀夫・森村泰昌二人展
11/1〜12/18 MEMギャラリー[大阪] |
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国立国際美術館のオープニングにぶつけた、関西のデュシャンピアン藤本由紀夫と森村泰昌の2人展。彼らは大マジメにレディメイド作品のレディメイド化、パロディのパロディ化をやっている。それがおかしい。ここで水戸芸術館の逢坂恵理子さんや慶応大の近藤幸夫さんたちとばったり。
[11月2日(火) 村田真]
部屋の真ん中近くにシュレッダーがあった。コードも伸びていて、「忘れ物?」そんなはずはない。口から紙を食べて裁断して排出するというのを、排泄とひっかけて便器=泉ということらしい。マン・レイの写真を引用したものなど森村泰昌の懐かしい作品も出品されていた。
[11月2日(火) 原久子] |
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高柳恵里展
11/1〜20 サイギャラリー[大阪] |
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逢坂さんたちと国立国際美術館に行く途中で寄る。作品は、高さの違う小さな板切れをL字型に組み、その外側に土手みたいに粘土をつけた立体と、鉛筆で海岸線みたいな輪郭を描いたドローイング。あいかわらずキワドイ。
[11月2日(火) 村田真]
心の隙間を突いてくれるシンプルな作品にいつも笑みがこぼれる。
[11月2日(火) 原久子] |
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マルセル・デュシャンと20世紀美術
11/3〜12/19 国立国際美術館[大阪] |
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中之島に移転した国立国際美術館の開館記念展。泥沼に沈みゆく瀕死の白鳥、といった風情の地上エントランスを抜けて地下にもぐると、そこは巨大な地中美術館。ミロの壁画が小さく見える。でも展示室の面積は万博公園の旧館とあまり変わらないらしい。デュシャンの回顧展は1981年に軽井沢の高輪美術館(現セゾン現代美術館)と、1993年にヴェネツィアのパラッツォ・グラッシと、ほぼ10年おきに見ているので(しかもどっちも観光地だ)、いまさらという気がしないでもないが、今回はデュシャンの影響を受けたそれ以後の作家の作品も並べられていて、けっこう楽しめた。瀧口修造から荒川修作、横尾忠則、森村泰昌まで日本人作家が多いのは、作品が借りやすいからというだけでなく、デュシャンの思考が禅に通じるので影響を受けやすかったからではないかしら。
[11月2日(火) 村田真] |
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浅田暢夫展『海のある場所-A place where the sea
is』
11/1〜25 The
Third Gallery Aya[大阪] |
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海の写真が並ぶ。同じ場所で撮ったという9枚の写真はどれもまったく違う海に見える。空の色、海の色、波の揺らめき。1997年から現在までずっと撮っているシリーズ。海面すれすれ、あるいは半分海のなかに潜ったような状態で撮られた写真は、普通より高めの位置に掛かっていて、目線の位置が海面になるように意識して展示されている。
[11月2日(火) 原久子] |
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[オーストラリアの映像作品の現状] 講師:リズ・ヒューズ
11/2 remo[大阪] |
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今年12月15日からソウルで開かれるMedia City Seoulの4人のキュレーターのひとりLiz Hughes。彼女が現在オーストラリアで活躍する注目若手作家の映像作品をインスタレーション作品などもまじえて紹介してくれたレクチャー。京都大阪から映像を用いた表現を行なうアーティストがおもに聴講した。レクチャー終了後はワインを片手に、来場アーティストたちのプレゼンテーション大会に。
[11月2日(火) 原久子] |
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