artscapeレビュー

artscape編集部のレビュー/プレビュー

カタログ&ブックス│2011年11月

展覧会カタログ、アートにまつわる近刊書籍をアートスケープ編集部が紹介します。

世界制作の方法 Ways of Worldmaking

編集:中井康之、池田良子、小野尚子、宮田有香
テキスト:八木雄二、牟田淳、中井康之
発行:国立国際美術館
サイズ:260×185mm 143頁

2011年10月4日〜12月11日まで国立国際美術館で行なわれている展覧会のカタログ。同展タイトルは、アメリカの哲学者ネルソン・グッドマンの著作『世界制作の方法』に由来し、彼の記号論的方法に通ずる先鋭的な作品が集められている。出展作家は、エキソニモ、パラモデル、クワクボリョウタ、木藤純子、金氏徹平、青木陵子+伊藤存、鬼頭健吾、大西康明、半田真規の9組。

展覧会ウェブサイト

日常/ワケあり

アートディレクション&デザイン:加藤賢策
発行日:2011年10月18日
発行:神奈川県民ホール
サイズ:B5判 192頁

2011年10月18日〜11月19日まで神奈川県民ホールギャラリーで行なわれている展覧会のカタログ。同展は、「日常/場違い」(2008年)の第2弾として開催されているもので、ニューヨークで活動する江口悟、田口一枝、播磨みどりの3名によって「ワケありな展示室に、ワケありの作家が制作するワケありの新作」が展示されている。

展覧会ウェブサイト

都市の解剖学──建築/身体の剥離・斬首・腐爛

著者:小澤京子
解題:田中純
発行日:2011年10月20日
発行:ありな書房
価格:5,040円(税込)
サイズ:215x152mm 262頁

カナレットの剥離/移植のヴェネツィア都市表象、ピラネージの蝟集/重層/撹乱する古代ローマの復元、ルドゥー/サドの性愛建築における対立物の一致、ユベール・ロベールのフランス革命期の廃墟表象、ゴーティエ/ユイスマンスの文学的病理学者の眼差し、これら対象の表皮を切り開き、剥がし、あるいは切断する、眼の指で撫でるような欲望を内に秘めた、都市へと向けられた解剖学的な眼差しの諸相を呈示する![本書帯より]

文化のための追及権──日本人の知らない著作権

著者:小川明子
発行日:2011年10月19日
発行:集英社
価格:756円(税込)
サイズ:174×110mm 192頁

絵画や彫刻を作る芸術家は、日本では一度作品を売却した後は、オークションなどによっていくら作品の価格が上昇しても、一切収入を得ることが出来ない。これではアーティストはなかなか育たないだろう。実はこれは日本の文化的貧困につながる大問題である。ヨーロッパやアメリカの一部では「追及(利益配当)権」という著作権の保護システムによって、作者の利益がそうした場合においても保証されるシステムが作られている。本作では、著作権についてわかりやすく解説しつつ、その一部としての追及権について日本で初めてくわしく紹介する。[集英社新書サイトより]

浅草のうち(くうねるところにすむところ:家を伝える本シリーズ 27)

著者:乾久美子
発行日:2011年10月12日
発行:平凡社
価格:1,890円(税込)
サイズ:A4変型判 40頁

浅草文化観光センター設計競技での応募案をベースに、浅草の持つ場所性、空間性の魅力を引き出し、浅草のまちに、「うち」のような居心地の良さを見出す。家を伝える本シリーズ復刊2冊目。[平凡社サイトより]

2011/11/15(火)(artscape編集部)

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カタログ&ブックス│2011年10月

展覧会カタログ、アートにまつわる近刊書籍をアートスケープ編集部が紹介します。

H3331 TRANS ARTS vol.1

発行日:2011年9月
発行:3331 Arts Chiyoda
サイズ:257×374mm

9月より隔月で発行する小誌では、表現が生まれる場には何があるのか? 表現はどこから生まれてくるのか? 3331にしか伝えられない情報を世界に発信していきます。[3331 Arts Chiyodaサイトより]





設計の設計

著者:柄沢祐輔、田中浩也、藤村龍至、ドミニク・チェン、松川昌平
発行日:2011年9月15日
発行:INAX出版
価格:2,310円(税込)
サイズ:155x200mm 320頁

建築、技術開発、情報工学のイノベーターである若き5人、柄沢祐輔、田中浩也、ドミニク・チェン、藤村龍至、松川昌平の理論と実践に注目し、建築、空間、情報環境のこれからの設計の方法を探っていく。2010年末より半年間、「10+1 web site」で行なった好評連載「10+1 SCHOOL〈建築・都市・情報〉制作の方法」を大きく改稿、構成を更新して書籍化する。[INAX出版サイトより]



種子のデザイン──旅するかたち

発行日:2011年9月20日
発行:INAX出版
価格:1,575円(税込)
サイズ:210×205mm 72頁

身近なものから海外の見たことのないような種子のディテールまで、丁寧に撮りおろした図版で紹介。理にかなったかたちの美しさと、そこから浮き彫りになる、植物たちの繰り広げてきたサバイバル作戦をご覧頂きます。次世代への旅支度、種子の形態に秘められた、植物たちの慎ましくもたくましい知恵に触れることのできる一冊。[INAX出版サイトより]


メタボリズムの未来都市展──戦後日本・今甦る復興の夢とビジョン

発行日:2011年9月17日
発行:株式会社新建築社
価格:4,800円(税込)
サイズ:226×297mm

日本から発信され、世界の建築家やデザイナーに多大な影響を与えた建築運動「メタボリズム」。本書はその思想とビジョンを振り返る世界初の展覧会として、森美術館で開催される「メタボリズムの未来都市展──戦後日本・今甦る復興の夢とビジョン」のカタログです。...菊竹清訓、槇文彦、黒川紀章など運動の中核をになった建築家と、彼らに大きな影響を与えた丹下健三や磯崎新ら時代をともにした建築家のプロジェクト79点を豊富な写真や図面等で紹介。...またメタボリズムに関する16の論考、グローバル・メタボリズム・マップ、メタボリズム運動を支えた人びとの相関図と人物紹介、年表、文献紹介、作品リストなど、メタボリズムを理解するための充実した資料集です。[新建築社サイトより]



Hyper den-City ハイパー・デン・シティ──東京メタボリズム2

著者:八束はじめ+URBAN PROFILING GROUP
発行日:2011年10月15日
発行:INAX出版
価格:2,520円(税込)
サイズ:A5判 284頁

建築家、建築批評家である八束はじめによる超高密度都市「ハイパー・デン・シティ」の提案。 都市は文化的・政治経済的な影響圏域をさらに拡大させると考える八束が「超高密度都市のタイポロジー」「災害・密度・都市デザイン」「人口」等のテーマから未来都市像を描く。2008年、『10+1 No.50』に掲載し大きな話題をよんだ八束の「Tokyo Metabolism」は高度経済成長を背景に立案された丹下健三の「東京計画 1960」を50年後の東京に復元・解明するというものだった。本書はその第二弾。現在のグローバリズムの中で生じ得る極限状況にフォーカスしながら未来の都市像を考えていく。[INAX出版サイトより]

2011/10/17(月)(artscape編集部)

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カタログ&ブックス│2011年9月

展覧会カタログ、アートにまつわる近刊書籍をアートスケープ編集部が紹介します。

現代建築家コンセプト・シリーズ 10 西沢大良 木造作品集2004-2010

著者:西沢大良
発行日:2011年9月20日
発行:INAX出版
価格:1,890円(税込)
サイズ:210×148mm

西沢大良の7つの近作から、建築の読み方/設計コンセプトを明らかにする。
本書に掲載する7つの作品は木造の建物である。
「日本には木造建築の長い伝統が、良くも悪くもある。「良くも悪くも」とは、日本には木造にたいする一定の常識(つまり固定観念)が出来上がっているために、かえって木造の可能性を自由に発想することが少ないからである。けれども海外の観客は、何のためらいもなく木造の建物をひとつの現代建築として理解しようとするし、こちらの固定観念をくつがえすような新鮮な意見をぶつけてくる。筆者はそうしたやりとりから多くのことを教えられてきた。」と西沢は述べる。木造の可能性に気づくようになったのも、海外講演の最中のことだったという。
日本の木造にはどんな特徴があり、どんな可能性があるのか。「木造による現代建築」の可能性を西沢大良の仕事から探っていく一冊。[INAX出版サイトより]


Supergraphics 空間の変容:壁面、建築、空間のためのグラフィックデザイン

編著者:Tony Brook, Adrian Shaughnessy
発行日:2011年8月10日
発行:ビー・エヌ・エヌ新社
価格:3,800円
サイズ:275×215mm

3次元(建築)と2次元(グラフィック)を繋ぐスーパーグラフィックの誕生した1960年代から現在までの系譜。写真とともに各時代に活躍したアーティストのインタビューも集録。バーバラ・スタウファカー・ソロモン、バリー・ブリスコー、ジャン=フィリップ・ランクロほか。


建築の還元 更地から考えるために

著者:南泰裕
発行日:2011年9月10日
発行:青土舎
価格:2,200円
サイズ:195×140mm

現代において建築は、還元/構成という試行をその時々において徹底することでしか成立し得ないー思想と建築とを切り結ぶ可能性の地平を切り拓き、復興期新精神の土台を提供する俊英による本格建築論集。[本書帯より]




日常のインスタレーション 第1回「養生の力」

著者:川上恭輔
発行日:2011年7月1日
発行:稀会
価格:400円
サイズ:720×500mm

本連載企画は、日常の中で感じた違和感、すなわちインスタレーション「ぽい」について、その原因を探ることを通して違和感についての謎をひも解くものである。芸術など、ある特化した分野からみるのではなく、誰もが目にした事のある日常の中の違和感のある風景を対象とすることで特定の視野からでなく親しみを持ってほしい。 CUT02では連載の第1回として「養生の力」を取り上げる。[maremagazineより]



奇跡(DVD&Blu-ray)

監督・脚本:是枝裕和
主演:まえだまえだ
発売・販売:バンダイビジュアル
定価:DVD(限定版)=6,300円(税込)
   DVD(通常版)=3,990円(税込)
   Blu-ray=5,040円(税込)
© 2011「奇跡」製作委員会

是枝裕和監督オリジナル最新作が、早くもDVD&BDになってリリース。「九州新幹線全線開業の朝、博多から南下する“つばめ”と、鹿児島から北上する“さくら”、二つの新幹線の一番列車がすれ違う瞬間に奇跡が起きて、願いが叶う──。そんな噂を耳にした小学6年生の航一(前田航基)は、離れて暮らす4年生の弟の龍之介(前田旺志郎)と共に奇跡を起こし、家族4人の絆を取り戻したいと願う。...兄弟は、友達や両親、周りの大人たちを巻き込んだ壮大で無謀な計画を立て始める。そしてその計画は、人々に思いもよらない奇跡を起こしていくのだった──」[広報資料より]

2011/09/15(木)(artscape編集部)

カタログ&ブックス│2011年8月

展覧会カタログ、アートにまつわる近刊書籍をアートスケープ編集部が紹介します。

パウル・クレー│おわらないアトリエ(日本語版)

発行日:2011年3月12日
発行:日本経済新聞社
定価:2,500円(税込)
サイズ:B5変

京都国立近代美術館(2011年3月12日〜5月15日)及び東京国立近代美術館(5月31日〜7月31日)を巡回した同名の展覧会カタログ。展示作品に加え、クレー研究の最新成果をふまえた論文も多数収録。



新たなる船出 A see-worthy vessel(今治市伊東豊雄建築ミュージアム開館記念展公式カタログ)

発行:今治市伊東豊雄建築ミュージアム
発行日:2011年7月30日
定価:1,500円(税込)
サイズ:A4変

オープニングを飾る展覧会の展示、コンセプトなどを収めた公式カタログ。展覧会に併せて公募した「みんなの家」のドローイングの一部(伊東豊雄、山本理顕、内藤廣、隈研吾、妹島和世)、本展覧会のために撮りおろした畠山直哉の写真、伊東豊雄インタビュー、太田浩史・山名善之らによる建築ミュージアムの楽しみ方、利用のし方など、見どころ読みどころ満載。[今治市伊東豊雄建築ミュージアムウェブサイトより]




せんだいスクール・オブ・デザイン 2010年度年次報告書

せんだいスクール・オブ・デザイン 2010年度年次報告書
発行日:2011年5月25日
発行:せんだいスクール・オブ・デザイン
サイズ:209×196mm

東北大学都市・建築学専攻が仙台市と連携し、2010年秋から行なっている新たな教育プログラム「せんだいスクール・オブ・デザイン(SSD)」の第一期成果報告書。BankART1929代表の池田修らを招いたレクチャーシリーズや、各教員によって開講されたスタジオの活動内容などを、豊富な図版とともに紹介している。


彼らが写真を手にした切実さを──《日本写真》の50年

著者:大竹昭子
発行日:2011年6月21日
発行:平凡社
定価:2,205円(税込)
サイズ:194×135mm

戦後写真のヒーロー森山大道・中平卓馬から90年代以降新潮流を作った佐内正史・ホンマタカシまで、10人の写真人生の切実さに斬り込む。写真の核心に触れる渾身の一冊。[平凡社ウェブサイトより]


レオナール・フジタ──私のパリ、私のアトリエ

監修:ポーラ美術館
発行:東京美術
定価:2,205円(税込)
発行日:2011年3日
サイズ:A4変、112ページ

ポーラ美術館にて開催中の展覧会「レオナール・フジタ〜私のパリ、私のアトリエ〜」(2011年3月19〜2012年1月15日)図録。1920年代の絵画をはじめ、挿絵本や版画、職人に扮した子どもをユーモラスに描いた晩年のタイル画の連作など、初公開作品11点を含む約80点を収録。パリへの想いや職人気質が伝わる挿絵本や木工などの手仕事も紹介。

2011/08/15(月)(artscape編集部)

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カタログ&ブックス│2011年7月

展覧会カタログ、アートにまつわる近刊書籍をアートスケープ編集部が紹介します。

ル・コルビュジエは生きている 保存、再生そして世界遺産へ

著者:南明日香
発行日:2011年6月20日
発行:王国社
価格:1,995円
サイズ:188×130mm

ル・コルビュジエの建築を活かすためフランスでは何がおこなわれているか。建築を歴史の生きた証人として尊重し、長い時間をかけて合意を形成していくフランスの「建築文化」の姿を、ドキュメント風に描く画期的な書下ろし。[エクスナレッジサイトより]



NPOゲートシティ多賀城をとおした歴史都市・多賀城のまちづくり

著者:五十嵐太郎、石川幹子、板橋仁志、笠原隆、菊地健次郎、窪田亜矢、佐藤芳治、進藤秋輝、高倉敏明、高橋四郎、新沼利子、永瀬節治、山崎直子、脇坂隆一、脇坂圭一
発行日:2011年3月
発行:NPOゲートシティ多賀城
価格:1,000円
サイズ:188×130mm

史跡を活かしたまちづくりを推進するため、平成18年から活動している市民活動団体NPOゲートシティ多賀城による一冊。「歴史のみち探索ツアー」やシンポジウムの記録など、これまでの活動を紹介する一方で、五十嵐太郎や石川幹子らによるコラムを多数掲載。




photographers' gallery press no. 10

著者:ジョルジュ・ディディ=ユベルマン、橋本一経、豊島重之、倉石信乃、小原真史、平倉圭、前川修、土屋誠一、江澤健一郎、中谷礼仁、瀬戸正人、大島洋
発行日:2011年6月20日
発行:photographers' gallery
価格:2,520円(税込)
サイズ:257×182mm

photographers' galleryによる年1回発行の機関誌。近年めざましい活躍で注目を集めているフランスの哲学者・美術史家ジョルジュ・ディディ=ユベルマンへのロングインタヴューや橋本一経による論考などを収録。


THE ULTRA 03

発行日:2011年3月
発行:ULTRA FACTORY
サイズ:420×297mm

年に一回発行の、ウルトラファクトリーのフリーペーパー。ウルトラファクトリーの多様な活動を、さまざまな角度で伝えるべく、毎号実験的な試みが仕掛けられている。取材・編集をウルトラファクトリープレスが、またグラフィックデザインをクリティカルデザインラボが担当。学生たちの実践の場としても機能している。

以下のサイトからPDFがダウンロードが可能
・ULTRA FACTORY
http://ultrafactory.jp/magazine/


ULTRA AWARD 2010

発行日:2011年2月23日
発行:ULTRA FACTORY
サイズ:257×182mm

2010年より始まった、京都造形芸術大学生・卒業生を対象としたアートコンペティションのカタログ。大賞者の作品とインタビューを主軸に、展覧会の模様を収録。審査員からのコメント、対談なども掲載。

以下のサイトからPDFがダウンロードが可能
・ULTRA FACTORY
http://ultrafactory.jp/magazine/ultra_award_catalog.html

2011/07/15(金)(artscape編集部)