キュレーターズノート
バックナンバー
「実験場としてのミュージアム」のつくりかた ──科学博物館エクスプロラトリアム
[2017年09月01日号(菅沼聖/今野恵菜)]
前回は筆者が勤務している山口情報芸術センター[YCAM]を題材にこれからの公共文化施設と社会との関係性をラボやエデュケーターといった観点から論じた。今回は科学博物館という枠組みを超え、先進的な活動を行なうエクスプロラトリアムの取り組みを通...
志賀理江子 ブラインドデート/高﨑元尚新作展 ─破壊 COLLAPSE─
[2017年09月01日号(川浪千鶴)]
丸亀市猪熊弦一郎現代美術館の「志賀理江子 ブラインドデート」展(2017年6月10日〜9月3日)を訪れた時のこと。開放的なファサードから明るいエントランスを抜けて、3階の企画展示室に足を踏み入れたとたん、闇に包まれた。
創造性を紡ぐ拠点を目指して──デザイン・クリエイティブセンター神戸
[2017年09月01日号(近藤健史)]
2012年にオープンして以来、デザイン、アート、食、まちづくりなどをテーマに、積極的に市民を巻き込むワークショップやレクチャーなどを展開しているデザイン・クリエイティブセンター神戸(KIITO)。本稿では、拠点とする建物の歴史や開設までの...
北九州の挑戦的アートスペース「Operation Table(QMAC)」
[2017年08月01日号(正路佐知子)]
今号から、本枠で執筆の機会をいただけることとなった。福岡に来てもうすぐ丸10年になるが、特に近年、この地で起きていることを外に発信できていない風通の悪さが気になっていた。閉塞感のようなもの、これは私ひとりではなく福岡の美術関係者の多くも感...
「ラブラブショー2」を振り返って
[2017年08月01日号(工藤健志)]
ここ数年、「美少女の美術史」展や「成田亨 美術/特撮/怪獣」展など共同企画の仕事が続いていましたが、2012年の「Art and Air」展以来、5年ぶりにホームで自主企画展「ラブラブショー2」を担当しました。
山本理恵子「空白の頁」、吉岡千尋「sub rosa」
[2017年08月01日号(中井康之)]
荒々しい筆触による、男女のエロティックな行為を思い起こさせる山本理恵子の新作《dance》が、我々を喚起するのは、彼女の表現が「何事かを表意する(シニフィエ)ものではなくて、標示する(シニヤレ)ものだった」からなのであろう。「つまり、ここ...
マチエールとの格闘──田口和奈/米倉大五郎 2つの個展から
[2017年07月15日号(角奈緒子)]
今年もあっという間に、じめっとした重い空気がまとわりついて、じっとり汗ばむ季節がやってきた。そんな季節だからこそ、一見爽やかそうだが意外と粘度は高め、心地よい程度に頭にこびりついて離れず、作品と素材との関係を深く考えさせられる2つの個展を...
岩崎貴宏作品における場所性第57回ヴェネチア・ビエンナーレ日本館
[2017年07月15日号(鷲田めるろ)]
5月に第57回ヴェネチア・ビエンナーレが開幕した。今回、私は日本館のキュレーターを務めることになり、岩崎貴宏の個展を企画した。イタリアの出版社SKIRAから発行した日本館カタログに寄せた文章では、海外の人たちに向けて、岩崎の作品を読み解く...
月光ノ絵師 月岡芳年
[2017年07月01日号(岩﨑直人)]
札幌芸術の森美術館では、7月23日まで「月光ノ絵師 月岡芳年」展を開催している。この美術館において浮世絵師を取り上げる展覧会は、歌川国芳以来2年ぶり2度目だ。