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足利市立美術館「涯テノ詩聲 詩人 吉増剛造展」、アーツ前橋+前橋文学館「ヒツクリコ ガツクリコ 言葉の生まれる場所」

[2018年01月15日号(住友文彦)]

現代詩の作り手のなかでも、写真や映像をはじめ銅板打刻作品など、詩人と言っても造形的な魅力を持つ作品を多く発表している吉増剛造に美術愛好者が関心を向けるのはよく理解できる。この展覧会は私が見た足利市立美術館の展覧会のあと、沖縄県立博物館・美術...

「デザイン」センターから生まれ、発信される「アート」──KIITOアーティスト・イン・レジデンスの成果

[2018年01月15日号(佐藤真理)]

KIITOは「デザイン」・クリエイティブセンター神戸という名称だが、アート関連事業も並走させている。筆者が担当する「スタジオレジデンス(KIITOアーティスト・イン・レジデンス)」、神戸のまちのイメージを異なる専門分野の研究者と捉え直す「神...

アッセンブリッジ・ナゴヤ 2017

[2017年12月15日号(吉田有里)]

2016年にスタートした、音楽と現代美術のフェスティバル「アッセンブリッジ・ナゴヤ」。 現代美術展では、まちの資源を生かし、まちを庭と見立て、回遊しながら作品とまちを楽しむことのできる展覧会を企画。作品を鑑賞しながら港まちを歩くことで、鑑賞...

合目的的不毛論

[2017年12月15日号(中井康之)]

マイケル・ジャクソンが写し出されたグラビア写真と不確定な物体。それが、澤田華の《Gesture of Rally #1712》を構成する基本要素である。その二つの要素は、全く異なる立脚点によって存在すると思われるのだが、澤田は、偶然にもその...

「高松コンテンポラリーアート・アニュアルvol.06/物語る物質」、「シュらん2017」、「猪熊弦一郎展 戦時下の画業」に見る地域と美術と美術館の関係/岡上淑子コラージュ展

[2017年12月01日号(川浪千鶴)]

 本コラムの目的が「地域の活動のアーカイブ」にあるという青森県立美術館の工藤健志さんの意見には、全面的に賛成したい★1。  膨大な来場者数を誇る東京単独開催の超弩級展を見るにつけ、楽しみつつも、一極集中という悪しき先祖返りはどこまでも続くと...

尾道芸術祭 十字路/海と山のアート回廊

[2017年12月01日号(角奈緒子)]

 いつの頃からか尾道がアツい。海沿いの上屋倉庫2号が、建築家・谷尻誠氏の設計によって、自転車ごと宿泊できるホテル、レストラン、ショップなどが入る複合施設「ONOMICHI U2」に生まれ変わったのが2014年。それまでは廃屋のように佇んでい...

アーティスト・イン・レジデンス「この現実のむこうに―Here and Beyond」展

[2017年11月15日号(工藤健志)]

 今年は「ヴェネチア・ビエンナーレ」、「ドクメンタ」、「ミュンスター彫刻プロジェクト」と海外の大型芸術祭が重なり、さらに国内でも国際型から地域密着型まで数多くの芸術祭が開かれた、さながら「芸術祭の当たり年」であった。その多くをはしごした人も...

越後正志「抜け穴」展

[2017年11月15日号(鷲田めるろ)]

 富山県砺波平野に「ギャラリー無量」という小さなギャラリーがある。アーティスト、小西信英が、自宅である古民家を改修して作品の展示空間とし、カフェも併設している場所だ[図1]。8月にここで、越後正志の個展「抜け穴」を企画した。越後はイギリスや...

秋の福岡─九州:UMINAKA TAIYOSO AIR 2017 滞在制作展覧会/MESSAGE2017 南九州の現代作家たち/Local Prospects 3 原初の感覚

[2017年11月15日号(正路佐知子)]

 今秋、福岡を含む九州の美術周辺がいつもより熱いように思われる。「サンシャワー:東南アジアの現代美術展 1980年代から現在まで」の部分巡回展(福岡アジア美術館)にあわせた数々の連携企画、加えて現代の作家たちを取り上げる展覧会が、芸術の秋に...

ソフィ・カル「Beau doublé, Monsieur le marquis!」展、パリ狩猟自然博物館

[2017年11月01日号(能勢陽子)]

 豊田市美術館では、2015年にソフィ・カルの個展「最後のとき/最初のとき」(原美術館との共同開催)を開催している。また、館のコレクションの人気投票をした際に、大方の予想だったグスタフ・クリムトやエゴン・シーレの絵画ではなく、カルの《盲目の...

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