キュレーターズノート

バックナンバー

美術館の存在意義──追悼 桜井武 熊本市現代美術館館長

[2019年07月15日号(坂本顕子)]

去る6月8日に熊本市現代美術館の桜井武館長が、胃がんのために75歳で亡くなった。4月13日にオープンした「 大竹伸朗 ビル景 1978-2019 」展の開会式ではスピーチを行ない、同展について執筆しようと資料を集めていた矢先のことだった。治...

二つの生誕百年記念展

[2019年07月01日号(伊藤匡)]

人生百年時代と言われる現代、ついこの間まで現役だった作家が生誕百年を迎えることを知って驚くことが増えた。今、福島県と山形県で、生誕百年を記念した展覧会が開かれている。作家の全体像を俯瞰的に眺めるには、生誕百年の頃は、ちょうどよい時期かもしれ...

瀬戸内の風景──瀬戸内国際芸術祭2019

[2019年07月01日号(橘美貴)]

今年もだんだん気温が上がり、瀬戸内に潮の香りを含んだ風が吹くなか、 瀬戸内国際芸術祭2019 が幕を開けた。よくご存知の方も多いことと思うが、瀬戸内国際芸術祭は2010年に第1回をスタートさせ、今年が4回目の開催となる。 地域の芸術祭を訪れ...

「わたし」が発するとき──「彼女たちは叫ぶ、ささやく─ヴァルネラブルな集合体が世界を変える」展

[2019年06月15日号(正路佐知子)]

前号で紹介 した「インカ・ショニバレCBE:Flower Power」展(福岡市美術館)の会場最後を飾ったのは、《桜を放つ女性》と題された新作だった。ショニバレは本作に「女性のエンパワーメント」という思いを込めており、彫刻頭部の地球儀には1...

指差す権力への密やかな抵抗

[2019年06月15日号(鷲田めるろ)]

東京の八丁堀にあるギャラリー nca | nichido contemporary art にてキュレーションした 「Identity XV」 展が始まった。ncaは、老舗の日動画廊のコンテンポラリーアート部門で、2003年以降、毎年外部の...

身体はどこから来て、どこへ行くのか──YCAMバイオ・リサーチとcontact Gonzoがとりくむ身体表現

[2019年06月01日号(津田和俊/吉﨑和彦)]

山口情報芸術センター[YCAM]では、近年、急速に一般化が進むバイオテクノロジーの新たな応用可能性を、アートや教育、地域など多様な切り口から模索するプロジェクト「 YCAMバイオ・リサーチ 」を2015年より展開している。今年はアーティスト...

連続と非連続のあいだ──「5月」/「やなぎみわ展 神話機械」

[2019年06月01日号(住友文彦)]

美術作品や展覧会を、自分がすでに知っている形式とは異なるものとして考えてみたいと思ったことがある人は少なくないだろう。それは既知の価値体系を再生産することへの批評として、あるいは歴史や文化を複数的なものとして想像し直すための意義を持つはずだ...

アーティストと街とアートセンターと

[2019年05月15日号(勝冶真美)]

今回より、京都市内の街中にある京都芸術センターに「キュレーターズノート」をご寄稿いただくことになった。京都芸術センターは、明治2年に京都の町衆たちが設立した小学校の校舎を拠点に活動している。展覧会のみならず、演劇やダンスの公演、トークイベン...

「地域美術史」のこれから──アイチアートクロニクル1919-2019

[2019年05月15日号(能勢陽子)]

大規模なコレクション展には、企画展とはひと味違う、マニアックと言っていいような楽しみがある。通常の常設展ではなかなかお目にかかれない収蔵庫の片隅に眠っていた作品たちは、美術館が存在する地域の時代性を何よりも色濃く反映していることがあるし、ま...

戦後版画運動の地下水脈 女性、山村をめぐるケーススタディ

[2019年05月15日号(町村悠香)]

町田市立国際版画美術館の学芸員、町村悠香さんによる「キュレーターズノート」の連載の第1回。町田市立国際版画美術館は東京都の町田市に位置し、版画工房やアトリエなどの施設を持つ特色ある美術館だ。今回は、同館で開催中のミニ企画展「彫刻刀で刻む社会...

オススメ展覧会

レビュー/プレビュー

フォーカス

キュレーターズノート

artscapeレビュー

トピックス

360°ビュー