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京都精華大学芸術学部卒業・大学院修了制作展

2009年02月15日号

会期:1/28~2/1

京都市美術館[京都府]

卒業制作展の季節で京都市美術館も賑わっていて、いつもとは少し違う雰囲気に包まれている。卒業制作展を見るのは好きだが、その質はどの大学を見ても毎年少しずつ下がっていると感じるのは気のせいだろうか。今年の精華大学の制作展で力が入っていると感じたのはほとんどがデザイン科の学生の作品だった。なかでもプロダクトデザイン学科の前田直希の作品、幼稚園児の災害時避難用スーツはコンセプトもデザインも秀逸で、すぐにでも商品化できそう。クマ(熊)をイメージした防災ジャケットのフードには、暗いところでも存在が確認できる蛍光シートのついた「耳」がついていて、集団行動がとりやすくなっている。かわいらしいヴィジュアルイメージだが、丁寧な工夫と努力がうかがえるデザイン。災害時の想像は誰にとっても楽しいものではないし、楽しむものでもないだろうが、防災具類が機能的でかつ楽しいという要素をもっているということは、いろいろな場面で影響してくるはずだ。それを充分に踏まえている(と思う)点もうかがえて、会場でも際立っていた。

2009/01/31(土)(酒井千穂)

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