artscapeレビュー

プレビュー:森村泰昌モリエンナーレ/まねぶ美術史

2010年07月01日号

会期:2010/07/17~2010/09/05

高松市美術館[香川県]

20世紀の人物をテーマにした個展「なにものかへのレクイエム」が全国を巡回中の森村泰昌が、「瀬戸内国際芸術祭」で盛り上がっている(はずの)香川・高松で新たな個展を開催する。彼がデビューする以前に描いた秘蔵作品を紹介するもので、タイトルの一節「まねぶ」からもうかがえる通り、美術史上の巨匠を真似た作品が開陳されるのだ。作品は、高校生の頃に描いたカンディンスキー風の作品や、70年代のデューラー風、岡本太郎風の作品などレアものが中心。いわば一美術家の等身大の美術史であり、大々的に開催される国際美術展に対するささやかな抵抗と見ることもできるだろう。また、高松市美が所蔵する田中敦子作《電気服》にオマージュをささげた新作が披露されるのも見どころだ。

画像:《電気と熱を描く人(田中敦子と金山明のために)》2010年

2010/06/20(日)(小吹隆文)

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