artscapeレビュー
INLAY 坂本素行展
2014年08月01日号
会期:2014/07/13~2014/07/19
瑞玉ギャラリー[東京都]
ストライプ模様の花瓶や壺、幾何学模様で埋め尽くされたポットやカップ&ソーサー。坂本素行氏の作品を知ったのはLIXILギャラリー
坂本素行氏の経歴が興味深い。元々は日産のカーデザイナー。ある展覧会で象嵌青磁に出会って関心を持ち、独学で陶芸を始め、1980年、30歳のときに陶芸家として独立。その後、灰釉陶器などの技法を研究し、近年になってふたたび象嵌に回帰したという。今回出品されている作品は器のかたちも色彩も西洋的である。それは見た目だけではない。ゲージをあてて罫描きし、ナイフで削って土を埋めてゆくという工程もまた西洋的であり、土や手の痕跡を良しとする日本の陶芸とは異なる美意識の作品だ。デザイナー出身であること、陶芸を独学したことが、独自のスタイルの背景にあると思われる。[新川徳彦]
2014/07/18(金)(SYNK)